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研究紹介
ホログラフィ技術ユニット
コンピュータホログラフィ技術を中心とした超大規模データ処理指向コミュニケーション
研究代表者 |
システム理工学部 教 授 松島 恭治 |
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研究者 |
システム理工学部
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かつては電子立国と呼ばれた日本の再浮上をかけて、3Dテレビや3Dゲーム機が日本で実用化されてきました。しかし、これらが商業的に成功したとは言えない状況です。その大きな理由は、これらの3D映像にインパクトが無く、また、その立体知覚の刺激が不完全であり、視聴時に違和感や疲労感、低年齢児では視覚の発達障害などを引き起こす可能性があると言われているためでしょう。それに対して、ある物体やシーンの光そのものを再生するホログラフィ技術の3D映像には、このような問題が全くありません。そのため、実際にその映像を見た人は強いインパクトを受けます。コンピュータホログラフィは、アナログ写真技術であった従来のホログラフィ技術を完全にデジタル化したものであり、現代の3D技術の欠点を完全に解消した究極のデジタル3D映像技術です。
しかしその映像には莫大な量の情報が含まれます。例えば、本学で作成され、2015年春までボストンのMITミュージアムで展示されていた「Brothers」というコンピュータホログラム(静止画)では、わずか12cm×10cmのサイズの映像が約250億画素で構成されています。このような超大規模データは、それを処理するのも伝送するのも難しく、現代のICT技術では簡単には対応できません。しかしICT技術は日進月歩ですので、今はまだSF映画でしか見られないような臨場感のあるコミュニケーションが、近い将来にこの技術で実現することは確実でしょう。本プロジェクトでは、単に3D映像技術だけではなく、様々な分野の研究者が連携することにより、そのような近未来に相応しい通信・画像処理・音響処理から応用までを総合的に推進します。また、関大デジタルホロスタジオを本学に設置し、本学が世界に誇るコンピュータホログラフィ技術において、描画サービスを世界の研究者に提供することにより、要素技術の発展に寄与します。