博物館情報庫

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羽間コレクション
2009.02.17

紺糸威桶側鋲留腰取五枚胴具足

こんいとおどしおけがわびょうどめこしとりごまいどうぐそく
(浅野(あさの)忠義(ただよし)銘(めい) 江戸時代元禄元年)

広島藩主浅野氏の家老職にあった四代三原城主浅野忠義の着領としてつくられた具足。五枚からなる胴部には金(きん)象嵌(ぞうがん)をほどこすなど、総体的にじつに精緻な作域を示しており、いかにも着用者の地位にふさわしい豪華な具足である。ただ、六十二間(けん)星(ほし)兜(かぶと)だけが当初のものでないのがまことに惜しい。頬(ほお)当(あて)にある銘文(めいぶん)と具足櫃(びつ)の墨書から、元禄元年(1688)、海野信公が広島城下の鍛冶や飾金具の名工たちに命じてつくらせたことがわかる。