現在、関西大学第一高等学校ではインターンシップ2010を実施しています。事前講座も修了し、7月16日より順次、それぞれの実習先でのインターンシップが始まっています。 一高生たちは受け入れていただいた企業・団体・学校でどのような就業体験を行っているのでしょうか。 生徒たちが書いた「実習日誌」・「実習報告書」をもとにその様子をのぞいてみましょう。 ―「実習日誌」「実習報告書」より― 実習先: 朝日新聞大阪本社 実習期間: 7月21日(水)~7月22日(木)(2日間) 実習人数: 4名 実習内容: インターンシップ1日目 10:00~ 朝日新聞南玄関集合 事前の宿題の確認 記念新聞用の写真撮影 10:15~ 会社案内のビデオ鑑賞 10:40~ 朝日新聞社の仕事の話(富永さん) 11:45~ 社員食堂で昼食、休憩 12:30~ 編集局~印刷工場見学 13:10~ 編集局内の編集センター 校閲グループなどを見学 13:30~ 休憩 14:00~ 取材体験 14:40~ 取材記事作成 15:30 1日目終了 インターンシップ2日目 10:00 朝日新聞南玄関集合 10:05~ パソコンで新聞作成 11:50~ 食事休憩 12:45~ 宿直室など見学(弘末さん) 13:30~ 新聞作り仕上げ 15:10 新聞完成 15:15 贈呈式 15:30 2日目終了 ―インターンシップを通して感じたこと・学んだこと― まず見学では普通は入れないところなども見せていただいた。朝日新聞社のビルの中には色々な職業の方がいて驚いた。また新聞作りの方は締め切りの時間よりも少しオーバーしてしまい、残念だった。実際の新聞では作るのが遅れるということはあってはならないので、記事を作成されている人たちにも感心した。 今回の取材にあたった西堀さんは、こちらの質問にも丁寧に答えていただいて助かった。取材が終わった後、朝日新聞の方から「メモをとる量が少ない」と指摘された。自分ではしっかりととっているつもりだったが、本職の方が見るとまだまだ足りないようだった。(2年生 男子生徒) 新聞記事を作るのに必要なことがらを何から何まで教えていただいた。そして記者の方が24時間ずっと忙しいということを知りました。また一般の社内見学では入れないような場所にまで案内してもらいました。社員の方々が24時間働ける設備が整っていて驚きました。毎日、自宅へ届く新聞がどれだけのご苦労があるかを痛感しました。(2年生 男子生徒) 最初、事前に宿題があるとわかったときは面倒だなあと思っていたが実習が始まるとあっという間だったように思う。実際に新聞が完成したときは達成感がありとても楽しかった。 私が新聞を作る中で冨永さんから聞いた話のうち特に印象に残ったことが二つある。一つはきれいな文章と上手な文章の違いだ。新聞記事は書き手の言いたいことが読者に伝わらなければならない。自分ではかっこよく華麗に書けたと思っても読者に伝わらない場合がある。そこで新聞ではそのような文章よりわかりやすい文章、つまりきれいな文章が大切になる。新聞では読者に伝えるということが一番なのだ。 もう一つは自分ではベストでなくても時間内に仕上げなければならないことだ。新聞は読者の元に届きられて初めて意味を成す。そのためには一定の時間内に仕上げなければならない。もちろん最低限守らなければならないラインはある。記事作りでは時間内でどこまで良いものがかけるかが重要となる。 この実習を通して、新聞の見方が変わったように思う。記事の性質を知ったからだ。見出しにはそれだけで大まかな内容がわかるように情報が詰め込まれている。新聞作りでは見出しについて文章よりも指摘を受けた。また、記事は大事なことが先に書かれている。編集で削るときに後ろから削れるようにするためだ。これから読むときに注意したいと思う。(2年生 男子生徒) ―取材させていただいた西堀峯夫様よりメッセージが届きました― 関大一高実習生徒の皆様へ 連日の体験学習お疲れ様でした。 日頃何気なく読んでいる新聞を自らインタヴューして文章にまとめ、編集し印刷して新聞を作成する事の大変さを身をもって体験されました。大変良い体験をされた事と思います。そしてご指導された方々に感謝し、お疲れ様でした。 皆様の作られた新聞を読ませて頂き、その出来栄えに感心させられました。皆様一人ひとりの個性が反映され、ほんの短い時間しかお付き合い出来ませんでしたが、皆様の作られた紙面には 夫々の方の人柄が手に取るように分かります。 皆様は同じように私の拙い話を聞かれましたが、異なった観点からそれぞれ感じられたポイントを的確にまとめられ、表現されていました。この事から 現実に起こっている事を如何に正確に読者に伝え、考えて貰える様な新聞紙面に仕上げる事への表現力と責任と痛感された事と思います。 同じ事実を伝えるにしても、ある程度自分の感性を盛り込む事も大切で 今回の体験で仕上げられた紙面に良く表現されています。個人的意見をあまり前面に出す事は新聞の公共性から問題はありますが、表現を変える事でその少しを伝える事は出来ると思います、記事を描く方の智恵と創意工夫でより良い記事にする事は可能ではないでしょうか。 今後も新聞を何気なく読むのではなく、この様に作り手の気持ちを汲みながら読む事は大変興味深く大切ではないでしょうか。この体験で得たものは決して新聞作成だけの事ではなく、全ての仕事に共通する体験だと思います。 今後もこの体験を元に考えて、又 西堀榮三郎の遺してくれた数々の体験談を参考にされ、楽しく勉強ができ、大いなる夢を持って夫々の人生を送って頂ければ嬉しく思います。 ≪ レポート一覧へ戻る ≫ |
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