在学生の方 For current students
とにかく動いてみよう!

国際部長からすべての関大生へメッセージ
日本人のパスポート保有率は17%で、Z世代を対象とした調査でも30%を下回っているという。もちろんCOVID-19の影響もあるかもしれない。しかし、この数字は諸外国と比べるとかなり低い。また、これがCOVID-19の影響だとすると、それが薄れた2022年あたりからは反転するはずだが、どうも横ばいの状態のようである。そして、さらに憂慮すべきは、海外で働きたいと答えた日本人Z世代の数。こちらも海外と比べるとかなり低いそうだ。
でも、よく考えると当たり前かもしれない。日本にいれば、何も不自由することがない。治安も比較的よいし、何でもコンビニで手に入る。友達もいるし、ご飯もおいしい。同じような考え方の人も多いし、世界の様子を知りたければ、クリック1つでバーチャル体験もできてしまう。そう考えると、高いお金を払い、友達と離れ、長いフライトに耐え、よく分からない国に行き、知らない人たちと交流し、口に馴染みのないものを食べ、犯罪に巻き込まれないかと心配しながら暮らすのは割に合わない、と判断するのも当たり前かもしれない。
しかし、それでよいのだろうか。日本の人口は減少し、国内だけを相手にしていては経済が立ち行かない。そもそも、毎日目にしている商品や、口にしている食べ物の海外依存度も高い。様々な社会問題も、諸外国の利益や文化などが交錯し、日本だけで解決するこができない。多様性が大切だというけれど、同じ考えの人間が集まっていては、何もブレイクスルーはおこらない。今の日本は、もうI’m toast. と詰んでいる状態なのに、居心地がよいからそのままにしている、いわば「(ぬるま湯の)ゆでガエル状態」なのかもしれない。
じゃあ、どうしたらよいのだろうか。私のお薦めは、いろいろと考える前に、まずは動いてみること。その行動の対象の1つが、関西大学の提供する海外留学(奨学金等の支援も手厚い)。これを利用して、とにかく海外へ出てみよう。その上で、もう嫌だ!というのは自由だ。でも、何も体験しないのに、想像で問題点を列挙し、尻込みするのは残念すぎる。動いてみると、きっと今、皆さんが想像している何倍も、いや何十倍も、選択肢が拡がっていくはず。まずはパスポートを取って、海外留学をして、ぬるま湯のゆでガエル状態から脱却してみよう。好き嫌いの判断はそれからでも決して遅くない。