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山形悟史 教諭の論文が 国際学術誌「Studies in Second Language Acquisition」に掲載決定

山形悟史 教諭の論文が国際学術誌「Studies in Second Language Acquisition」(英国ケンブリッジ大学出版局)に掲載されることが決定いたしました。

【タイトル】「Effects of distributed practice on the acquisition of verb-noun collocations」
【タイトル日本語訳】(動詞-名詞コロケーションの習得に分散学習が及ぼす効果について)

山形教諭が取り組んだ研究は、動詞-名詞コロケーション(例:draw a conclusion,run a fever,take notice)をより効果的に学ぶ学習順序の調査です。高校生90名の協力を得て、合計27のコロケーションを学ぶ授業を実施しました。90名は以下の3条件にランダムに割り振られ、各条件下での学習効果の差を検証しました。

条件1: 同じ動詞で構成されるコロケーションを1日に3つまとめて学ぶ (例:draw a conclusion,draw a tear,draw a line)。
条件2: 異なる動詞で構成されるコロケーションを1日に3つまとめて学ぶ (例:draw a conclusion,meet a demand,put emphasis)。
条件3: 異なる動詞で構成されるコロケーションを1日に9つまとめて学ぶ。

全ての条件間でコロケーションを学習する総時間や頻度を等しくコントロールし、学習したコロケーションの定着率が比較されました。また、授業内で学習してはいないものの、学習したコロケーションに関連するコロケーション(例:draw attention, meet a standard,put an end)をどれだけ正確に予測できるかについても検証がなされました。

学習したコロケーションの定着率・関連するコロケーションの予測率を分析した結果、条件3が他の2条件よりもコロケーションの学習に効果的であることが示唆されました。この結果について論文内では、認知心理学や言語学的な側面から議論されています。山形教諭は今回の論文について、「今回の研究は立教大学の中田達也先生と名城大学のJames Rogers先生との4年間にわたる共同プロジェクトです。授業では、単語帳の最初のページから順番に教えたりテストをすることが多かったのですが、これが本当にuser-friendlyなのかずっと気になっていました。今回の授業実践プロジェクトでは、同じ単語(コロケーション)を学習する場合でも、それらを学習する順番に工夫を加えることによって学習の成否が左右されることを明らかにできたのは大きな収穫でした。共同研究者の中田先生、Rogers先生は単語・熟語学習のスペシャリストで、過去にアプリの開発もなさっています。今後もこのチームで、新しい単語帳やアプリケーション開発などに、今回得られた知見を応用していきたいです。」
と述べています。

「Studies in Second Language Acquisition」は第二言語や継承語の習得や使用に関する研究を専門に掲載する権威ある国際学術誌で、年5回発行されています。山形教諭の論文が国際学術誌に掲載されるのは2018年に続き2度目で、日本の高等学校の教員の論文が掲載されるのは画期的なことです。
発行までの間、掲載が決定した論文は発行元のウェブサイトで"FirstView articles"として掲載されています。なお、今回の論文は英国バーミンガム大学の助成によって、下記リンクから無料で読むことができます。

https://www.cambridge.org/core/journals/studies-in-second-language-acquisition/article/effects-of-distributed-practice-on-the-acquisition-of-verbnoun-collocations/AFDA91E8ECFDB03151056108E0341FA3

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