大学執行部リレーコラム

「なんか困ったことがあったら」−入学式に想うこと

2022.04.02

今春、6,958名の新入生が関西大学に入学してくれました。

コロナ禍ではありますが、久しぶりに学生たちが期待に胸を膨らませ、正門の前で写真を撮る姿を見ると、大学らしい生活が少しずつ戻りつつあることを実感し、かつ、感染予防に留意しつつ対面授業が実施できる環境整備を続ける必要があることを思います。

今回のコラムは、個人的なお話しです。

入学式の朝、通勤途中に娘の幼稚園からの幼なじみのお父さんにバッタリお目にかかりました。そこで幼なじみのお嬢さんが関西大学に進学されたことを伺いました。

小さな頃から同じクラスになったり、習いごとも一緒で仲良くしていただいたりしていたこともあり気になっていました。

もう一つ、お嬢さんのお母さんは、私の大学院時代から、もう25年も前になりますが同じ研究科、同じ小さな建物の2階、3階で名前は知らないままよくすれ違っており顔見知りでした。その後数年経って、娘の授業参観で偶然再会することになったのです。

そのお母さんは、お嬢さんが小学生の時、ご病気で他界されました。その後、お父さんはお一人で一生懸命、仕事と育児を両立され、お子さんたちも親を気遣い、他者を気遣うことができる素敵なお嬢さんに成長されました。

関西大学で、これからの未来が開けるような勉強ができることを願っています。きっとお父さんも、そしてお母さんもそれを願っているはず。関西大学にはその夢や想いを支える責任があります。

今度学内でお嬢さんに会うことができたら「なんか困ったことがあったら、おっちゃんに何でも言いにこなあかんで」と伝えることができたら、と思いますが、きっと女子大生になった彼女を見つけることは難しいので、学内をウロウロ歩いて見つけてもらえたら、と期待しています。

関西大学に入学してくる学生には、多様な背景があります。経済的に苦しかったり、障害があったり、それを言い出せなかったり、これまで他者に頼ることができず、頑張ってきた学生たちもいます。そんなとき、

「なんか困ったことがあったら、何でも大学に、職員さんに、先生に相談してくださいね」

といえる、そして新入生のみなさんが夢や想いをあきらめることなく卒業できるまできちんと寄り添って4年間の学びを次のステージにつなげる支援ができる関西大学でありたい、と思います。

新入生のみなさん、ご入学本当におめでとうございます。

                                   学長補佐 岡田忠克