第88号 証券化問題調査報告書 (1997. 3.31)

I グローバル化における証券市場の現状と活性化への方向
―東京その他の合同調査等を踏まえて―
守谷基明 研究員
II 上海経済の発展と証券化 小谷節男 研究員
要約

証券化問題研究班は、この4年間に国内では、地域経済の開発発展著しい北九州地区と、本社機能が集中し、また情報発信地でもある東京・大阪、国外では中国(上海)と台湾(台北)へ赴き、証券化の進展状況と問題点についての実態調査を行った。これらの合同調査によって、各研究員はそれぞれの専門的視角からも極めて有益な情報、資料を入手することができた。

本「調査と資料」では、国内・国外の全般的な証券化の動向についての調査結果と資料紹介は守谷研究員によって、中国上海経済と証券化の動向についての調査と資料紹介は小谷研究員によるものである。なお、中国と台湾の証券化関連資料は「研究双書」にも掲載している。

第87号 創造型適応企業調査報告書 (1997. 3.31)

I 創造型適応企業の分析枠組み 小松陽一 研究員
II 創造型適応企業の分析
―パソコン関連産業の実態調査を通して―
黒葛裕之 研究員
調査企業関係資料  
要約

本書は、筆者達が過去2年間にわたってたずさわってきた調査・研究の成果の一端である。創造型適応組織研究班では、当初から実態調査をその研究計画に織り込んでいた。実態調査に基づく研究は、最も共同研究に向いていると考えられるが、筆者達が、実態調査・研究の対象に選択したのはパソコン業界であった。その理由は、単に筆者達が所属する学部に関連の深い業界であるというばかりではなく、「情報化」「ネットワーク化」「マルチメディア」といった現代社会を理解するための主要なキーワードのいずれにも関連しているからである。パソコン業界に関する集中的な文献研究からも得ることは多かったが、実態調査から筆者達はより多くのことを学んだ。とりわけ創造型適応企業の多様性には強い印象を受けた。今後、追加調査によってこのような多様性の拡がりを確認すると共に、統一的な分析枠組みをより堅固に構築することが今後の課題である。