法学・政治学専攻
法学・政治学専攻2012年度に開講する博士課程前期課程の法政研究コース基本科目(演習を伴う科目)を掲載しています。
法哲学研究 (竹下 賢)
法哲学の中心的な課題は、 法とは何かを明らかにする法の概念と、 正義などの法の理念とを、 根本的で全体的な考察態度をもって探究することである。 さらに、 権利や責任、 人格や契約などの法的に基礎的な用語の意味内容を明確にすることや、 歴史上あるいは現代の法制度の背後にある思想を把握することも、 法哲学の課題となる。 こうした課題のもとに、 受講者の関心に応じてテーマを選び授業を進めていく。
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法思想史研究 (市原靖久)
法思想史学は、基礎法学の一分野であり、法思想の歴史的研究を課題としている。具体的には、一定の地域・時代の法思想を、それを生み出した社会との関わりのなかで分析していくことになるが、どの地域、どの時代の法思想を採り上げるかは、問題関心の設定如何による。差し当たっては、「西洋法伝統の形成」という問題関心から、西洋中世盛期の法思想を検討の対象にすることとしたい。
日本法史研究 (市川訓敏)
この科目は、日本法の歴史的な生成・発展にかかわる法現象について、その当時の法令資料や文献資料などをもとに検討することを通じて、法制度や法思想、法意識等についての広い知識や視野を獲得することを目的にしている。テーマの選択にあたっては、近代、前近代の公法私法の領域のなかから、履修生の希望も聞いた上で決定したい。科目では、ミニ講義、文献資料等の講読・分析や論文指導などの具体的な作業を通じて進めていく予定である。
東洋法史研究 (佐立治人)
帝政時代の中国(秦から清まで)の法律の特色は、あらゆる法律違反が、すべて刑罰に帰着することである。刑罰体系を定めた法律は「律」である。故に「律」こそが、中国法の中で最も重要な法律ということができる。完全な形で残っている律のうち、最も古いものは『唐律』である。この科目では、唐律そのものを講読しながら、唐律を適用した裁判例をも検討し、帝政中国の法律に対する理解を広げたい。
西洋・ローマ法史研究 (岡 徹)
古代口ーマ、中世・近世ヨーロッパの裁判制度に関する基本的研究書を講読し、国家制度の理解に努める。講読するのはフランス、ドイツなど最近の研究書である。
法社会学研究 (角田猛之)
法意識、法文化をベースとする比較法社会学・比較法文化学の研究を行う。法意識論、法文化論は法社会学と法哲学の主要テーマのひとつであり、したがってこの科目の究極の課題は〈学際的分野としての比較法文化学〉の構築である。その際、日本を含むアジア諸国と西欧のさまざまな法文化を、具体的なトピック−宗教、民族、性・生・死、フェミニズム、罪と罰、その他−を手がかりにして比較検討する。
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法社会史研究 (吉田徳夫)
法社会史の授業では、 法の生成を歴史的な視覚から取扱う。 そのテーマは各種あるだろうが、 人権の拘りあう事項とする。
当面、部落問題の歴史や、日韓関係史等を取扱う方針である。その時代別には、中世から近代とする。また以上のようなテーマに限定せず、幅広くテーマを設定しながら授業を予定したい。
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憲法研究T (人権論) (小泉良幸)
憲法学の基礎概念の分析を通して、近代立憲主義の理論的諸前提を解明することを目的とする。研究の方法論として、分析法学、哲学的解釈学、現代正義論等を用いる。憲法学にとって外的な方法論を用いることによって、逆に、憲法学の学問としての個性を理解することを目的とするからである。必要に応じて、アングロ・サクソンおよびドイツの憲法理論や憲法判例を素材とする。
憲法研究T (人権論) (西村枝美)
憲法上の権利保障に関する様々な解釈は、ドイツの解釈を参照しつつ、日本独自の要素を付け加えていったものが多い。そのうち、近年日本でも議論が再び活発化しつつある憲法の私人間効力について、ドイツでの問題関心を探りたい。
憲法研究U (機構論) (吉田栄司)
現代日本社会に生起するさまざまな憲法問題につき、比較憲法的視点をも加えて、専門的に考究して行く。最新のものまでを含む各種邦語文献のほか、受講生の希望や能力にも応じて、アメリカまたはドイツの基本書・雑誌論文・判例等をも、素材として扱って行く。
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憲法研究U (機構論) (作正博)
