地域連携事例集vol8_2025
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DATA連携先からの一言まち歩きに同行してくれた地域の方の話を聞き書きする高校生若狭高等学校の生徒たちは、特別に用意された講師ではなく、一般住民の方々にインタビューすることで、この地域で生きる者にとっての幸せや生きがいについて、自分ごととして地域にどうつながり、関わっているのかを安心して深く考えることができていました。これまでの学校教育における社会との接続の仕方と異なるアプロ―チであり、生徒たちがより主体的に取り組んでいました。(若狭高等学校SSH研究部部長 小坂康之氏)まち歩き中、庭仕事中の住民の方に声掛けをして話を伺う大学生と高校生のグループ#高大連携#ウェルビーイング教育目 的魅力的で暮らしやすい若狭地域の若者を育成するため、若狭高等学校と本学の高大連携による共修教育によって、ウェルビーイング教育の方法とカリキュラムを開発すること。活動内容若狭高等学校と本学が地元学手法を取り入れた共創プログラムを3段階で実施した。まず、第1段階では、オンラインで高大合同の事前学習を実施し、地元学についての理解を深めた。第2段階では、高校3年生の2クラス合計59名、福井県立大学の学生2名、本学の学生7名がまち歩きを実施。高大混合の5グループに分かれ、地元住民である案内人と共に小浜市内の異なる地域コミュニティを訪れ、高校生・大学生の目線でそれぞれの地域の特徴や住民の暮らしについて調査した。まち歩きの後、グループ活動の成果高校生が個別インタビューによってウェルビーイングについての理解を深めることができた。地元学により若狭地域の暮らしの価値を探求し、小浜市の暮らしについて深掘りできた。国際教育連携活動の拡充に寄与することができた。ごとにまち歩きで撮影した写真を使用し、地域資源カードをまとめたり、住民へのインタビューシートをもとにして、地域の暮らしについて独自の絵地図にまとめた。最後に、全体発表を行い、小浜のまちの多様な魅力を掘り起こしていくことができた。第3段階では、グループ単位と個人単位の2つのレベルで、この高大共修プログラムからの学びについて振り返り、地元学から得られた知見をもとにして、若狭高等学校のウェルビーイング教育について考えた。また、若狭高等学校と教育連携関係にある、台湾基隆市立暖暖高級中学※の生徒を交えて、基隆市と小浜市で地元学共修教育プログラムを実施。その結果、国際教育交流活動として位置づけられることとなった。 (※日本の高等学校普通科にあたる教育課程)大学生のアドバイスをもらいながら、まち歩きで見つけた地域にあるものを絵地図に表現連携にいたる経緯若狭高等学校海洋科学科は、文科省のマイスター・ハイスクールの指定を受け、若狭地域をリードする人づくりのため、ウェルビーイングに焦点を当てた教育カリキュラム開発に取り組んできた。本事業の推進委員である草郷は、若狭高等学校の教員と協働でウェルビーイング教育の実現に努めてきた。その一環として、地元学を柱とする共修教育プログラムを行うこととなった。今後の課題・目標・展開の可能性若狭高等学校のウェルビーイング教育を展開する。地元学の継続により、若狭地域のすべての地域コミュニティにあるものを掘り起こす。若狭地域の自治体に働きかけて高大連携・地域連携で地元学を展開する。主な連携先・メンバー福井県立若狭高等学校海洋科学科活動地域福井県小浜市若狭地域活動期間2021年度~継続中活動資金地域連携活動に対する補助事業/文部科学省マイスター・ハイスクール社会学部 教授 草郷 孝好 Kusago Takayoshi近代化や開発の意味を問い直し、ウェルビーイングを重視する持続可能な社会の構築に関する理論的研究と、地域レベルの当事者との協働型アクションリサーチに取り組んでいる。21若狭高等学校と関西大学の高大連携による共修教育の実践~地元学と対話によるウェルビーイング教育の推進~

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