文学部教員コラム
『春が来た!』
英語英文学専修 助教授 鍋島 弘治朗
春が来た。春がこれほど待ち遠しかったことはなかった、だったかな、阿部昭という既に亡くなった作家が書いていました。春になると日差しが暖かくなるし、日が長くなったり、土筆が出たり、サクラなどの花が咲いたりと楽しい気分になります。毎年春になると恋をしたくなるという人もいました。また、変な話ですが、私が複雑骨折したとき、再手術を3月まで待ちました。医師によれば、冬より春の方が回復が早いんだそうです。骨まで成長する春。
春はいろんな喩えにも用いられます。恋愛に疎遠だった親友に「やっとお前にも春がきたな」といったり、色恋の絡みからちょっと不名誉な「春をひさぐ」という表現になったり。「我が世の春」と言えば、一番、脂がのっている時期のこと。(このコラムを読む)皆さんの多くがまっただ中の「青春」という名の春も、人の一生を春夏秋冬に重ね合わせた喩え(メタファー)の一種と言えるでしょう。春は始まり。レースで言えば助走の時。一日で言えば朝。すべての基調を整えるのが春です。
さて、英語で春はspringですが、辞書を引いてみると(はい、ここで皆さんも引いてみてくださいね)「バネ」や「泉」の意味もあります。
語源 古英語springan. 原義は「突然わき出る」.「春」は「芽が出る時」.
ドイツ語springen(とび出る)(エンカルタ総合大百科事典英和辞典)
どうも、「バネ」、「春」、「泉」は語源が同じようです。「突然わき出る」ものとしての「泉」から、多くの芽や花が出る時期ということで「春」を意味するようになる。同時に、「突然出る」ものとして「バネ」の意味になる。「バネ」の意味になると、「弾む」、「活気」、「原動力」の意味になるらしい。
皆さんはいいとこ取りしましょう。春は、すべての始まり。レースで言えば助走の時。一日で言えば朝。すべての基調を整えるのが春です。そして春は、弾み、活気に溢れ、すべての原動力となる泉です。この春、香しい光の中で、自分がやりたいこと、始めましょう。


