第90号 日本・ロシア学生意識調査報告書 (1998. 3.31)

要約

価値意識研究班(共同研究テーマ「価値意識の変容と政治経済システム」)は、1996 年9月18日からの1週間、イルクーツク経済大学(イルクーツク国立経済アカデミー)の協力を得て、市場経済への転換の渦中にあるロシアの現状を視察した。と同時に、日本とロシアの学生の結婚観、仕事観、大学生活、職業生活、宗教、社会問題、自国認識などに関する価値意識を比較するために、関西大学経済学部生とイルクーツク経済大学学生に対し、同一内容のアンケート調査を行った。

調査票の作成ならびに調査結果のまとめに際しては総理府の『第5 回世界青年意識調査報告書』(大蔵省印刷局、1994年)を参照したが、本調査は、日本とロシアの学生を対象としている点や、日本、ロシアそれぞれの現状と将来についての両国の学生の興味深い記述回答を含んでいる点で、独自の意義を有している。ロシアについては政治経済システムの転換が学生の価値意識にどのように投影しているかを知る有用な資料でもある。

第89号 ロシア・イルクーツク調査報告書 (1998. 3.31)

I ロシア人の価値意識―イルクーツク調査行・概要― 橋本昭一 研究員
II ロシアの経済と教育(座談会) 森岡孝二 研究員
III ロシア社会経済事情雑感 若森章孝 研究員
IV 旧ソビエト連邦・ロシア連邦における高等教育と社会意識の変化 岩田年浩 研究員
要約

1996年9月にロシア共和国東シベリア州イルクーツク経済大学でおこなった、調査を、帰国後各自の研究テーマに関連した視点からとりまとめたもの。Iは、調査期間中の行動記録であり、その中で経験したロシア人の行動パターンの特徴を印象記風に書き留めたもの。あわせてこの報告書の調査概要となっている。IIは、調査期間中の一晩、ホテルのレストランで行った日本語を話せるロシア人経済学徒との懇談を、座談会として整理したもの。IIIは、レギラシオン「学派」の方法から、ロシアの社会経済の現在的特徴をまとめたもの。IVは、ロシアの高等教育機関での経済学教育の内容や制度の変化を、旧ソ連時代と比較対照した研究論文。