第97号 世界自動車工業誌 ―1999〜2000― (2001. 9.30)

要約

21世紀における世界の自動車工業界の相関図はどのようなものになっているのであろうか。私は、今の処、これまで同業界が歩んできた延長線で進んでいくと考えている。しかしそれにしても、最近の国境を越えた資本参加、合従連衡、戦略的提携の大々的かつ急速な動向は、まさに「凄まじい」としか表現のしようがない。

『世界自動車工業誌―1999〜2000―』は、『調査と資料』(第97号)の一環として出版を許可されたものである。私は歴史認識の重要性を座右に置き、客観的・具体的事実を収集しその事実の底に一貫して流れている法則性を解明したいと願って作成してみた。

自動車業界は単一にして最大の原材料消費産業という性格上、他産業に与える影響が大きい上に、今日、社会的関心を集めている環境や安全の問題に関しても「現代資本主義の指標」「総括」と言っても過言ではないほどの波及効果をもっていることを実証できたと感じている。