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第1回高等部卒業式における学校長からの式辞

平成24年度 第1回 関西大学高等部 卒業式

「式   辞」


 校庭の木々にも春の息吹が感じられる今日の良き日、多数のご来賓ならびに、保護者の皆様のご臨席を賜り、ここに関西大学高等部 第1回卒業式を挙行できますことは、誠に喜ばしい限りであります。
晴れの卒業式を挙行するに際し、ご臨席賜りました 学校法人関西大学理事長 池内 啓三様をはじめとするご来賓の方々に、心よりお礼申しあげます。
 また、ご列席いただきました保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。
皆様には、学校開校時より「教育後援会」を立ち上げていただき、様々な点においてご支援賜りましたことに対し心より御礼申し上げます。有り難うございました。

 さて、第一期生のみなさん、卒業おめでとうございます。
記念すべき第1回卒業式をみなさんとともに迎えることができた感激で、私は胸がいっぱいであります。
先ほど学級代表の方に卒業証書を渡しながら、卒業式を迎えるまでの数年間のことを思い出していました。

 関西大学中等部・高等部の学校設立から今日までの経緯をふりかえり、「はなむけの言葉」にしたいと思います。
入学式の時にも話しましたが、私たちの学校は、「関西大学が12年一貫教育を通して、21世紀の世界を切り拓く人材を育てる学校」として開設されましたが、開校までには多くの人たちの努力がありました。
大阪で新たな私立学校を開設することが難しい状況の中で、現理事長を先頭に、大学関係者のみなさんが叡智を絞り、「21世紀に誇れる学校を開校する」との信念のもと、様々な困難を克服し、2014年4月学校開校にこぎ着けたのであります。
 
 高等部は、「高い学力」と「探究能力」という二つの力を育てる、これまで全国に例のない「安全科学科」という進学型の専門学科として開校することとなりました。 
私たち教職員は この新しい学校に夢を膨らませ、高等部の魅力を多くの受験生や保護者のみなさんに知っていただくべく準備を始めたのです。
 しかし、大阪府からの「学校設置認可」が予定より大幅に遅れ、入試広報の開始が夏休み以降となり、短期間で、本校の魅力を説明しなければならないという状況になりました。
さらに、「安全科学科」という専門学科であること、先輩がいないこと、校舎完成が入学直前になることなど 様々な理由から、高等部の魅力、真の良さを理解していただくまでには、多くの時間と労力を必要としました。
私たちは、学校説明会や中学校訪問を繰り返し、本校の素晴らしさを訴え続けました。
そんな中で、高等部への進学を考える生徒の数が増えていきました。
そして、最終的に「この新しい学校、関西大学高等部に自分の夢をかけてみよう」と決意し、本校を受験校として選び、合格し、入学してくれた生徒たち、それが、今ここにいる第一期生のみなさんです。
 
 2010年4月2日 第1回入学式の、あの感激を忘れることができません。
あの日は、「この新しい学校に夢や希望を託し、入学してくれた一期生の思いをしっかり受けとめ、生徒、保護者、教職員が力をあわせ日本一良い学校をつくろう」と決意した日でもあります。
以来、3年の歳月が流れ、本日の卒業式を迎えました。

 第1回入学式、宿泊研修、授業、部活動、文化祭や体育祭、海外研修旅行、卒業論文の発表、大学受験への挑戦とすべてがはじめての経験でした。

 振り返ってみれば、君たち一期生のみなさんには、常に「関西大学高等部第一期生としての自覚と誇りをもって行動し、この学校を良い学校にしてほしい。君たち一期生の姿がこの学校の評価を決めるのです。規律ある生活を送り、まず勉学に励んでほしい。」
と、私は様々なことを君たちにお願いし、時に、辛い思いをさせたこともありました。
 しかし、君たちは、私たちの思いを受けとめ、ほんとうによくやってくれました。
みなさんの努力のおかげで、関西大学中等部・高等部は多くの人たちから「高い評価をしていただける学校」としての礎を築くことが出来ました。
教職員を代表して、ここにお礼を言います。
 
 さて、卒業生のみなさん、今、どんな思いでそこに座っていますか。
日々の学業に、部活動に、ある時は切磋琢磨し、また、ある時は時の過ぎるのも忘れ、友と語り、涙し、力を合わせ、本日めでたく卒業の日を迎えたみなさん一人ひとりの心には、3年の歳月が走馬燈のごとく、感動、感激としてよみがえっていることと思います。
 
 みなさん、卒業式は、別れの日でありますが、新たな旅立ちの日でもあります。
自分の将来の夢や希望に胸をふくらませ、自覚も新たに、力強く、新たな努力への決意を固め、さらなる高見をめざし、未来への第一歩をスタートしてください。

 君たちを待ち受ける社会は、様々な課題が山積しており、かつてないほど人類の叡智を必要としています。
このような社会でありますが、本校で培った力をもとに、誇り高き関西大学の一員として、将来それぞれの分野において自己の真価を発揮してくれることを期待しています。
さいごに、卒業生諸君に次のことをお話しして、終わりにしたいと思います。
「将来を展望し、柔軟な発想と心をもって生きて欲しい」ということです。
「些細なことにとらわれることなく 大局的に着眼する力、冷静かつ客観的に判断する力、時代の移り変わりを直視し、幅広く知識を吸収し、知識を知恵に換える力、このような力が君たち、若者に求められています。
常に自分の心を大きく開き、創意工夫への努力を怠ることなく、自分らしさを発揮するとともに、他の人にも気配りのできる、厳しさの中にも思いやりのある温かい心を忘れずに素晴らしい人生を歩んでください。」

 昨年ノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授は、こう話しています。
「今日の大学生や大学院生を見ていると、その多くが、予想外の結果に興味を持ちわくわくする、という心を失っているように思います。しかし、自然科学の世界は予想外の連続であり、仮説とは逆の結果が出たときこそ新しい発見につながるチャンスなのです。みなさん失敗を恐れずチャレンジしてください。」
と訴えています。

 みなさんは、希望に燃えて、それぞれの進路に進みますが、失敗をおそれず、チャレンジする心を忘れないでください。
 
このことをお願いして、私からの言葉とします。

 終わりに、保護者の皆様方に改めて、お祝いとお礼を申し上げます。
「お子様のご卒業、誠におめでとうございます」
心より、お祝い申しあげますとともに、この3年間、本校に対する暖かいご理解とお力添えを賜りました ことに厚くお礼申しあげます。
 
 本日、ここに卒業生をそれぞれのご家庭にお返しいたします。
どうか、お子様の前途を温かく見守ってあげてくださるようお願いいたします。

 それでは、卒業生のみなさんお元気でさようなら。

2013(平成25)年2月16日
関西大学高等部校長
米津 俊司
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