博士課程後期課程(総合人文学専攻 国文学専修)
2015年度の専修科目(演習を伴う科目)を掲載しています。
前期課程
専修科目 |
教員氏名 |
上代・中古文学 |
田中 登
山本 登朗
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中世文学 |
大島 薫
関屋 俊彦
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近世文学 |
藤田 真一
山本 卓
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近代文学(現代文学を含む) |
関 肇
増田 周子
|
国語学 |
乾 善彦
日高 水穂
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後期課程
専修科目 |
教員氏名 |
上代・中古文学 |
田中 登
山本 登朗
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中世文学 |
大島 薫
関屋 俊彦
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近世文学 |
藤田 真一
山本 卓
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近代文学 |
関 肇
増田 周子
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国語学 |
乾 善彦
日高 水穂
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上代・中古文学
<上代>『万葉集』『古事記』『日本書紀』等の上代文献を研究の対象とする。言うまでもなく、これら上代文献は全て〈漢字〉のみで記されている。その〈漢字〉の表記意識や用字意識を支えた漢籍の受容にも目を配りつつ、訓詁注釈を基本として、より信頼の置ける本文を再構築することからスタートし、〈漢字〉だけで記された〈やまとことば〉の意味的世界を徹底的に検証することを通して、その〈こころ〉を徹底的に〈よむ〉ことを、学生自身の主体的取り組みとして達成してもらいたい。
<中古文学>平安時代の文学作品には、『源氏物語』『伊勢物語』『枕草子』『古今和歌集』など、日本の古典文学の中でもよく知られた重要な作品が多いが、その本当の姿を知ることは、それほど容易ではない。学部の勉強だけでは十分追究できなかった、物語や和歌の深い意味や本当の魅力を探るために、大学院ではまず言葉を大切にした読解を身につけ、また原典にもとづいた作品研究の方法を会得することをめざす。しっかりした根拠にもとづいた確実な読みによって、これまで見えなかった平安文学の本当の姿が、思いがけない形で現れてくるであろう。
【担任者および研究テーマ(概要)】
■田中 登 教授: 平安・鎌倉時代を中心とした和歌文学、古筆学を中心とした文献書誌学
冷泉家所蔵本を中心とした平安・鎌倉時代の私家集を、古筆学的に、また文献書誌学的に研究。また、古筆資料を使って、平安・鎌倉時代に成立しながら歴史の彼方に消え去ってしまった、いわゆる散佚作品の復原作業にも精力的に従事する。
■山本 登朗 教授: 上代、および平安時代の文学
おもに『伊勢物語』を中心に、上代、および平安時代のさまざまな文学作品(和歌、漢詩、物語、日記、随筆など)について幅広く研究し、あわせて、それらの作品の、各時代を通じて現代に至るまでの享受の歴史について考察している。
tokuro
kansai-u.ac.jp
中世文学
本学の伝統である文献学・書誌学に立脚して、中世における文学のありかたを解明する。
雅と俗、旧と新が入り混じる中世における文学の成立と享受の世界に分け入ることは容易ではないが、先行文学の精神と詞章がみごとに織りなされている能楽や、時代を最も反映している仏教説話などの世界にも目を向けてほしい。自分自身が何を解明し、喜びとしたいかを自らに問い、積極的に取り組んでもらいたい。
【担任者および研究テーマ(概要)】
■大島 薫 教授: 日本文化史 Japanese popular culture
「日本の古典文学」は、作品が形成された時代、そして作品を読み継いだ人々の知的営為を復元することにより、さらなる解釈が可能になる。現存する種々のテクストを題材に、日本文化の諸相や、日本人のアイディンティを明らかにしたい。
ANB33756
nifty.ne.jp
■関屋 俊彦 教授: 能楽研究(能と狂言の研究)
大蔵家24世弥右衛門氏の御厚意による大蔵虎明の間狂言本と、図書館に入った新生田文庫や茂山千五郎家の高弟井狩辰吉本の研究も進めていかなければならないが、能の梅若座が何故五流に入らず波瀾万丈の歴史となってきたかを今後解明することになる。
mlb04839
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近世文学
