東京シンポジウム

 社会安全学部及び大学院社会安全研究科では、本学部・研究科の社会的認知度の向上と研究成果の還元を目的として、企業や行政関係者を対象としたシンポジウムを、平成22年より年に一度、東京にて開催しています。
 各回のテーマに基づいて、本学部の教員ならびに社会安全に関わる各界の第一人者の方々と共に、講演・パネルディスカッション・演習を行っております。また、第3回からは、本学部生によるパネル研究発表も併せて行い、学部生たちの日頃の研究成果を社会に発信しています。各回の概要は以下をご覧ください。

第8回 東京シンポジウム

第8回 東京シンポジウム

日時:平成29年12月1日
場所:関西大学東京センター

 12月1日(金)、関西大学東京センターにおいて、第8回東京シンポジウム「首都直下地震・南海トラフ巨大地震へ備えよ!‐熊本地震から得た教訓‐」を開催しました。
 シンポジウムは2部構成で行われ、第1部では、まず本学部 河田 惠昭特別任命教授が「日本がつぶれる!」と題して、基調講演を行いました。これまでの歴史における社会的背景と、国難災害(首都直下地震、南海トラフ巨大地震、東京水没)との関連性についての講演があり、近い将来に起こることが確実視されている国難災害が発生した際の問題点等が挙げられ、国難災害に対処する組織設置の必要性が示されました。
 続いて、熊本地震の調査報告として、本学部 林 能成教授、一井 康二教授、小山 倫史准教授、山崎 栄一教授により、それぞれの専門的な見地から、熊本地震における被害や影響等についての報告が行われました。
 第2部では、本学部 奥村 与志弘准教授の進行のもと、第1部登壇者とともに、パネルディスカッションが行われました。参加者から講演、調査報告に関する質問を受け付け、熊本地震から得た教訓をもとに、首都直下地震及び南海トラフ巨大地震へどのように備えるのかについて、各々の専門的分野から多岐にわたって議論を行いました。
 また、会場内のオープンスペースでは、社会安全学部生によるパネル研究発表も行われ、日頃の研究成果を披露し、来場者からの質問に回答する等、盛況のうちに幕を閉じました。

第7回 東京シンポジウム

第7回 東京シンポジウム

日時:平成28年11月11日
場所:関西大学東京センター

 今回のテーマは「これからの交通社会と事故防止 −バス・タクシー・トラック・営業車の安全を考える−」です。交通事故の発生を防止し、被害の低減を進めていくことは、安全・安心な社会を創っていく上で最も重要な課題の一つであるとの問題意識から、業界のトップが一堂に会した貴重なシンポジウムとなりました。
 シンポジウムは2部構成で行われ、第1部では、「バス・タクシー・トラックの安全確保の課題」と題し、本学部の学部長である安部誠治教授から基調講演を行いました。
 続いて、本学部 中村隆宏教授による「ヒューマンファクターと交通事故の防止」、筑波大学 副学長でシステム情報工学研究科 稲垣敏之教授による「自動車の運転手アシスト技術はここまで来た −自動運転の今後と安全−」として、交通事故と人的要員、機械・システムの信頼性と安全性についての講演が行われました。
 第2部では、業界、行政の安全担当者を交えたパネルディスカッションを行いました。パネリストとして、全日本トラック協会副会長で交通対策委員会委員長の伊藤昭人氏、日本バス協会理事で安全輸送委員会委員長の三澤憲一氏、全国ハイヤー・タクシー連合会理事で交通安全委員長の樽沢功氏、東京電力エナジーパートナー株式会社・安全品質担当の岩井保夫氏、国土交通省自動車局安全政策課長の平井隆志氏を交え、それぞれの業界が抱える課題や現在取り組んでいる安全対策について議論しました。
 本シンポジウムへは150名を超える業界関係者にご参加頂き、多角的な視点から繰り出される議論に興味深く耳を傾けておられました。
 また別会場では、学部の各ゼミ代表学生によるパネル研究発表も行われました。シンポジウム参加者の方々に足を運んでいただき、パネルを使って研究成果を披露しました。日頃から取り組んでいるプレゼンテーションの成果を活かす機会でもあり、参加者の方々から実務経験に基づいたアドバイスを頂戴し、充実したシンポジウムになりました。

