存在・感情・政治 スピノザへの政治心理学的接近
河村 厚 著
|
|
判 型 | A5判上製 |
---|---|
ページ | 424頁 |
定 価 | 4,070円(本体3,700円+税) |
ISBN | 978-4-87354-556-1 |
分類コード | C3010 |
刊行年月 | 2013年03月 |
スピノザの倫理学と政治学を、コナトゥスと「感情の模倣」を中心的基軸に据えて現実主義の観点から考察。スピノザを、喜び、肯定、マルチチュードの哲学として評価する1960年代以降の一つの潮流とは一線を画した解釈を提示。附論でディープエコロジーやコールバーグの道徳性発達理論とスピノザの関係について考察。
- 目 次
- 凡例
序
第1部 コナトゥスと救済
救済の存在論的基底
第1章 コナトゥスから救済へ
―スピノザにおける救済の根底的基礎としてのコナトゥスについて―
第2章 保存と増大
―『エチカ』におけるコナトゥスの自己発展性とその必然性について―
コナトゥスと倫理
第3章 スピノザにおけるコナトゥスと倫理
救済の政治的位相
第4章 スピノザ社会哲学における国家成立の問題
―『エチカ』と『政治論』の連続と不連続―
第4章補論 国家の形而上学的地位について
第5章 力能と排除
―『政治論』における女性と奴隷をめぐる問題について―
コナトゥスの彼方へ
第6章 コナトゥスの彼方へ
―レヴィナスのスピノザ批判に対して/のために―
第6章補論
安定性と救済
第7章 スピノザにおける三つの救済について
―安定性と均衡の実現という観点から―
第2部 感情と倫理,感情と政治
第8章 感情から社会へ
―『エチカ』における感情と社会について―
第9章 存在論的、社会哲学的位相における“communicatio”の役割
第10章 模倣と利他
―スピノザ『エチカ』に利他的行為は存在するのか―
第10章補論 「決定論」,「感情の模倣」そして「赦し」
第11章 相克と均衡
―スピノザ政治哲学における国家の自然権と〈安定〉について―
第1附論 ディープエコロジーのスピノザ受容
―A.ネスの場合―
第2附論 認識と道徳―コールバーグとスピノザを手がかりに
あとがき
文献表
索引