憲法学の基礎概念に関わる根本的な問題提起がなされている現実をふまえ、基礎理論、解釈論、最先端の議論などを総合的に考察する。研究方法としては、日本の法秩序内部で検討するアプローチと比較法的アプローチとを採用する。従って、授業内容は、外国(特にフランス)の文献講読、日本の文献研究・判例研究が中心となる。なお、テーマによっては、憲法学を超えて他の法律領域や学問領域に立ち入ることもある。
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行政法研究(田中 謙)
行政の法システムについて、既存の法システムの趣旨や意味を探求する「解釈法学」の視点ばかりでなく、新しい法システムを設計する「政策法学」の視点から、「議論・検討」する。必要に応じて、英米法・ドイツ法の基本文献の講読も予定する。
租税法研究 (浦東久男)
租税制度を法学的観点から分析検討する。重要判例の位置付け、租税実務で問題となる点の法的な整理などを行い、法学の一分野としての租税法の研究を進めていく。わが国の税制を深く理解し、今後の展開も考えるためにも、諸外国の税制改正にも関心をもち勉強する必要がある。租税法分野の立法のあり方、わが国の社会、経済の変化と税制の関係についても考えていきたい。
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刑法研究 (葛原力三)
自由、自律、自己決定といった諸観念が、特に主観的・客観的帰属、違法性、正犯・共犯性等の刑事責任の諸要件の形成に際してどのような機能を果たしてきたか、果たしうるのか、そして果たすべきかの検討を主たる課題とするが、具体的なテーマおよび素材は受講者とも相談の上で選定する。ただし、研究者となることを志望する受講者がある場合、ドイツ語文献の講読を優先する。
刑法研究 (佐伯和也)
刑法総論および刑法各論の諸問題を主たる研究テーマとする。具体的には、受講生と相談して扱うテーマを決定するが、最近のドイツ刑法文献の講読を中心として、講義・演習を基本的に進めていく予定である。
刑事訴訟法研究 (松代剛枝)
個別具体的論点の背後にある、刑事訴訟法の基礎理論の体系把握をテーマとする。比較法的素材として、英米法・ドイツ法の基本文献の講読も予定している。
国際法研究 (中野徹也)
条約法は、国際法の形式的法源の一つである条約に適用される規則であり、伝統的に契約法的な観念を中心に構築されてきた。しかし、近年では、人権諸条約や環境諸条約のように、必ずしも契約法的な観念に基づかない条約へ適用する過程において、看過しえない問題点や曖昧な部分が明らかになっており、条約法体系は再検討を迫られている。本講義では、このような状況を踏まえて、現代国際法における条約法体系のあり方を検討する。
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国際法研究 (西 平等)
内外の国際法学の理論的発展に大きな影響を与えた基本的文献を採り上げ、法学的思考によって国際的な事象を解釈し統制することを試み、それを通じて国際「法」秩序を構成しようとしてきた学問的営為を本質的に理解することをめざす。
国際私法研究 (佐藤やよひ)
国際私法とは渉外的私法関係を規律する法律を決定するルールといえる。それは19世紀半ばにドイツのサヴィニーが主張した理論を中核として発展してきたものである。しかし、20世紀後半以降、この方法論に大きな変革が見られる。とりわけ実質法的な価値観をどこまで抵触法に反映させるべきなのか、さらにその方法が問題となる。そこで以上の点を念頭に、世界法の可能性を探究していくことにする。
民法研究T (財産法1) (後藤元伸)
研究領域は財産法および団体法である。中でも、私法制度の基盤をなす領域を主として採り扱う。比較法の素材としては、ドイツ法およびフランス法を用いる。
民法研究U (財産法2) (馬場圭太)
民法のうち財産法を中心に研究する。講義では、現在進行している債権法改正を扱う予定である。演習については、担当者の研究関心から、フランス法およびヨーロッパ私法の最新動向について研究を行うことにしたい。
民法研究V (財産法3) (多治川卓郎)
民法研究Vの主要な研究領域は債権法である。具体的な研究テーマは、当分野を専攻する各院生と相談して決定するが、重要なポイントは「問題設定と解決を導くための手法」である。(1)講義では、ゼミ形式により、債権法の重要判例(主に最高裁判例)を採り上げて受講生全員で議論する。(2)演習では、当分野を専攻する院生を対象に、修士論文の作成に向けた研究報告を各院生が担当する。その際、比較法の素材としてドイツ法を用いる。
