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研究科紹介

研究科長からのメッセージ

入学式式辞(2017/4/3)

関西大学大学院
法務研究科長
木下 智史

 新しく関西大学法科大学院に入学された皆さん、ご入学おめでとうございます。法科大学院の教職員を代表して心からお祝いを申し上げます。今年は、関西大学法科大学院の14期生として、未修者8名、既修者18名の合計26名の新入生を迎えることができました。皆さんが関西大学法科大学院を勉学の場として選ばれたことを心より嬉しく思います。
 さて、法科大学院をめぐる状況は依然として厳しいものがあります。司法試験も合格者数を1,500名程度にまで減らすことが予定されています。こうした厳しい状況の中で、皆さんは、関西大学法科大学院で法曹になるための勉強をすることを決意されました。関西大学法科大学院は、法曹になるという夢を実現するために一所懸命努力して、勉学に励む皆さんに対して、最大限の支援を行うことをお約束することで、皆さんの不安を少しでも解消できることを望んでおります。
 言うまでもないことですが、法曹になるという夢を実現できるか否かは、皆さんがいかに一所懸命努力して勉学に励まれるかにかかっています。司法試験に合格するための魔法の勉強方法は存在しません。毎日コツコツと地道に勉強をして、法律に関する知識を少しずつ確実に自分のものにするほかありません。本日、芝井学長が式辞で述べられた福沢諭吉の例ではありませんが、寝食を惜しんで勉強する態度が肝要です。知識が自分のものになっているかを確認する最良の方法は、問題を解くことです。そのために、関西大学法科大学院は、特別演習でアカデミック・アドバイザー(AA)の先生に答案を添削してもらう体制を整えています。ところが、残念なことに答案を書いてくる学生が少ない。答案、テストが成績評価のために使われてきたことが原因なのでしょうか?しかし、これでは司法試験に合格できません。答案を書くのは、知識が自分のものとして定着しているかを確認するためです。本を読んでわかった気になっても、それが自分の知識として定着していなければ無意味でしょう。得た(はずの)知識を答案に自分の言葉で再現できなければ、何の役にも立ちませんし、司法試験にも合格できません。また、答案は一度書いて終わりとはなりません。添削された答案を読み直し、できなかったところ不十分なところを確認し、あらためて答案を書き直してできるようになる、知識を定着させる必要があります。このあたりのことは、法科大学院ジャーナルに合格者が合格体験記を書いていますので、それを参考にして下さい。
 皆さんが、法科大学院を修了したときに、司法試験に合格できるだけの勉強をしてきたのだと自信を持って言えるよう、今から、しっかり計画をたてて、勉強をすすめることを期待しております。1日では僅かの差でも、2年ないし3年続けば相当の差になりますから、1日1日をおろそかにすることなく勉学に励むようにして下さい。
 勉強をすすめる過程で疑問が生じることもあるでしょう。勉強が計画通りに進まなかったり、努力の割に成果が現れないなど、学習上の悩みが生じることもあるでしょう。関西大学法科大学院は、皆さんを合格に導くための相談体制を整えております。まず、特別演習のAAの先生に、学生一人一人の「メンター」=相談係になってもらい、勉強だけでなく、生活スタイルも含めたアドバイスをしていただく体制をとりました。また、以文館3階にはTAの部屋があり、本法科大学院を優秀な成績で修了した修了生が学習相談に乗る体制をとっています。進路の相談に関しては、以文館1階のステーション横の部屋に専門の相談員を配置して相談を受け付けています。先生方もオフィスアワーの時間を拡大したりメールアドレスを公開して、いつでもみなさんの相談にのることができるようにしています。各クラスには、クラス担任の先生がいますので、進路その他の相談にも気軽にのってくださると思います。
 さて、6日から授業が始まります。2年ないし3年後の司法試験の合格を目標にして学習計画を立てる必要性を述べましたが、授業の予復習をきちんと学習計画に組み入れて、勉学に励むようにして下さい。学業成績と司法試験の合格率、合格までに要する年数との間には、明かな相関関係があります。これは、日々の授業の予復習を、司法試験の合格に向けた学習計画の中にうまく取り入れて勉強をすすめることが、司法試験合格への近道であることを示していると解釈することができます。授業の予復習は大変ですが、それだけで一日の勉強を終わらせてはいけません。司法試験の合格に向けた学習計画の中に授業の予復習をうまく取り入れて勉強をすすめて下さい。前期の成績が良くなかった場合、学習方法を見直して下さい。決して、司法試験に向けた受験勉強に注力していたから、学業成績は多少悪くても良いのだと考えないで下さい。データは、それが単なる口実に過ぎないことを明確に示しています。司法試験合格に向けた勉強が順調であれば、学業成績も良好なはずです。学業成績がふるわないということは、司法試験合格に向けた勉強のどこかがおかしいということです。担任の教員や特別演習のメンターの先生、あるいはティーチング・アシスタントに、相談するようにして下さい。
 皆さんが、法科大学院での2年間、3年間を、自分を厳しく律して勉学に励まれて、法科大学院の修了後には司法試験の合格をともに祝えることを祈念して、私の式辞とさせていただきます。
 皆さん、合格おめでとうございます。

