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中学一年人権学習を行いました

 本校の人権教育は、「生徒一人一人が独自の存在であると認められ、人間らしく生き生きと光り輝く生き方をしていくように教育していく」ことを目標に、各学年のテーマに沿って人権ホームルームを中心に取り組んでいます。第1学年では「思いやりの心を育てる」をテーマに、関西大学社会学部ソシオAVホールをお借りして、昨年に引き続き現在関西大学に在籍する学生を中心に活動している国際ボランティア団体「マスターピース」のみなさんにボランティア活動に関する講演をお願いしました。マスターピースは、アメリカに本部を置く国際NGO団体「Habitat for Humanity」の日本学生支部で、貧困に苦しむ世界の国々へ出向いて家を建てるなどの支援を中心としたボランティア活動を行っておられます。
 まず最初に、「世界がもし100人の村だったら」を「世界がもし関大一中第1学年258人の村だったら」に置き換えたワークショップを行っていただきました。生徒たちは、一人一人に事前に配布された紙に従って、出題される質問に該当することが書いてあった場合に起立していきます。質問は、性別、人種、民族、言語、宗教から経済格差、衛生・栄養問題、大学への進学率や識字率、紛争や災害などで生命の危険にさらされているかどうかなど、多岐にわたりました。質問内容によって、258人のうち半数近くが起立することもあれば、わずか3~4人しか起立しないこともあり、生徒たちからは驚きの声が上がりました。このワークショップでは、ボランティア活動とは自分とは異なる環境で生きざるを得ない人たちがいるということを正しく知り、困っている人や助けを必要とする人に思いを寄せることから始まるということを教えていただきました。
 次に、「ボランティアとはどんなイメージ?」という問いかけがありました。生徒たちは、ワークシートに自分の考えをまとめて発表しました。その後、実際にマスターピースが今夏インドで家を建築した様子をビデオ鑑賞しました。雨期で足下がぬかるむ中、実際に出来上がった家に住むことになるホームオーナー家族と共に資材を運搬し、ブロックを積み上げて家を建築していく様子が映し出されました。マスターピースは、生活の基盤となる家を建てることで、ホームオーナー家族が今後金銭的な援助がなくても、自分たちの力で生活を営んでいけるようにしてもらうことを活動目標にしているということでした。
 最後に、なぜボランティア活動に参加するのかをお話いただきました。マスターピースのみなさんは、普段の勉強会やディスカッション、ミーティングに加えて、年2回の長期休暇中の約2週間を使って主に海外でボランティア活動をなさっていますが、2011年3月に起こった東日本大震災では、がれき撤去や建築支援などにも参加されました。  質疑応答では、生徒達から「家を建築するための材料費はどうするのか?(ホームオーナー家族がHabitat for Humanityからお金を前借りし、生活が安定してきたら分割払いで返金する)」「渡航費や滞在費は?(アルバイトなどをして貯めた自費ですべてまかなわれている)」「言葉は?(Habitat for Humanityの現地ボランティアさんは英語が話せる人が多いので、英語を介して現地の言葉に通訳する)」といった質問が出ました。このようなボランティア活動を通して、「手を差し伸べたはずの人たちから逆に自分を強く大きく成長させる言葉や機会をいただいていることに気づいた」という体験をふまえて、困っている人がいたら手を差し伸べるのは人として当たり前のことであり、無関心にならずに今自分にできることを勇気を出してやってみてほしいとのメッセージを生徒にいただきました。
以下に、生徒の感想を紹介します。

●「ただ自分の自己満足ではボランティア活動はつとまらないことがわかりました。"誰かのためだから頑張れる"と聞いて感動しました。今の私も誰かのためにできることはたくさんあると思うので、自分にできる精一杯をやろうと思いました。」

●「私たちはいつも自由で平和に暮らしているけど、他の国の子どもたちは危険にさらされ、自由がない暮らしを送っていると聞いて、とてもかわいそうだと思いました。」

●「困っている誰かのために自分は何ができるのか、また何かしたいと思える気持ちが大切だと思います。私たちはマスターピースのみなさんのように大きな事はできないけど、身近な人のためにできることを探していきたいなと思います!人と人が協力し合って一つのことをしていくってすごいな!!とあらためて実感しました。」

●「この講演会で、将来マスターピースに入りたいと思いました。日本国内だけでなく海外にも出て困った人を助ける、そんな正義の仕事をしてみたいと思ったからです。」

●「世界の中には、まだまだ困っている人がいるということを聞いて、少しでも自分が役に立てたらいいなと思いました。また、自分がとても良い環境の中で生活できていると実感できたので、身の回りの家族や友達にも感謝しないといけないと思いました。」

●「身の回りの人のために何かすると、やってあげた相手の人も、やった私たちも、気持ちがあたたかくなるんだろうなぁと思いました。」
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