※所属肩書は当時のものです。

第6回 東京シンポジウム

第6回 東京シンポジウム

日時:平成27年12月11日
場所:関西大学東京センター

 第6回東京シンポジウムは「企業・組織の“強靭化”をどう進めるか~減災社会の未来構想~」をテーマに開催しました。当日は、発達した低気圧の影響で開始前はあいにくの天気となりましたが、そのような状況にも関わらず約150名の方にご来場いただくことができ、盛況のうちに終えることができました。今回のシンポジウムでは、ともすればインフラの拡大や増強といったハード面の議論として理解される「強靱化」の実質化を目指し、ソフト面での「強靱化」策を中心的なテーマとして取り上げました。
 まず、本学部の河田惠昭教授が「大都市圏の死角はどこか?企業が今なすべきことは?」をテーマに基調講演を行い、大都市における巨大災害対策に関する問題提起を行いました。
 その後の4つの事例講演では、本学部の高橋智幸教授が「東日本大震災での津波被害を踏まえた今後の企業防災」、株式会社ローソンの吉田浩一氏が「茨城・栃木の豪雨被災地域への支援と危機管理、BCP」、工学院大学の村上正浩准教授が「新宿駅周辺地域のエリア防災の取組」、そして、三菱地所株式会社の大庭敏夫氏が「事業所連携による災害時の医療救護体制の強化」という演題で、それぞれの立場で現在推進する研究や実践についての報告をいただきました。
 最後に、本学部の小山倫史准教授をチェアとして、パネルディスカッションを行いました。限られた時間でしたが、フロアからも多数の発言があるなど、企業、組織の災害対策に対する関心の高さがうかがえるものとなりました。
 当日は、社会安全学部生によるポスター発表も同時に行われ、こちらも「興味深い研究が多かった」といった感想をいただくことができました。

※所属肩書は当時のものです。

第5回 東京シンポジウム

第5回 東京シンポジウム

日時:平成26年10月20日(月)
場所:日経ホール

 全体テーマ「ビックデータ時代の個人情報―企業価値を高めるデータの利活用とコンプライアンス―」の下、各分野の専門家による講演と、企業で活躍されている識者を加えたパネルディスカッションの2部構成で実施しました。
 第1部の講演では、まず堀部政男氏(特定個人情報保護委員会委員長・一橋大学名誉教授)から「ビックデータ時代のパーソナルデータの利活用と保護 ~企業法令遵守・防災・ICT等への問題提起~」と題し、基調講演および問題提起が行われました。その後、堀部氏からの問題提起を受け、各分野(企業法・防災・ICT技術)からの提言として、髙野一彦(本学部教授)が「企業における個人情報の利用と保護」、山崎栄一(本学部准教授)が「防災における個人情報の利用と保護」、河野和宏(本学部助教)が「個人情報の利用における技術的課題」について、それぞれ講演を行いました。
 第2部では、上述の講演者に佐藤慶浩氏(本ヒューレット・パッカード株式会社)、吉田浩一氏(株式会社ローソン)を加え、安部誠治(本学部教授)の司会進行で、パネルディスカッション「企業価値を高める個人情報の利用と保護の枠組み」を行いました。限りある時間の中で、個人情報の利活用の判断基準や不正取得者への法的制裁、情報を扱う第三者機関のあり方等、様々なテーマに対して活発な議論が行われました。
 また、別会場では、学生によるパネル研究発表が行われ、各ゼミナール代表により研究成果が報告されました。多くの参加者に関心を持ってお聞きいただき、学生にとっても社会の第一線で働く方々との意見交換等、普段は経験することができない貴重な体験をすることができました。

※所属肩書は当時のものです。

第4回 東京シンポジウム

第4回 東京シンポジウム

日時:平成25年10月28日
場所:東京・学術総合センター(一ツ橋)

 全体テーマ「企業は“国難“にどう立ち向かうのか?-巨大地震災害と感染症パンデミック- 」の下、“国難セッション”“体験型危機管理演習”“学生によるパネル研究発表”の3つの会場に分かれて実施しました。
 第1会場“国難セッション”の第1部では、藍原寛子氏(フリージャーナリスト)をパネルチェア、高嶋哲夫氏(作家)、河田惠昭(本学部教授)をパネリストとして、「巨大地震災害の企業が想定すべきワーストシナリオ」というテーマで、万一に備えた企業の対応のあり方などについて議論が行われました。また、第二部は「感染症パンデミックの企業が想定すべきワーストシナリオ」をテーマに、引き続き藍原寛子氏をパネルチェア、岡部信彦氏(川崎市健康安全研究所所長)、前田秀雄氏(東京都福祉保健局技監)、高鳥毛敏雄(本学部教授)の3名をパネリストとして、感染症の考え方やその備えなどについて、活発な議論が行われました。
 また、この回から新しい試みとして、第2会場“体験型危機管理演習”では、「図上演習」や「リスクコミュニケーション演習」といった参加型演習も実施し、参加者多数で大変好評でした。第一部「図上演習」では、永松伸吾(本学部准教授)による参加型演習を実施し、“危機管理”をテーマにグループワークおよび発表会を行いました。第二部「リスクコミュニケーション演習」では、広瀬幸雄(本学部教授)による参加型演習を実施し、“震災瓦礫処理の受け容れの是非”をテーマに「行政役」と「住民役」に分かれ、交渉を実演するゲームを行いました。
 さらに第3会場“学生によるパネル研究発表”では、前回に引き続き、各ゼミナール代表および有志団体の代表者が日頃の研究成果の報告を行いました。多くの来場者の方々に関心を寄せていただき、学生たちにとっても大変有意義な意見交換をすることができました。

