座談会 後輩たちへのエール 座談会 後輩たちへのエール
関西大学法曹会のご協力を得て、法科大学院の多治川卓朗教授のお声がけのもと、関西大学出身の若手弁護士5名が集まって開かれた座談会。関西大学理事で弁護士である小松陽一郎先生を特別ゲストにお招きして、法曹を目指す後輩たちにエールを送ってもらった。

関西大学法曹会のご協力を得て、法科大学院の多治川卓朗教授のお声がけのもと、関西大学出身の若手弁護士5名が集まって開かれた座談会。関西大学理事で弁護士である小松陽一郎先生を特別ゲストにお招きして、法曹を目指す後輩たちにエールを送ってもらった。

TOPICS 1 法曹を目指したきっかけ

些細なきっかけはいつしか大きな志へ。
それぞれの思いを胸に、法曹への道を歩む。

多治川皆さんが法曹を目指したきっかけを教えてください。

杉島私は中学校時代にいじめを受けた経験があったので、自分と同じような社会的弱者のお力になれる仕事として弁護士に憧れました。関西大学では法律相談所に所属し、多くの先輩弁護士から勉強を教わり、薫陶を受けました。

向井私は中学生の時に観たテレビドラマがきっかけでした。そこに描かれる検察官がかっこよくて、漠然とではありますが憧れを抱くようになりました。ただ高校までは野球ひと筋だったので、本格的に法曹を目指すようになったのは関大の法学部に入ってからです。

須貝私が法曹を目指すようになったのも関大に入ってからで、最も大きなきっかけは千里山法律学会に入ったことです。長い歴史を持つ千里山法律学会は、これまでに数々の法曹関係者を輩出しており、諸先輩方とお話しするうちに法曹に憧れるようになりました。

宿谷私は中学生くらいまでは医者になりたかったのですが、数学があまりにも苦手で…。将来どうしようかと考えていた時に、親族の弁護士の方とお話しする機会があり、憧れるようになりました。

私の場合はいろいろな理由があるのですが、最大の理由は法科大学院制度が始まった時期で、法曹になりやすくなると言われていたからです。勉強があまり得意でなかった自分でも法曹になれるのでは…と思ったのが大きいですね。もちろん、皆さんご存知の通り、そんな甘い話ではなかったわけですが(笑)。

勉強は得意じゃなかったです(笑)姜さん
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TOPICS 2 学部時代の学び

学部時代に出会った同志たち。
互いに切磋琢磨できる関係を築く。

多治川杉島くん、姜くん、宿谷くん、向井くんの4名は、多治川ゼミの1期生で、須貝くんは刑法の葛原先生のゼミ生でしたが、私の勉強会に参加してくれましたね。皆さんにとって学部生時代の学びはいかがでしたか?

杉島多治川先生の民法ゼミでは、「民法判例百選I・II」という本を題材にゼミをしていただきました。この「判例百選」が素晴らしい教材で、重要判例や重要論点が採り上げられているから、資料の確認ができるし勉強に役立ちます。しかも、多治川先生の鋭くかつ短くまとまった突っ込みをいただいて学習できるので、非常にありがたかったです。

多治川先生のゼミ募集の文言に「法科大学院、資格試験、公務員試験を想定して」とあるので、応募には相応の覚悟が必要でした。しかし、そのおかげでしょうか、勉強したいという意欲のある学生が集まっていたので、高いレベルで切磋琢磨できる環境がありました。

多治川法学部3、4年次のゼミでの指導はとても重要で、教員がここできちんと対応すると、各種試験の合格率がぐっとアップします。多治川ゼミの7期生が今年度の司法試験を受験していますが、1期から7期までの通算の司法試験合格者数が20名、うち5名が女性です。当ゼミでは、各学年の法科大学院進学者数の平均が6、7名として、毎年の司法試験合格者数が3名程度なので、合格率は40%から50%の間ですね。今年も、当ゼミから3名が司法試験に合格しました。関西大学は極めて優れた教育機関であり、法学部、法科大学院の学生は本当に優秀です。