民法研究W (家族法) (千藤洋三)
諸外国の立法例の中には、例えばフランス民法のように、時効や抵当権、あるいは贈与をはじめとする各種契約などと同様に、財産権取得の諸原因の一つとして、相続を規定しているものがみられる。ここでは、相続規定は、財産法に位置するものといえよう。本講は、わが国では家族法として扱われている相続法上の諸問題を、財産法的な視角と家族法的な視角の二つの観点から整理・検討してみようとするものである。
具体的には、受講生の希望を聞いて、テーマを選定するが、(1)登記と相続、(2)無権代理と相続、(3)債権者取消権と相続、(4)「相続させる」 旨の遺言をめぐる諸問題などは、 必ず扱うことにしたい。
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kansai-u.ac.jp
商法研究T (企業組織法) (笹本幸祐)
2008年の保険法典制定により新商法典に残る総則・商行為、海商に加え、実質的意義の商法分野である会社法、手形法・小切手法、金融商品取引法、保険法、消費者取引法、信託法など、およそ企業組織が関わる法分野全てを対象とする。わが国の判例分析を主たる素材とし、必要に応じて基礎的な外語文献を参照する。演習では、前掲範囲内で、受講者各自が特に関心をもつものを尊重して、論稿の形にできるよう指導する予定である。
sasamoto
bp.iij4u.or.jp
http://www.geocities.jp/prof_sasamo/index.html
商法研究U (商取引法) (福瀧博之)
私の担当する講義・演習(商取引法)においては、従来、手形法を中心とする有価証券法を取り上げてきた。しかし、商取引法の対象範囲は多岐多方面にわたる。また、最近では、会社さえも「契約の束」と捉える考え方まで現われている。こうした状況に配慮して、最近では、受講生の希望に応じて、新しい分野である電子記録債権法を採り上げ、さらには、有価証券のうち投資証券(特に株式)に関連する分野をも採り上げている。外国法(特に、ドイツ法およびアメリカ法)との対比にも意を用いる。
fukutaki
kansai-u.ac.jp
商法研究U(商取引法)(栗田和彦)
船舶利用契約(船舶賃貸借契約、傭船契約および海上運送契約などを統合する概念。イタリア航行法で使用されている)について、海運界で実際に使用されている約款に即して、実証的な研究をしてみたい。
経済法研究(横田直和)
経済法の概念は時代とともに変化してきたが、現在の経済法は、市場メカニズムの機能を維持・促進する法律を意味し、独占禁止法がその中心となっている。本研究においては、独占禁止法を中心とする経済法上の諸概念について、独占禁止法等の規定内容だけでなく、経済社会において市場メカニズムがどのように機能してきたかといった経済実態や市場メカニズムを分析対象とする経済学を踏まえて検討を行う。
労働法研究(大沼邦博)
最近、いわゆる日本的雇用慣行の動揺に伴い、それを基礎として形成されてきた労働法理論も否応なく見直しを迫られており、新たな立法の動きも生じている。そこで労働契約法上の主要な問題を採り上げ、ドイツ法やイギリス法との比較を通じて批判的な検討を加えることにする。
労働法研究(藤原稔弘)
労働法のうち、個別的労働関係法の分野を対象とし、最新の学説・判例の研究を行う。この分野では、労働基準法等の立法の改正が相次ぎ、また労働事件の多くもこの領域に属する。個別的労働関係法では、労働契約上の権利・義務をめぐる労使紛争の解決のための法理の構築が大きなウエイトを占め、従来、労働契約法理の形成には、学説・判例が主要な役割を果たしてきた。しかし、近時、この領域の法制化の動きが顕著となり、労働契約法が成立した(2008年3月1日施行)。
民事訴訟法研究(栗田驕j
学部で民法と民事訴訟法等を学んだ人を対象に、民法と民事手続法の交錯領域について研究する。講義では、時効、共有、相殺、債権譲渡といった問題を民事訴訟法の観点から検討する。受講生からの希望があれば、物上代位、法定地上権といった担保法に関する諸問題を民事執行法あるいは倒産法の視点から採り上げる。研究素材は、日本語およびドイツ語で書かれた文献・判例が中心である。ドイツ語の文章がある程度読むことができることが必要である。演習では、受講生が選択した研究テーマについて、受講生が順次研究報告する。最初は、判例報告を中心とし、次第に修士論文の作成の際に参照する論文の概況も報告し、修士論文の作成の準備とする。
kurita
kansai-u.ac.jp
