河内国府遺跡里帰り展
関西大学では本年4月より、文部科学省の補助を得て、オープン・リサーチ・センター「なにわ・大阪文化遺産学研究センター」が発足しました。これは考古学資料室にはじまる関西大学博物館の伝統を受け継ぎながら、歴史のゆたかな大阪地域に現在も生きる文化遺産を発掘・評価し、文化資源として活用する途( みち)を探ろうとするものです。そのためには開かれた研究組織として、文化遺産を育てはぐくむ地域社会や自治体、地域の資料館、NPO 法人などとの連携が重要であり、とりわけ地域の寺院・神社との連携は欠かせません。 さいわい道明寺天満宮(宮司南坊城充興氏)には、いち早く、このようなセンターの構想に深い理解を示され、このたび、地域連携企画「河内国府遺跡」里帰り展が実現することとなりました。 「河内国府遺跡」は大正6(1917)年〜 10(1921)年にかけて、当時、大阪毎日新聞社主であった本山彦一氏をスポンサーとして発掘されたもので、旧石器時代の優れた遺物が多数発掘されました。そして、発掘された遺物は、戦後、関西大学考古学資料室(現博物館)に寄贈されました。発掘品のうちケツ状耳飾り6 点やその他縄文土器などが、重要文化財に指定されています。 河内国府遺跡発掘のきっかけは郷土史家による石器の収集といわれています。発掘調査は、道明寺天満宮を事務所として行われ、遺物の一部は同社の宝物として収められています。その意味で、河内国府遺跡は、藤井寺市をはじめ南大阪の人々にとって忘れがたい遺跡です。 このたび、これらの発掘品が、80 年余ぶりに、発掘現場に近い道明寺天満宮に里帰りいたします。 また、道明寺天満宮には、数点の渡唐天神像が所蔵されていることがよく知られています。道服を身につけ、梅の枝を手にして立つ渡唐天神像は、詩禅一致を目指す五山の禅僧によって1400 年前後に創作された話で、その内容は、菅原道真が、夢の中で中国の無準禅師に参じて、一夜にして印可を得、梅一枝をもって帰ったという伝承に基づいています。 天神画像としては異色の存在で、荒唐無稽な話ながら、その画像は中世以降広く流布しました。そこには、外来思想である禅を日本に根づかせ、日本化させるという意図があったと思われます。 今回は、これらの発掘品や渡唐天神像の展示とあわせて講演会も開催いたします。 この機会に、地元にゆかりのある文化遺産に触れていただければ幸いです。市民の皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。 日 時 : 平成17 年10 月22 日(土) 会 場 : 道明寺天満宮天寿殿 ※ 当日、会場案内が門前に掲示されます 展 示 ●午前9 時〜午後5 時 午前10 時と午後4 時にそれぞれ展示解説を行います 講 演 ●午後1 時00 分〜 3 時30 分 「渡唐(ととう)天神図について」 長谷 洋一氏(関西大学文学部助教授:日本美術史) 「河内国府遺跡の意義と遺物」 米田 文孝氏(関西大学文学部教授:考古学) 主 催 ●道明寺天満宮 関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター(関西大学博物館内) 後 援 ●藤井寺市教育委員会 入場無料(当日受付)
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