ゼミの仲間とは今でも仲がいいです 杉島さん
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TOPICS 3 法科大学院での学び

先輩の若手弁護士から学べるのが魅力。
関大ファミリーの真骨頂がここに。

多治川関西大学法科大学院では特別演習という課外講座が設けられていて、これは関大独自の強力なアドバンテージの一つです。授業のバックアップから司法試験の過去問等を素材にした答案作成まで幅広い内容を持った課外講座で、在学生、卒業生は無料で受講することができます。25名の優秀な若手弁護士がアカデミック・アドバイザーとして担当します。実際に受講された皆さんにとって、この特別演習はいかがでしたか?

当時は8クラスぐらいあって、「私は未修者出身のアカデミック・アドバイザーなので、未修者の方のお悩み相談的に未修者募集します」みたいな先生もいれば、「徹底的に最初から過去問書きまくらせるから、そのつもりで覚悟して来いよ」みたいな先生もいて、受講生は自分に合った最適のクラスを選べます。私たち3人は過去問の答案をベースに教えてくれる先生のクラスを2年間受講していました。修了後もずっと受講していましたね。

須貝司法試験に合格されたアカデミック・アドバイザーの先生方から、実際にご自身が合格した知見をそのまま教えてもらえます。かつ答案を書いたら見ていただけるし、わからないこともすぐ聞けるということで、本当に役に立ったと思いますね。私は在学中も、卒業してからも、ずっとお世話になっていました。

多治川卒業後の勉強の場をつくる、自分の勉強ペースを維持するという観点からも、アカデミック・アドバイザーの先生方とのつながりは大切ですね。

宿谷それはそうですね。関大の場合は法科大学院を卒業してからも特別演習でつながっていられるので、アカデミック・アドバイザーの先生からアドバイスをいただけたり、一緒にがんばる仲間と励まし合ったり、司法試験合格に向けてモチベーションを保つことができます。これが重要だったと思いますね。

多治川まさに「ほったらかしにしない、ならない」というのが関大の大きな魅力だと思います。姜くんは現在、アカデミック・アドバイザーを担当してくれていますが、教える側になっていかがですか?

自分たちもこんなふうに管理されていたのかと驚いています。会議で「あいつは最近勉強していません」とか言われていたのかと思うとすごく恥ずかしいです(笑)。2カ月に一度くらいのペースで、アカデミック・アドバイザーと先生方の意見交換会を行っていて、各学生の現状報告や、模試の結果などについて話し合っています。これほど徹底的に一人ひとりの状況を詳細にチェックするのかと本当に驚きました。関大の法科大学院の教育システムはすごいなと思って…。

弁護士の先輩から学べるのが魅力 須貝さん
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TOPICS 4 司法試験について

苦しい思いを乗り越えられたのは、
苦楽を共にした仲間がいたから。

多治川皆さんが苦労した司法試験では、どのような経験をされましたか?

私は比較的成績が良かったので、自分は優秀だと思い込んでいましたが、三度の不合格を経験しています。知識を詰め込めば合格できると勘違いしていましたが、司法試験では読み手に伝える答案作成能力が必要でした。三度目の不合格で自分にはその視点が欠けていることに気が付き、「伝わる答案」を作成するための勉強に切り替えたおかげで、四度目の試験で合格することができました。

向井姜くんが言う通り、慢心すると怖いところがあって、私たちはあくまで法律家なので、いろいろな意見を踏まえた上で結論を出すべきです。自分の答えが正しいと思うのではなく、たくさんの人の意見を聞き入れる柔軟な姿勢は、法律家に欠かせない資質だと思います。

宿谷そういう意味では、関大の法科大学院で私と姜くん、須貝くんはいつも一緒だったので心強かったですね。自習室には必ず誰かがいるので、お互いに意見を出し合い、時には励まし合いながら勉強することができました。