2016年度学位記授与式祝辞(2017/3/28)

 関西大学法科大学院を修了されたみなさん、ご卒業おめでとうございます。本日、法務博士の学位を授与されるのは、20名の方々です。
 アメリカの大学では、卒業式のことをCommencementと言います。始まり、開始という意味です。学部であれば、卒業生の多くは、就職も決まり、これから社会の一員として巣立っていくわけですから、これで良いのですが、法科大学院の場合は、5月の司法試験に合格し、修習を経ていわゆる二回試験に合格して初めて、法曹としてスタートすることができます。法科大学院の修了はCommencementですらなく、せいぜい、司法試験の受験資格を得て法曹になるためのスタートラインにつくことができたという意味しかないのです。
 これから司法試験を受験する皆さんへの餞として、昨年と代わり映えしないのですが、皆さんに心に留めておいてほしいことを三つお話ししたいと思います。
 第一は、自分に自信を持つことです。皆さんの中には、5月に迫った司法試験のことを考えると、あれこれできていないことに目がいって、不安になる人もいるかも知れません。しかし、1ヶ月半は新しいことをマスターするには短すぎます。皆さんは、法科大学院の2年間ないし3年間、人によってはそれ以上の年月をかけて、法律学を学んできました。1ヶ月半、焦って新しいことを詰め込んだとして、どれだけのことをプラスできるでしょうか。司法試験は4日に渡るハードな試験です。実力を100パーセント発揮できる受験生は多くないでしょう。できていないことに不安になるのではなく、皆さんができること、法科大学院で学んだことを5月の試験で十二分に発揮できるよう、自信を持って試験に臨めるように準備して下さい。
 第二は、自分を厳しく律することです。司法試験は4~5人に1人を合格させるための試験です。競争は厳しいですが、司法試験に合格するために特別な才能は必要ありません。ですから、話は簡単です。試験会場で、あなたを含む任意の5人の受験生を選んだとき、あなたはその5人の中でトップであると言える勉強をしてきたかを自問して下さい。そして、自信をもって5人中のトップだと言い切れる勉強をして下さい。そうすれば受かります。受験勉強は長くて苦しいです。その苦しさから逃れるため、私たちの脳はいろんな口実を考え出します。でも、5人のうち1人だけが合格するという厳しい現実は変わりません。自分を厳しく律して、5人中のトップだと自信をもって言えるよう一所懸命勉強をして下さい。 第三は、失敗を否定的に考えないことです。餞の言葉として失敗を持ち出すのは不適切だと思われるかもしれませんが、(合格者数が予め決まっている)司法試験は5人中4人を不合格にする試験なのです。5月の試験に失敗したときのことを考えておくべきです(首尾良く司法試験に合格した人は、10月の合格祝賀会でお会いしましょう)。
 ハリー・ポッターの著者J.K.ローリングが、ハーバード大学の卒業式の式辞で失敗の恩典(The Fringe Benefits of Failure)と題して述べているように、失敗は、そこから何かを学ぶチャンスです。試験に不合格となったとき、自分に何が欠けていたのか、合格するために何をなすべきなのかを真剣に考えて下さい。その上で、5人中のトップになれるよう自分を厳しく律して勉強を続けられるか、自問して下さい。Yesなら、もう1年だけそれを実行して下さい。その自信がないなら、別の進路を考えるべきです。法曹だけが人生ではないはずです。皆さんの能力を生かして、人生を豊かで実りのあるものにする進路は、法曹の他にもたくさんあります。昨年、ある修了生が就職の挨拶に研究室を訪ねてきてくれました。成績は優秀で、合格可能性は高かっただけに相当悩んだと思いますが、自分の将来について真剣に考えた末の立派な決断だと思います。司法試験に失敗したとき、将来を考えた合理的な決断をして下さい。人間の意思決定は、私たちが考えているほどには合理的ではありません。不合理な意思決定の最たるものが、試験に失敗した時に、これまでこれだけ頑張ったのだから、ここで諦めずにもう少し頑張ろうといって受験を続けることです。これまで頑張ったことは次の試験の合格には結びつきません。過去ではなく、将来を見据えた意思決定を行って下さい。
 卒業後も、受験や進路のことで、心配になったり不安を抱いたりするかと思います。そんなときには、法科大学院の先生を訪ねて下さい。特別演習でお世話になったアカデミック・アドバイザーの先生も、みなさんをサポートしたいと願っています。就職に関しては、就職支援委員会がキャリアセンターと協力して、みなさんのお手伝いをします。もちろん司法試験に合格した後については、あしのは法律事務所と関大法曹会が全面的にサポートしてくださいますから、安心してください。
 最後に、キング牧師(英語の教科書の「私には夢がある」でご存じだと思います)の次の言葉で私の式辞を締めたいと思います。
 「人の真価がわかるのは喜びに包まれている瞬間ではなく、試練や論争に立ち向かうときに示す態度である」
 みなさんのこれからのご活躍をお祈りしております。