近世は文学のすそ野が広がった時代であり、「近世文学」に含まれるジャンルははなはだ広範囲に及ぶ。本専攻では、俳諧・小説を中心とした講義・演習を開設し、さらに文化全般を見通した研究を行っている。
俳諧は芭蕉や蕪村など、小説では浮世草子や読本および軍談実録などを採り上げ、眼光紙背に徹す「読み」をめざしている。国文学において「読む」ことは研究の第一歩であるからである。また、江戸時代は出版文化の時代でもあるので、本研究科独自のユニークな講義科目として「近世版本書誌学」も用意している。演習では、それらの「読み」に基づいて、俳諧・小説ばかりでなく、各人の研究テーマに応じた多様な研究対象を深く考究する。自分自身の興味を大切にして、この多様にして豊穣な近世文学作品に積極的に対峙してほしい。
【担任者および研究テーマ(概要)】
■藤田 真一 教授: 近世文学、および江戸〜明治の俳諧・俳句文芸の研究
芭蕉・蕪村・子規たちの残した作品を読解しながら、俳諧の歴史的流れについて研究している。あわせて、世界中から注目されるこの短詩形文学の特質を明らかにすることを目ざし、また日本人がもっている自然・季節への感性のあり方を考察する。
b.244.fujita
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■山本 卓 教授: @近世小説研究、とくに浮世草子、読本、実録研究 A「忠臣蔵」伝説研究 B近世出版文化研究
近世小説(浮世草子・談義本・読本)にみえる舌耕(話芸)性の問題、書本(実録写本)を種本とする浮世草子・読本などの出版された小説、そして近世出版文化を研究してきたが、近年は赤穂浪士(「忠臣蔵」)伝説の生成とその展開に注目している。
yamataku
iris.ocn.ne.jp
近代文学(現代文学を含む)
明治期から大正・昭和、さらに現在に至るまでの広範囲の近代・現代作家・作品を研究対象とする。森鴎外・夏目漱石から現在活躍中の宮本輝・河野多恵子・村上春樹らの作家まで採り上げる。文献調査など書誌学の分野をも重視する。大阪出身の作家たちや大阪を描いた作品や女流文学者やプロレタリア文学・戦後文学さらに昭和期文芸評論といった分野領域をも多角的に対象とし、作品の読みを重点にする。近代の修士論文のテーマも宇野浩二・谷崎潤一郎・佐藤春夫・長与善郎・小林多喜二・野間宏・武田泰淳・織田作之助・安部公房と多岐にわたっている。文学研究にとってなにが大事か、また、その研究方法はいかにして可能なのか、文学研究を実践するなかで学ぶ。
【担任者および研究テーマ(概要)】
■関 肇 教授: 近代文学、明治・大正期の文学の研究
尾崎紅葉・徳冨蘆花・村井弦斉・菊池幽芳・夏目漱石など、明治・大正期の新聞小説を中心とする研究を行う。新聞メディアと文学、およびそれを享受する読者との関係について、同時代の歴史的・社会的な問題を視野に入れながら実証的に検討する。
■増田 周子 教授: 日本近現代文学、比較文学
大正、昭和文学研究、および日本近現代文学を諸外国との関係の中でとらえる研究をおこなっている。宇野浩二、芥川龍之介、織田作之助、火野葦平、西条八十、大阪のカフェと文芸運動、関西の出版・文壇研究などの論文がある。
nrb49634
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国語学
日本語は、通時的および共時的に研究される。日本語の通時的研究においては、上代から現代にいたる各種の文献を対象として、それを、文法史、語彙史、文字表記史の領域にわたって研究する。そのためには、資料をいかに正確に読み、解釈するかがきわめて重要になってくる。その際、各時代における日本語についての記述や言語遊戯の類は、それぞれの時代の日本語についての同時代人の意識を示したものとして、その解明に重要な示唆を与えてくれるものである。また、現代の日本語に関しては、いわゆる標準語だけでなく、地域方言や社会方言(集団語・職業語など)も研究対象に含まれる。日本語の多様性を整理し、構造の体系的な分析を試みるほか、実社会におけることばの運用や第二言語としての日本語の問題など、社会言語学的な課題にも取り組んでいる。研究アプローチは対象ごとに異なってくるが、どの分野においても実際のデータに基づいた実証的な研究を行うことが求められる。
【担任者および研究テーマ(概要)】
■乾 善彦 教授: 日本語の文字論と表記史
本来、中国語を書きあらわす文字である漢字を用いて、日本語を表記するようになったところから出発して、現在の漢字仮名交じり文が成立するまでの日本語表記の歴史。各時代の文字・表記意識や漢字・仮名とことばとの基本的な関係を、多様な資料を駆使して考える。
inuy
kansai-u.ac.jp
■日高 水穂 教授: 現代日本語文法の記述的研究、方言文法の対照研究
日本語諸方言の文法の特徴を対照させ、その地理的分布のあり方から、言語変化のメカニズムを解明する研究を行っている。言語変化に関わる言語の内的な特徴とともに、言語の社会的な機能にも注目している。最近は談話展開の地域差に関心を持っている。
hidaka
kansai-u.ac.jp
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