須貝法科大学院卒業後、私は家で勉強するつもりでしたが、一人だとどうしても不安になります。関大に行けば、宿谷くんも、姜くんもいるので、情報交換しながら勉強できたのは本当に励みになりました。

宿谷私も三度の司法試験を経験していますが、挫折を経験して落ち込んでいた時に、もう一度がんばろうと思えたのは、一緒にがんばっていた仲間がいたからです。自分一人では立ち直れなかったと思っています。

苦しい時に仲間が支えに 宿谷さん
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TOPICS 5 後輩たちへのエール

志を持って法曹を目指す人を
関大一丸となってバックアップ。

多治川最後に、これから法曹を目指す方々に、皆さんからメッセージをお願いします。

杉島私は弁護士会で子どもの権利委員会に所属し、虐待を受けた子どもたちを保護する活動や、少年院に入っていた少年の社会復帰を支援する活動などに取り組んでいます。社会で弱い立場にある方々のお力になれることは、弁護士として大きなやりがいです。ぜひ、皆さんも社会貢献に力を尽くしてほしいと思います。

向井僕が国選弁護人として担当した事件で、裁判所への異議が認められて、ある方が勾留されて数日で釈放されたことがありました。自分が大学生の頃から培ってきた法律学の知識が、人の一生の岐路でお役に立てたことで、弁護士という仕事の素晴らしさを感じました。皆さんも、ぜひ、熱心に法律学を学んでください。

法的紛争が解決するまで、依頼者は大きなストレスを抱えます。弁護士として、最初に解決の方向性を示すことで依頼者のストレスを軽減し、更に紛争を解決することでストレスを取り除く、ということを意識するようになりました。法律学の知識を駆使して解決方法を模索することは、弁護士という仕事の面白さです。

須貝弁護士になって思うのは、人と出会う機会が増えたことです。法律は人と人との関係を規律するルールなので、仕事を通じて、ご縁がつながります。多くの人々との関係から、自分の新しい側面に気づくことも多く、人間的に成長できる魅力的な職業です。ぜひ、多くの方に法曹を志望してほしいと思います。

宿谷法律学は、実践的な生きる知恵、術(すべ)として有意義な学問です。そして、法曹を目指すには、多くの時間をかけて勉強する必要があります。時には議論し、時には励まし合って、修業時代を共有することで、信頼できる生涯の友人との人間関係を形成できたことは、私にとって何よりも大きなことだと思います。

小松関大の魅力は、こうして卒業後も人と人とのつながりが続くところです。自分が学生時代に法曹の先輩方に親身にお世話になったから、今度はアカデミック・アドバイザーとして後輩の指導に力を尽くす、といったことが連綿と続く伝統となっています。私たち関大法曹会も、奨励賞などでがんばる学生を応援しているので、これから法曹を目指す皆さんもぜひ関大ファミリーの一員として盛り上げていってほしいと思います。

多治川本日はどうもありがとうございました。

一同ありがとうございました。

人の役に立つ仕事をしたい 向井さん
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CAST

小松 陽一郎 先生

小松 陽一郎先生

弁護士、関西大学理事

多治川 卓朗 先生

多治川 卓朗先生

関西大学法科大学院教授

須貝 信之丞 弁護士

須貝 信之丞弁護士

(千里山法律学会出身、関西大学法科大学院卒、関西大学アカデミック・アドバイザー)

杉島 健文 弁護士

杉島 健文弁護士

(法律相談所出身、慶應義塾大学法科大学院卒)

姜昌 勲 弁護士

姜 昌勲弁護士

(関西大学法科大学院卒、関西大学アカデミック・アドバイザー)

向井 雄紀弁護士

向井 雄紀弁護士

(大阪市立大学法科大学院卒、大阪市立大学アカデミック・アドバイザー)

宿谷 昌広弁護士

宿谷 昌広弁護士

(関西大学法科大学院卒)