インタビューvol. 04
工藤 晴也さん
PwC税理士法人
ー大学院に進学した理由を教えてください。
税理士試験の税法科目免除を受けたいと考えたことがきっかけで、大学院への進学を志すようになりました。大学院では、租税法の幅広い分野に触れられるだけでなく、制度の成り立ちや理論的な背景を深く理解する機会があります。こうした高度な専門知識や応用力を身につけることで、将来の実務において質の高い判断ができると考えました。単なる資格取得のためだけでなく、専門家としての基盤を築く場として大学院を選びました。
ー関西大学大学院商学研究科を選んだ理由を教えてください。
大学院への進学を志していた当時、私が所属していた学部である関西大学商学部の大学院にTASプログラムが新たに創設されたことを知りました。TASプログラムは、法学・経済学・会計学の様々な視点から税務について学修することができ、税理士の方の講義や税理士法人でのインターンシップといったとても魅力的なカリキュラムがあることから、私にとってとても心強いサポートになると感じました。
ー大学院での研究テーマとその概要を教えてください。
研究テーマは、外国子会社合算税制の適用除外要件を巡るオーバー・インクルージョン問題です。外国子会社合算税制には、その趣旨・目的と適用除外要件の規定内容との齟齬により、経済合理性を有する事業を営む企業に対しても、合算課税が適用されるというオーバー・インクルージョン問題が内在していると考えています。その問題解決に向けて、他の制度との関係性を考慮しつつ、外国子会社合算税制の存在意義に即した今日的なあり方を検討しました。
ー大学院で研究を進める上で楽しかったことは何ですか。
税理士として活躍するため、大学院で勉強をしていく中での自分自身の課題は、授業内での発表や課題において求められるクオリティにいかに応えて自分の成長に繋げるかという点でした。入学当初は、租税法という膨大かつ煩雑な体系に圧倒されることもありました。ただ、時間をかけてでも多くの論文や書籍を読んで分析するという習慣を身につけ、日々の研究に取り組むことで様々な見解からの気づきや学びを得ることがでました。次第に自分の中でも根拠を持った考察をすることができるようになり、先生をはじめ、周りの仲間たちとの議論に繋げられたときは、充実感があり、楽しかったことを覚えています。
ー関西大学大学院商学研究科に進学してよかったこと、身につけたことは何ですか。
関西大学大学院では、授業を通じて法人税法や所得税法、国際課税の分野など幅広く租税法について勉強をすることができました。また、同じく税理士資格の取得を志す多くの仲間と出会い、議論を通じてそれぞれの考え方を共有することで相乗効果が生まれ、楽しく租税法について学ぶことができました。具体的には、規定を読み解く力、判例に触れながら規定の落とし穴に気づく力、規定が導入された背景や改正された理由等を理解し、根拠をもって自身の考えを述べる力といった実践的な力が身につきました。
ー大学院での研究が、現在の仕事にどのように活かされていますか。
現在は企業の申告業務や税務コンサルティング業務といった様々な業務に従事していますが、複雑な税制を正確に読み解き、根拠をもって提案する力は日々の業務で不可欠なものです。大学院での経験は単なる知識の習得にとどまらず、実務に直結する思考力と自信を与えてくれ、現在の仕事に活かされていると感じます。また、難題に直面した際も、研究で培った粘り強く分析する姿勢が問題解決に大きく役立っています。
ー大学院進学のために、どのような受験対策や事前準備をされましたか。
特に、出身学部と大学院での専門分野が異なっている場合、どのような点に注意して受験準備しましたか。
私は、試験科目の一つである会計学については、大学時代に商学部で学んだ知識や、税理士試験で培った会計科目の知識を活かして対応しました。既に基礎が身についていた分野は、過去の学習内容を整理し直し、試験で問われやすい論点を重点的に復習することで効率的に準備できたと思います。一方で、税制論については、税に関する知識が乏しかったため、まずは参考図書を複数用意し、基本的な制度や考え方を理解することから始めました。特に、分からない論点や専門用語を一つずつ丁寧に調べ、ノートにまとめながら知識を積み上げるように心がけました。時間はかかりましたが、基礎を固めることで応用問題にも対応できるようになったと感じています。異なる分野に挑戦する際は、分からないことをそのままにしないことが重要だと思います。自分の強みを活かしつつ、弱点を補うために計画的に学習を進めることが、合格への近道だと実感しました。
ーTASプログラムに進学を考えている方へのメッセージをお願いします。
TASプログラムでは、同じ目標を持つ仲間や専門性の高い教授陣との議論を通じて、多角的な視点を身につけることができます。大学院での研究は想像以上に大変で、学びの過程は
決して楽ではありませんが、その分、努力しただけ確かな成果が得られ、充実した時間を過ごせます。努力した先には、専門家としての大きな成長と自信が待っています。ご自身の可能性を広げる選択肢としておすすめします。