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　本校の人権教育は、「生徒一人一人が独自の存在であると認められ、人間らしく生き生きと光り輝く生き方をしていくように教育していくこと」を目標に、各学年のテーマに沿って人権ホームルームを中心に取り組んでいます。第２学年では「公平な社会に目を向ける」をテーマに、いじめを含めたさまざまな社会的差別や、戦争・紛争について学んでいます。
　台風が去った７月12日（土）、大阪に残る戦跡から戦争の悲惨さや戦争の非人間性を実感することで平和の重要性を考えることを目的として、ピースおおさか見学と大阪城戦跡巡りに出かけました。この校外学習は、第３学年時に沖縄県で行われる研修旅行に向けた平和学習の事前学習として例年行っています。
　最初に全員でピースおおさかに入館し、昭和20年の終戦間際に大阪城周辺に大きな被害が出た「大阪大空襲」についての映画を鑑賞しました。その後、３クラスずつに分かれてピースおおさか見学と大阪城戦跡巡りを行いました。ピースおおさかの特別展示室では特別企画展「ピースおおさか収蔵品展Ⅷ～モノ語り"寄贈者ノ声ヲ聞ケ"～」から、戦時の生活の様子や特攻隊、沖縄戦について学びました。展示室Ｂでは「１５年戦争」を中心に展示を見学し、展示室Ａでは「大阪大空襲」で使用された１トン爆弾の複製模型や空襲の規模の大きさ、被害に遭われた方々の証言を見ながら、大阪城周辺が空襲された理由を展示資料から考えました。また展示室Ｃでは「運命の日時計」から核兵器の恐ろしさと世界の平和について学びました。
　大阪城戦跡巡りでは、大阪観光ボランティアガイド協会の土曜日班のみなさまに城内案内をお願いしました。太平洋戦争時に大坂城前に旧陸軍第四師団司令部が、また京橋付近に大阪陸軍造兵廠（大阪砲兵工廠）が設置されたことや、昭和20年には本土空襲に備えて司令部から大阪城のお濠の下を通って大阪城外へ脱出できる地下壕が掘られたことなどをガイドさんから教えていただきました。大阪大空襲時に大阪城に爆弾が落とされたためにずれてしまった石垣や、石垣にあけられた機銃掃射の跡などを案内していただくと、生徒達から驚きの声が上がりました。また、戦争の生々しい傷跡を見るにつれ、言葉が少なくなっていく生徒もいました。
　今回の学びは、生徒達の心に改めて平和のありがたさと大切さを強く感じる機会となりました。平和な世の中を守っていくにはどうすれば良いのか、自分にできることは何か、共に考えながら、引き続き平和・人権学習に取り組んでいきます。

　 以下に、生徒達の感想を紹介します。

「ピース大阪で映画を見る前にお話していただいた『戦争では人をたくさん殺した人が英雄、兵器を開発した人が英雄、人間性を捨てた人が英雄、戦争をする人はくるっている。』という言葉が胸に残っています。二度と戦争が起こらない世の中にしていきたいです。」

「僕が住んでいた広島・沖縄は、共に大きな被害が出たところです。大阪大空襲も無差別爆撃によって関係のない人々が亡くなった残酷なものだったと知りました。僕は、非核化・戦争反対を訴えていけたらいいなと思いました。」

「今の日本に戦争はないけれど、二度と同じ間違いを繰り返してはいけないと思います。それと同時に今でも戦争をしている国の戦争を止め、世界から戦争をなくすために、私たちの世代が過去を忘れずに考えていくことが大切だと思いました。」

「今、平和に私たちが暮らしていけるのは、そんな悲惨な昔があったからなのだと改めて思いました。もし、日本が戦争に勝っていたら、今もまだ他国と戦争したり、軍国主義を唱えていたりして、海外の敵になっていたかもしれないと思うと、戦争を機に日本が変わったことに感謝しなければならないなと思いました。」

「戦争は人間がしてしまった過ちの中で、もう２度としてはいけないものだと思いました。今でも戦争を体験した人達は辛いだろうと思います。日本に攻撃した国も、他国を攻撃して植民地にした日本も、どちらも悪いと思いました。」

「家族が離ればなれになり、沢山の人の命が奪われる戦争。本当の幸せは、勝って国の地位を上げたり、植民地を持つことではなくて、家族や友達、大切な人と一緒にいられることではないかと思いました。」

「今から69年前に自分が住んでいるところの近くで大空襲があり、大変なことになっていたと聞き、驚きました。空襲を受けた人のほとんどは、生きたいと思っていただろうに、生きたくても死んでしまうのは、とても悔しくて悲しかったと思います。ご飯が食べられて、家があって、周りに人がいる自分は幸せだと思います。だから、すぐにあきらめたり、文句を言ったりせず、一生懸命生きようと思いました。」