博物館情報庫

博物館情報庫

考古(本山)海外・参考資料
2010.04.17

エジプト神像と護符(エジプト)

エジプト神像(エジプト) 護符(エジプト)

えじぷとしんぞうとごふ(えじぷと)


 古代エジプトの慣習として、人形類が墓に副葬された。日本の埴輪のように、殉死者の代わりをつとめたものもあった。その材質も目的も多様で、薄いブルーの小人形は、ファイアンス(ガラス質の陶器)製の「ウシャブティ」人形である。
 「ウシャブティ」とは「答える人」という意味で、来世において墓主(死者)の代わりに労働をうけもち、監督者が毎朝仕事始めの点呼をするときに、墓主に代わって返事をすることからきている。
 エジプト語で護符にあたる言葉は「サ」で、本来「保護」とりわけ「魔よけ」を意味した。本資料の護符には、ヒヒやジェドとよばれる柱のひながた、またバステト女神の化身である雌猫がある。背部に小さな穴が開いており、人びとはここに紐を通して身につけていたのだろう。