障がいのある学生支援に関心のある方
関西大学では、在籍する障がいのある学生が、他の学生と分け隔てられることがなく修学できるよう合理的配慮を提供しており、支援が必要となる場面で学生支援スタッフが活動しています。
学生支援スタッフの紹介
学生支援スタッフの主な活動としては、障がいのある学生から要請のあった授業におけるノートテイクやパソコンテイクなどがあります。支援活動は、学生支援スタッフの学業を優先しますので、時間割の空いている時間帯に無理のない範囲で行うことができます。学内での空き時間を有効に活用することができ、支援活動に応じた給与が支給されます。
なお、ノートテイクやパソコンテイクについては、未経験者を対象とした研修会を実施しますので、誰でも安心して支援活動に参加することができます。
学生支援スタッフの声
文学部 総合人文学科 4年
(学年は2022年度当時)
私が学生支援スタッフの活動を初めて知ったのは、受講していた手話講座で案内があった時です。日頃、漠然と「困っている人を助けたい」という思いを持っていたものの、具体的な行動に移すことができていない私にぴったりだと感じ、学生支援スタッフに応募することを決めました。
当初はパソコン入力の速度や正確性に自信がなく、はじめてのことばかりの私でも役割を全うできるのだろうかと不安でいっぱいでした。しかし、研修の際に「皆さんは聴覚障がい学生の耳です」ということばに感銘を受け、自分の活動に責任と自信を持って全力で取り組もうと決意することができました。
私はこれまで「文字起こし」の活動に従事してきました。「文字起こし」とは、講義動画を聞いたまま書き起こすことです。はじめは時間がかかったり、目の前の作業に手一杯で余裕がありませんでしたが、そのうちに「この活動を仕事だと捉え、ただ与えられたことをこなすのでは駄目だ」と考えるようになりました。また、Deaf Academyや企画委員での活動にも参加し、それがきっかけで支援を利用する学生とも話をする機会が大幅に増えました。こうした経験の積み重ねから、聴覚障がい学生とのコミュニケーションの中で、利用学生の声に耳を傾けて、「文字起こし」についても、更に読みやすくするためにどうすればいいか、考えながら業務に従事するようになりました。
私は学生支援スタッフとしての「支援」を通して、自分自身の成長を強く感じています。技術・能力的なことはもちろんですが、それ以上に主体性や傾聴力、相手を思いやる気持ちなどが得られました。この活動は私にとってなくてはならない経験であり、大切な思い出になりました。日々、あたたかい心を持ち全力でサポートを行っている学生相談・支援センターで、学生支援スタッフとして活動できたことを誇りに思います。
登録方法・活動の流れ
学生支援スタッフの登録方法
学生支援スタッフの募集は、インフォメーションシステムや学内掲示、学生相談・支援センターのホームページ等でご案内します。
関心のある人は、学生相談・支援センターにお問い合せください。
研修
学生支援スタッフ研修会
学生支援スタッフとして活動するには、研修を受講する必要があります。研修には障がい者についての理解を促すとともに、学生支援スタッフの役割を確認するための「全体研修」と、ノートテイク・パソコンテイクといったサポート技術を学ぶ「スキル研修」・「実践研修」があります。
活動の流れ
ノートテイク・パソコンテイク
原則として2人1組で行います。聴覚障がいのある学生が受講する授業に同席をして、授業担任者が話すことを文字にして伝えます。緊張感のある活動ですが、聴覚障がいのある学生の修学をサポートする大切な活動です。
中間懇談会・学期末懇談会
学期の中間に開催する中間懇談会では、修学支援制度を利用している障がいのある学生(以下「利用学生」)と学生支援スタッフ同士の交流の場であり、支援活動中に実施している工夫の共有や疑問点を解消し、学期後半の支援に活かすことをめざしています。
また、学期末懇談会では、利用学生、学生支援スタッフ、授業担任者のほか、学内の関係者が一堂に会して、学期間の活動を振り返ります。障がいのある学生の思いや学生支援スタッフの本音を聞くことのできる貴重な機会です。懇談会で話し合われたことを次の学期に反映させ、修学支援制度がより良いものになっていくことをめざしています。
企画委員
学生支援スタッフのなかで、学生支援スタッフの活性化と学生支援スタッフ間の交流を目的に「企画委員」が活動しています。企画委員は「広報」「研修」「交流」「支援の質向上」などに力を入れています。
企画委員の声
商学部 商学科 4年
(学年は2022年度当時)
新型コロナウイルスの影響で思ったような大学生活を送ることができず、なにか新しいことに挑戦したいという想いで学生支援スタッフに応募しました。支援活動を通して“ろう学生”と出会い、それをきっかけに手話を学び、手話でコミュニケーションが取れるようになりました。また、“ろう学生”との関わりを通じ、“ろう”の文化など、多くのことを学び、私達に取っての当たり前が当たり前ではないことを痛感しました。
こうして得た学びを、自分の中にとどめておくのはもったいないと思い、仲間を募り、Deaf Academyを企画、実施しました。Deaf Academyでは、「聴こえないこと」の理解を深めるために、体感ワークや“ろう学生”とのトーク・セッションを2日間に渡って実施しました。参加した学生や職員からは、「聴こえないことのリアルを知ることができ、ろうの方と関わるときの助けになると感じた」という感想もいただきました。
私自身が“ろう学生”との関わりから得た学びを、Deaf Academyという形で広げることにより、“ともに生き、ともに学ぶ”インクルーシブな学習環境を生み出すことに貢献できたと感じています。学生支援スタッフ及び企画委員の活動を通して、知らない世界へ一歩踏み込むことの大切さに気づくことができました。