発達障がい/神経発達症学生の支援
※以下は煩雑さを避けるために「発達障がい」と表記します。
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発達障がい/神経発達症とは
何らかの要因による中枢神経系の障がいのため、生まれつき認知やコミュニケーション、社会性、学習、注意力等の能力に偏りや問題を生じ、実生活に困難をきたす障がいをいいます。
主な発達障がいには、以下のものがあります。
(1)自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)<ASD>
他者との意思・感情の疎通などのコミュニケーション、集団の中で適切にふるまう社会性、状況に応じて臨機応変に対応したり、表情、しぐさ、声音などあいまいな情報を読み取る想像力などにおいて困難が生じる障がいです。
(2)注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害)<ADHD>
注意力や、多動や衝動的な行動のコントロールに困難が生じる障がいです。注意力には、維持すること、いくつかの対象に注意を分配できること、状況に応じて切りかえができることの三つの側面があります。
(3)限局性学習症(限局性学習障害)<SLD>
知能など他の能力に問題がないのに「読む」「書く」「計算する」「話す」「推論する」のいずれかひとつ、あるいは複数の技能の習得に困難が生じることにより、学習が妨げられやすい障がいです。
また、上記(1)~(3)の三つの障がいは互いに重複することもあります。
合理的配慮の例
- 関係部署と連携しながら履修の相談を行う。
- 座席指定のある授業において、学習に集中しやすい座席を指定する。
- クールダウンのための途中入退出を許可する。
- 重要な連絡事項について、板書、インフォメーションシステムへのアップなど、文字媒体も併用した連絡を行う。
- ペアワーク、グループワーク、プレゼンテーションについて授業担任者、関係教職員とともに相談に応じる。
- 学習課題を遂行することに伴う困難を解決するために関係部署に紹介し、連携して支援する。
- 障がい特性に伴う困難について、授業担任者に通知する。
- 学習上の困難が繰り返し生じている原因と対策について一緒に考える。
- 学習計画などのスケジューリングについて定期的に相談を行う。
- 所属しているゼミ、研究室などの関係教職員と連携して、コミュニケーション、人間関係に関しての相談に応じる。
修学上の困りごとの例
- 履修の仕方がよく分からない。
- 物音が気になって、授業に集中できない。
- 90分間座り続けるのが困難である。
- 口頭での連絡事項を聞き漏らす。
- ペアワーク、グループワークに参加するのが難しい。
- プレゼンテーションを準備し、行う際に様々な困難が生じる。
- レポート、論文の作成に困難を感じる。
- 忘れ物が多い。
- 提出物が手書きの場合、判読困難となる。
- 文字が詰まっている資料等が読みにくい。
- 同じ内容を何度も学習しても、なかなか身につけることができず、単位を修得できない。
- 適切に学習スケジュールを立て、実行することが難しい。
- ゼミ、研究室などの小集団内でのコミュニケーション、人間関係が難しい。
支援の流れ
発達障がいは、個別性の大きな障がいです。同じ診断名がついていても、学生によって、困難の現れ方に大きな差があります。
したがって、学生相談・支援センターでは、障がいに関する専門知識を持った障がい学生支援コーディネーターが、学生本人(場合によってはご家族の方も)から障がいによる修学上の困難と配慮希望について丁寧にきき取り、本人の了解を得たうえで、必要に応じて、教員、関係部署や心理相談室と連携して、修学上の配慮を行うための基盤づくりをします。
修学上の配慮は、所属学部・研究科の教職員、授業担当者、学生相談・支援センターの障がい学生支援コーディネーター、その他の教職員が連携を取りながら進められます。