刑事立法の日韓比較研究研究班
The comparative research of Japan and Korea on the criminal legislation

2025年4月1日～2027年3月31日（1期目）

　最近の立法状況として、刑法においては、不正指令電磁的記録作成罪の新設、過失運転致死傷罪の罰則強化、危険運転致死傷罪の対象拡大などがあり、さらに、サイバー犯罪やテロ犯罪の国際化によって立法が求められている。刑事訴訟法においても、リモートアクセス、保釈中のGPSによる電子監督が導入されたが、パソコンや携帯電話などの記録媒体を押収する方法の他にデータ自体を獲得する捜査方法の導入、証人尋問等の対面手続のオンライン化など、刑事手続のIT化のための立法が進められている。刑事政策においても、仮釈放とGPSによる電子監督、刑事施設内の処遇のあり方、責任無能力者の医療と処遇の問題などがある。韓国においても状況は同様と考えられ、日韓における立法状況及び立法の背景事実について比較研究を行う。また、すでに立法学として議論されている対象と刑事立法学の対象との関係、刑事立法学と刑事解釈学との関係など、刑事立法の規律についての理論的枠組についても研究する。