平成28年司法試験合格発表によせて(2016/9/14)

 司法試験に合格された皆さん、本当におめでとうございます。
 無事、難関を突破して合格を勝ち取られた皆さんのたゆまぬ努力に、心から敬意を表します。困難な受験生活を支えてこられたご家族の方々にも、心からのお祝いと感謝の意を表したいと思います。また、弁護士業務で忙しいなか特別演習を担当して、合格までの道のりを示し、つらく厳しい受験勉強を支えて合格を勝ち取る実力がつくまで指導して下さったアカデミック・アドバイザーの先生方の存在を忘れるわけにはいきません。この場を借りてお礼を申し上げます。
 関西大学法科大学院修了者の合格者数は15名でした。全体の合格者が1,583名(法科大学院修了者に限ると1,348名)と昨年より267名(同316名)減少する中、関西大学法科大学院修了者の合格者数も昨年より7名減となりました。内訳は、既修者コース出身者が9名、未修者コース出身者が6名でした。卒業年度でみると、2015年度修了者が4名、2014年度修了者が2名、2013年度修了者が3名、2012年度修了者が3名、2011年度修了者が3名でした。
 関西大学法科大学院の合格者数、合格率は依然として低いレベルにとどまっており、残念でなりません。また、2回、3回とチャレンジした結果、合格を勝ち取った方々が合格者の多数を占めるという状況も、依然として変わっていません。関西大学法科大学院としては、今回の試験結果を分析して、教育内容および修了生支援の在り方について検証を行い、来年はより多くの合格者と喜びを分かち合うことができるようにと決意を新たにしております。今年度から進級要件の厳格化を実施し、学生が司法試験の合格を意識した勉強を進めることで、合格者数、合格率が改善されることが期待されます。
 あと一歩及ばなかった修了生のみなさん。来年は合格の喜びを手にすることができるよう全力でお手伝いさせていただくことをお約束します。是非とも、教員、アカデミック・アドバイザー、または事務にご連絡下さい。
 合格者のみなさんには、それぞれの合格体験を踏まえて、後輩の指導にご助力くださりますようお願いします。

経歴

京都大学大学院法学研究科博士課程所定単位修得後退学。
1986年関西大学法学部専任講師、1989年助教授、1996年教授。2004年関西大学法科大学院教授。

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