ブルンジ共和国 公共・労働雇用省事務次官(同省No2のポジション)のエマニュエル ンゴミラキザさんが、2023915日、法学部を訪れ、指導した山名教授をはじめ、大津留副学長、吉沢准教授らと面会しました。

エマニュエルさんは母国では通商裁判所裁判官でしたが、JICAABEイニシアティブ」プログラム(後掲参照)で来日し、本学大学院法学研究科を修了。その後、大阪市内の商社でのインターンシップを経験し、母国ブルンジ共和国に帰国。帰国後、外国からの投資、外国の研究機関との連携等の政策に直接関わる職を希望したところ、エヴァリステ・ヌダイシミエ大統領からの信任を得て裁判官から行政官に転身し、現在の職に着任されました。

 916日には、経済・政治研究所公開セミナーに登壇し、「ブルンジへの外国からの政府開発援助(ODA)と経済発展:持続可能な日本とのパートナーシップを求めて(原題:Foreign Aid and Economic Development in Burundi: The Search for a Sustainable Partnership with Japan)」をテーマに講演しました。

講演の内容はこちら↓

講演内容PDF

JICA「ABEイニシアティブ」プログラムでの来日前は、ブルンジ共和国通商裁判所裁判官としてキャリアを積み上げてきたエマニュエルさん。現在、日本国内にブルンジ共和国の大使館はありませんが、両国の架け橋になりたいと願うエマニュエルさんのさらなる活躍に期待したいです。

JICAABEイニシアティブ」プログラム

https://www.jica.go.jp/africahiroba/business/detail/03/index.html

KANDAI HEADLINE(エマニュエルさんについての過去の記事)

https://www.kansai-u.ac.jp/headlines/entry/post_71719.php

当日のインタビューでは、次のようにお話しいただきました。

1 今回の来日の目的は?

 「ABEイニシアティブ」プログラムを終えてブルンジに帰国して1年3ヵ月。現在、ブルンジで公共・労働雇用省の事務次官として仕事をしています。ブルンジと日本との関係をより強固なものにしたいと願い、母校訪問のために来日しました。

2 出国前と帰国後でブルンジの様子に変化はありましたか?

 私が日本で研修を受けていた2019年から2022年の間にさまざまな変化がありました。2020年の大統領選挙で現在のエヴァリステ・ヌダイシミエ大統領が選出されて、隣国のルワンダとの関係が改善されて、相互に人や物資が行き来できるようになりました。新政権が誕生し、2023年はブルンジが東アフリカ共同体の代表を務めます。

 一方、コロナ禍とウクライナの戦争により、物価が高騰し、国民の生活がなかなか安定しない状況にあります。

3 帰国後に公共・労働雇用省の事務次官に就いたのはなぜですか?

 日本からの帰国後すぐ、出国前に所属していた通商裁判所に、研修内容や将来の夢などを報告書にまとめて提出して、復職を待っていました。ちょうどその時、公共・労働雇用省では改革を進めていて、法律の知識を持った人材を探していたところ、私にその話が来ました。

4 法学研究科で学んだことで今の仕事に役立っていることはありますか?

 日本で法律と政治を学ぶことで視野が広がったことに加え、特に歴史の古い関西で影響力のある関西大学で学位を取ったことは私の自信になりました。先日、ジンバブエでアフリカ43か国の同省事務次官の会合があり、自由貿易について話し合われたのですが、その場でも日本での経験が役に立ちました。

5 これからABEイニシアティブプログラム等のJICAプログラムで来日する方や法学部生へのメッセージをお願いします

 これから来日する方にも、自分自身のためだけではなく、祖国の発展のために、そして日本とアフリカの橋渡し役として、いろいろな経験をしてくださいと申し上げたいです。関西大学は研究環境もすばらしく、また、教員・スタッフの方々のホスピタリティにも溢れる素敵な大学です。

 同様に、法学部で学ぶ皆さんももっと外国に目を向けて、自身の新しい才能に出合ってほしいです。そして、アフリカにももっと関心を持ってくれるとうれしいです。