民主主義の再生と「公共圏」研究班
民主主義の再生と「公共圏」研究班
Renewal of democracy and the "Public Sphere” research group
研究テーマ
共通の「空間」と「事実」の喪失により「自壊」状況にある民主主義を再生し「公共圏」論の開拓を目指す研究
Research on aiming to revitalize democracy, which is in a state of "self-destruction" due to the loss of common "space" and "facts", and to pioneer the theory of the "public sphere".
研究期間
2025年4月1日~2027年3月31日(2期目)
研究班紹介
民主主義の「自壊」とも言うべき状況が生じている。第1に、共通の「空間」の喪失である。個人をつなぐ関係性(地域団体(自治会、町内会、婦人会、青年団)、同業者団体(農業団体、労働組合、商工業団体)、NPO、伝統的な政党等)が失われ、「個人」が「孤人」へと変質してしまっている。こうした社会の変容は、既成の団体・政党・政治を批判し、無党派層・無組織層の支持を集めるポピュリズム政治の台頭を可能にしていると指摘されている。第2に、共通の「事実」の喪失である。公文書の改ざん・隠蔽・破棄により事実に基づいた議論が成立しなくなり、国会では不誠実な答弁により議論自体が意味を持たなくなるという雰囲気まで生じている。また、「ポスト真実」と呼ばれる状況や「フェイクニュース」の氾濫により、何が真実かさえも気にしなくなる傾向が生じ、社会の分断を後押ししている。
本研究は、民主主義の再生の途を探るべく、国家や社会における様々な諸課題と向き合う逞しい「公共圏」論を開拓することを目的とする。「公共圏」論は、政治領域における制度的決定それ自体とは区別される、自由で自律的な市民社会での公論形成を対象とする研究である。民主主義国家の存立を可能とするのは、この「公共圏」の存在である。本研究プロジェクトは、「公共圏」の多様なアクターに着目し、国家や資本の力によって歪められることのない自由な空間の可能性を追究する。

WIN

エルライブラリーメダル

映画従業員組合旗

資料庫

大阪社会労働運動史

中江資料
メンバー紹介
主幹Chief Researcher 主干
広瀬 義徳
Yoshinori HIROSE
广濑 义德
文学部教授
Professor, Faculty of Letters
文学部教授