西欧法学との邂逅研究班
西欧法学との邂逅研究班
Encounter with European legal studies
研究テーマ
近代日本法学における基礎法学の導入と成立
The introduction and establishment of fundamental legal studies in modern Japan
研究期間
2025年4月1日~2027年3月31日(1期目)
研究班紹介
本研究班では「西欧法学との邂逅」と題し、明治期以降のわが国で基礎法学や法の基礎理論がどのような形で受容され、大学カリキュラムや実務の中に位置づけられていったか、という学史研究を主題とする。草創期における西欧法学の受容については、穂積陳重『法窓夜話』等による時代の証言者としての記録がある。しかし今日、学の受容・成立史研究については、実定法学各部門の法学史となり、実定法学相互の関連性を意識した総合的な視点からの研究は余り強いとは言えない。本研究班は、個別の実定法学史に埋没することなく、日本法学史全体を見据えた総合的な視点から、基礎法学や実定法の基礎理論が明治以降の日本において、いかに受容され、成立したか掘り起こすことを目的とする。
具体的には、(1)法哲学の部門では、法理学と法哲学という名称問題に焦点を当てた、日本における法哲学ないし法理学受容の研究、(2)ローマ法学の部門では、ローマ法法文の邦訳事業という観点からの日本における「ローマ法継受」の研究、(3)日本法史の部門では、私学における法制史教育が確立していく過程研究、(4)法社会学の部門では、「権利濫用の禁止」の法理をめぐる日本人の法意識の実証的検討をそれぞれおこなう。
いずれも近代における日本人・日本法学の、西欧法学との摩擦と受容過程を明らかにするもので、西欧法を受容した日本法学のアイデンティティを明らかにするものであることをめざす。
メンバー紹介
主幹Chief Researcher 主干
木原 淳
Jun KIHARA
木原 淳
法学部教授
Professor, Faculty of Law
法学部教授