露現と覆蔵 現象学から宗教哲学へ
| 井上 克人 著
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| シリーズ | 関西大学東西学術研究所研究叢刊20 |
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| 判 型 | Ａ５判上製函入 |
| ページ | 382頁 |
| 定 価 | 5,280円（本体4,800円+税） |
| ISBN | 4-87354-370-3 |
| 分類コード | C3014 |
| 刊行年月 | 2003年02月 |
本書は、フッサールの現象学やハイデガーの存在論によって切り開かれてきた〈覆蔵性〉の次元を第一篇で追跡しつつ、第二篇ではそれを踏まえて、道元の禅思想や親鸞の他力の立場に見られる本覚思想を存在論的・時間論的に究明している。本書に一貫する基本的立場を一語で示せば、〈超越的覆蔵性〉の哲学ということになろう。
- 目 次
- 第1篇 覆蔵性の現象学へ－時間論的考察
第1章 世界の現出と＜生ける現在＞－フッサールの時間論を手懸りに
第2章 おのずからなる覚証－時間と自覚
第3章 同一性と差異、或いは＜時＞－道元の思想への途上で
第4章 ハイデガーに於ける＜時＞と＜性起＞の問題
第5章 有の既在的自同性について－ハイデガーに於ける思索の由来
第2篇 修と証の＜あいだ＞－宗教哲学への試み
第1章 道元の疑団をめぐって
第2章 道元の修証観
第3章 道元の仏性観とその哲学的意味
第4章 道元禅の特質
第5章 道元の禅思想－西田哲学の「逆対応」の論理を手懸りとして
第6章 田邊・西田哲学に見る道元理解
第7章 道元とハイデガー－＜非思量＞と＜有の思索＞
第8章 親鸞における「横超」の論理
第9章 西田哲学に見る＜超越的覆蔵＞の論理について
第10章 初期禅宗に於ける本覚的思惟－『大乗起信論』と初期禅宗の立場