20251129日(金)に、丸山ちさと氏(独立行政法人日本スポーツ振興センター 国際情報戦略部)を講師としてお迎えし、多文化共修にかかる講演会「協働でひらく未来―途上国×日本の経験から」を開催しました。

 

本講演会は、法学部の専門演習(吉沢ゼミ)の授業内で開催されました。同ゼミの学生や専門科目「国際政治経済論2」の受講生、国際部の職員、大阪公立大学および本学の教員など約50名が対面あるいはオンラインで参加しました。

 

丸山氏は法政大学第二高等学校で国語科教員として勤務なさったあと、英国ブリストル大学大学院で修士(教育学)を取得されました。その後、青年海外協力隊としてガーナのろう学校でICT教育に従事なさり、終了後には現地でNGOを設立して活動されました。2017年よりJICAマラウイ事務所および本部人間開発部で勤務され、アフリカやアジアを対象に教育プロジェクトや研修受入をご担当なさりました。2021年からは福井大学教職大学院で国際研修事業に、2024年からは日本スポーツ振興センターでオリンピック・パラリンピックをはじめとするスポーツ関連事業に携わってこられました。

 

このように国際開発協力・異文化交流に長年携わってこられた丸山氏をお招きし、国際協働の実践方法について、ご経験にもとづいてお話しいただきました。

 

講師はまずご自身のご経験を話された後、「多文化共生」よりも踏み込んだ「多文化協働」に取り組むことの重要性を強調されました。また、多文化協働を行う際はコミュニケーションの壁、価値観の違い、差別と偏見、制度の違いなどに自覚的であるべきことも強調されました。

 

グループワークでは、アフリカ教育プロジェクトの実施を想定し、活発な意見交換が行われました。さらに、ミャンマーのように軍事クーデターが起きた際、日本の支援にどのような影響が出るかについても議論が行われました。これらの事例研究を通し、絶対の正解はないこと、そのなかで現地の人々との対話を大切にしつつ常に臨機応変に対応する必要があること、そして置かれた状況のなかで最善策を常に模索し続けるのが重要であることなどを参加者は学びました。多文化協働について、実践的に学ぶ非常に貴重な機会となりました。

 

なお、本講演会は、大阪公立大学と本学が連携して行っている文部科学省「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」(2024年度~2029年度)の一環として開催されました。法学部をはじめ、本学の各箇所では英語で「多文化共修科目」を提供し、留学生と本学の学生がともに学ぶ場を提供しています。

 

「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」について、詳しくはこちら:

https://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/pr/news/2024/11/post_80576.html

 

https://www.sankei.com/article/20250122-HSUVTUVCENMB3JMBM3PXANFYNI/?outputType=theme_nyushi