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/
民事訴訟法研究(吉田直弘)
わが国の民事紛争処理システムにおける構造的ないし理論的な諸問題を分析し解明することを研究課題とする。したがって、直接の研究対象は日本法であるが、必要に応じて諸外国の文献や裁判実務の実態を調査・検討する。また、個々の研究課題に対する分析手法を、最新の法律学方法論を踏まえて習得することをめざしたい。
yoshida
kansai-u.ac.jp
政治過程論研究(小西秀樹)
政治過程論は、公共的な政治決定をめぐる多様なアクター間の相互作用、アリーナや制度の機能、そして政治と社会構造の関係など、政治の動態を実証的に分析することを課題としている。本研究では現代日本における政治過程の諸問題、具体的には選挙と投票行動、連立政権の展開、利益団体やメディアの活動、政治的リーダーシップ、地方政治の変化、公共政策の決定過程等をとりあげるが、受講生の関心とテーマにも配慮したい。
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kansai-u.ac.jp
政治機構論研究(森本哲郎)
政党の研究には様々な視点から取り組むことができる。その中で政党の組織に着目した研究は学問的な政党研究としては最も古い歴史をもち、いくつかの古典的業績を残してきた。その後、意外なことに、組織面からの研究は長い間政党研究の空白地帯となっていたが、近年、斬新な業績が相次いで出されつつある。これらのうち、特に重要なものを中心に順次検討を加えていく。その際、抽象的な一般理論ではなく、あくまで具体的な政党組織の実証的研究(特に日本とヨーロッパ諸国)に重点を置きたい。
政治心理学研究(河村厚)
政治心理学の研究対象領域のうち、「パーソナリティと政治の関係」と「政治的社会化」を主な考察対象とし、ラズウェルなどの(現代)政治心理学の古典的な作品から最新の海外の文献までを解読する。フロイトの精神分析学の概要と(特に20世紀アメリカの)現代政治学の発展史についての知識を既に習得済みであることを前提に講義・演習を行う。
kawamura
kansai-u.ac.jp
政治哲学研究(寺島俊穂)
政治哲学の課題は、政治社会の在り方を探究するとともに、政治的事象の本質を捉えることにある。民主主義、平等、非暴力、共和主義、シティズンシップなどを軸に政治理論のパラダイム転換を模索するとともに、市民的不服従の事例、戦争廃絶の可能性、外国人の人権など具体的な問題を取り上げ、歴史的・思想的に分析していきたい。
日本政治史研究(山野博史)
日本政治の歴史と実際を理解し、将来を展望するうえで重要と思われる著述(思想史ならびに学藝史上の古典的労作、独創的な学術論考、刺戟的な文藝評論、新旧の印象深い文学作品など)について考察する。
なにをどのように読むかは、受講生と相談してきめる。一次史料、内外の各種参考文献の探索、蒐集、整理、読解等の方法についても詳説する用意がある。
外交史研究(眞鍋俊二)
(1)研究テーマ−アメリカ・ドイツ・日本を中心として、現代外交史上の諸問題を採り上げている。特に最近は、ポスト冷戦の世界秩序論に着目しつつ、第二次大戦以後の独米関係と日米関係の比較研究を行っている。(2)テキスト−英語・ドイツ語・日本語の最新の文献のなかから適宜選択している。(3)授業形態−受講生によるテキストの輪読を前提とし、討論・解説が加えられる。(4)備考―但し実際の授業内容については履修者の希望を考慮して修正を加えている。
国際政治学研究(大津留(北川)智恵子)
国際政治学(国際秩序・規範、NGO論、安全保障、平和研究)ないしはアメリカ政治・外交(政策決定過論、外交史、市民社会、民主主義論)の研究領域の中から、受講生の問題関心に近づけた内容の題材で授業を行う。
ckotsuru
kansai-u.ac.jp
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~ckotsuru/
情報政策学研究(山本慶介)
産業振興、福祉、セキュリティなど多彩な分野に導入されている行政情報システムを採り上げて、システム評価や政策評価を行うことにより、情報社会に対応した行政能力の育成に努める。実際には具体的な行政システムを完成させるような指導となるので、コンピュータに関する高度な技術(特にプログラミング能力)や数理的な能力(統計学、オペレーションズ・リサーチなど)が要求される。科目履修を考えるものはミスマッチにならないよう留意すべきである。
t892341
edu.kansai-u.ac.jp