※所属肩書は当時のものです。

第3回 東京シンポジウム

第3回 東京シンポジウム

日時:平成24年10月16日
場所:東京・学術総合センター(一ツ橋)

全体テーマ「これからの企業・行政の危機管理と社会安全学」の下、自然災害・社会災害について文理融合の学際研究に取り組む「社会安全学」の視点から、「実践的危機管理」を探求しました。
 本シンポジウムは三部構成で行われ、第一部では、問題提起として河田惠昭(本教授・社会安全研究センター長)が「社会問題としての首都直下地震」をテーマに講演。
 第二部は分科会となり、第1部の河田教授による講演を受けて、「巨大自然災害と社会安全学の挑戦(第1会場)」、「企業・行政の不祥事と社会安全学(第2会場)」というテーマで議論を行いました。第1会場では、小澤守(本学部長・教授)、畑村洋太郎氏(東京大学名誉教授・畑村創造工学研究所)、山﨑登氏(NHK解説主幹)の3名。第2会場では、安部誠治(本学部教授)、郷原信郎氏(弁護士、関西大学社会安全学部特別任用教授)、柳田邦男氏(ノンフィクション作家、関西大学客員教授)の3名という豪華なメンバーで、報告と質疑応答が行われました。
 また第三部では、「社会安全学と安全安心の社会の創造―巨大自然災害・組織事故にどう立ち向かうか―」というテーマの下、山崎淑行氏(NHK記者)をパネルチェア、畑村洋太郎氏・柳田邦男氏・山﨑登氏、河田惠昭・小澤守・安部誠治の6名のパネリストによるパネルディスカッションを行いました。さらに学生によるポスターセッションも実施し、「社会安全学部の研究成果だけでなく、教育成果も良く分かった」との参加者の皆さまからのご意見もあり好評を博しました。

※所属肩書は当時のものです。

第2回 東京シンポジウム

第2回 東京シンポジウム

日時:平成23年10月28日
場所:日本消防会館ニッショーホール(東京都港区)

 平成23年3月11日に発生し、未曾有の被害をもたらした東日本大震災を受け、全体テーマ「 首都圏地震のワーストシナリオを、どう描くか ~私たちが東日本大震災から学ぶべきこと~ 」の下、学部内外の専門家が東日本大震災を検証するとともに、首都圏地震が発生した場合の最悪のシナリオについて多角的に議論を行いました。
 講演は、まず第一部で講演者の河田惠昭(本学部長・教授)と小澤守(本学部副学部長・教授)が、東日本大震災の検証を行い、第二部では中林一樹氏(明治大学教授)と永松伸吾(本学部准教授)、永田尚三(本学部准教授)の3名が、予想される首都圏地震の「ワーストシナリオ」について報告を行いました。
 さらにその後、第一部、第二部の講演者全員がパネリストとなり、全体テーマについてのパネルディスカッションおよび質疑応答を実施しました。
 参加者の皆さまからは、「勉強になった。また来年も聴講したい」等の意見をいただき、非常に好評を博したシンポジウムとなりました。

※所属肩書は当時のものです。

第1回 東京シンポジウム

第1回 東京シンポジウム

日時:平成22年12月16日
場所:関西大学東京センター

 全体テーマ「企業が直面する首都圏でのクライシス-災害対応・危機管理・コンプライアンス-」の下、まず小澤守副学部長(当時)から学部・研究科紹介があり、つづいて河田恵昭(本学部長・教授)、髙野一彦(本学部准教授)、郷原信郎氏(名城大学教授)の3名による“企業防災および企業のコンプライアンス”に関する講演を実施しました。
 その後、布村明彦氏(関西大学客員教授)をパネルチェア、郷原信郎氏、河田恵昭、安部誠治(本学部教授)、高野一彦の4名をパネリストとして、全体テーマでのパネルディスカッションが行われ、組織を襲い得る様々な危機に対する対策について活発な議論がなされました。
 さらに本シンポジウムには、楠見晴重(関西大学学長)も大阪より駆け付け、途中挨拶を行い、本学部に対する大きな期待を参加者の皆さまに表明しました。参加者の皆さまからも、本学部のコンセプトや専門性が良く分かったとのご意見をいただき、同年4月に新設された社会安全学部・大学院社会安全研究科にとって貴重なお披露目の場となりました。

※所属肩書は当時のものです。