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中3総合的な学習の時間で裁判員制度を体験しました

 本校3年生の「総合的な学習の時間」は、「卒業探究」として、先生方が開講された講座を選択した生徒が、それぞれの探究活動に取り組んでいます。その中の一つの講座で、「模擬裁判」を実施しました。

 平成21年5月からスタートした裁判員制度。現在は、二十歳以上の国民が対象ですが、今後、成年規定の引き下げが実施されれば、高校生も裁判員として法廷に臨むことになるかもしれません。こんな問題意識から、中学生のうちに体験しておこうということになりました。

 10月31日は、授業参観日。参観を希望された保護者の皆さまと一緒に、関西大学第一学舎にある「法廷教室」へ向かいました。この教室は、実際の地方裁判所の法廷を模したもので、臨場感は満点。教室に入ると、ピリッとした空気が漂います。

 判事役の生徒たちは、法服を身につけて登壇。関西大学名誉教授の栗原宏武先生(本校卒業生)と、今年度司法試験に合格された、関西大学法務研究科の皆さんの指導のもと、台本にしたがって刑事訴訟の審理が進んでいきます。参観された保護者の皆さまも、真剣に「法廷」でのやりとりを追っておられます。台本は配役(判事・検事・弁護人・証人)についた生徒だけが持っているため、裁判員や傍聴人役の生徒・保護者は、次の展開がわかりません。それだけに、真剣に耳を傾けているわけです。強盗致傷を扱った今日の「模擬裁判」は、検察側の求刑で結審。結論は、次週の「模擬評議・評決」へと持ち越されます。

 11月7日、39名の生徒を4つの評議体に分け、「模擬評議・評決」をおこないました。実際の裁判員制度では、3名の裁判官と6名の裁判員とが、事実判断(有罪か無罪か)と有罪の場合の法律判断(量刑)をしなければなりません。机には六法が置かれ、栗原先生や院生の皆さんの指導にも熱が入ります。証拠や証言は信頼できるのか。被告人に動機はあるのか。いろいろなテーマで議論が展開されていきます。

 そしていよいよ判決。4名の裁判長役の生徒が、一人ずつ登壇し、判決を述べていきます。

 結果は、すべての評議体で「有罪」。量刑にこそ差がみられたものの、無罪判決はありませんでした。

 「犯行の計画性の有無」「推定無罪」「執行猶予」「情状酌量による酌量減軽」など、中学生が日ごろ使わない用語も次々飛び出し、活発な議論の結果です。栗原先生からも、「中学生のうちから、裁判員制度を体験しておくことは、有意義だと思う。」との講評をいただきました。

 生徒たちからは、「実際の法廷が見てみたくなった。」「量刑を決めるときに、バラバラだった意見を集約していく過程が楽しかった。」などという感想が聞かれました。

 民法が改正され、18歳を成年とする時代になれば、彼らが選挙権をはじめ、さまざまな権利をもつのは3年後です。これからも、身の回りの出来事に興味をもち、好奇心を発揮してくれることを願っています。


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