Expert’s Eyes

　私は、英米法・比較法による情報法・企業関係法研究により法学博士号を取得しました。その後、競争法、公益通報者保護法、贈賄禁止法、ハラスメントなど、企業コンプライアンスにおける重要テーマに研究対象を広げ、またコーポレート・ガバナンス研究から企業の社会的責任論（CSR）にその研究領域を拡大しました。本学着任後は、防災分野との学際研究から、企業の危機管理とBCP（事業継続計画）に領域を広げ、現在に至ります。
　近年、製品事故や品質偽装、情報流出事件など、様々な企業不祥事が発生し、安全・安心な社会を脅かしています。これらの問題はコンプライアンス研究の対象ですが、法学だけでは解決できず、経営学やCSRなどとの学際研究から最適解を導き出さなくてはなりません。私は、法学に軸足を置いて「学際研究」を行うことで、これらの問題の最適解を探求するとともに、企業経営のあるべき姿を提言しています。

注目ファイル

１． 現在役職を務めている学会・学術団体：
日本経営倫理学会 常任理事、クライシスマネジメント研究部会長（主査）、情報ネットワーク法学会 監事、経営倫理実践研究センター（BERC）理事・上席研究員、日本リスクマネジメント学会 理事、ソーシャル・リスクマネジメント学会 理事、堀部政男情報法研究会 監事、情報法制研究所 参与、日本DPO協会 顧問などを兼務し先端研究を行っている。

２． 社会的活動（現在の主な兼任と役職）：
株式会社アデランス 社外取締役、公益財団法人 ベネッセこども基金 評議員、西日本旅客鉄道株式会社 グループリスクマネジメント委員会 社外委員、兼アドバイザー、西日本高速道路株式会社 コンプライアンス委員会 委員、株式会社久米設計 経営監査委員会 委員長、神戸市 行政データの利活用に関する有識者会議 委員などを兼任し、研究成果の実践に努めている。

３． 歴任（過去の主な兼任と役職）：
関西電力株式会社 経営監査委員会 委員（2014～22年）、中外製薬株式会社 アドバイザリーコミッティ 委員（2016～23年）、神戸市 個人情報保護審議会 委員（2016～23年）、神戸市 制度審議会 委員（2021～23年）、その他、経済産業省 製品安全広報検討委員会 委員長、経済産業省 個人情報保護法ＱＡ検討会 委員、情報ネットワーク法学会 ネット社会法務研究会 初代主査などを歴任。

４．受賞歴：
・2008年 日本リスクマネジメント学会優秀著作賞を受賞（受賞作は拙著『情報法コンプライアンスと内部統制』）。 ・客員教授を務めていた名古屋商科大学大学院（MBA）において｢授業調査で極めて高い評価を得て他の模範となった教員｣に贈られる『ティーチング・アワード』を４年連続受賞（2013、2014、2015、2016年度）。 ・関西大学 髙野ゼミは、日本経営倫理学会インゼミ事務局主催 ｢CSR構想インターゼミナール｣において2014年・2017年に優秀賞（第2位）、2016年・2021年・2023年に第3位を受賞。
４． 主要著書：
・日本経営倫理学会編『経営倫理入門 -サステナビリティ経営を目指して-』（文眞堂、2023年） ・関西大学社会安全学部編『検証　COVID-19災害』（ミネルヴァ書房、2022年） ・上田和勇編著『復元力と幸福経営を生むリスクマネジメント』（同文舘、2021年） ・関西大学社会安全学部編『リスク管理のための社会安全学』（ミネルヴァ書房、2015年） ・関西大学社会安全学部編『防災・減災のための社会安全学』（ミネルヴァ書房、2014年） ・堀部政男編著『プライバシー・個人情報保護の新課題』（商事法務、2010 年） ・髙野一彦『情報法コンプライアンスと内部統制第2 版』（ファーストプレス、2008 年） など多数。

略歴

2007年（平成19年） 3月　
中央大学 大学院 法学研究科 国際企業関係法専攻 博士後期課程修了　博士（法学）中央大学 1992年（平成 4年）11月　
株式会社福武書店（現、ベネッセコーポレーション）入社　（～2010年3月） 2007年（平成19年）12月　
名古屋商科大学 大学院 マネジメント研究科　非常勤講師（兼任） 2008年（平成20年）10月　
名古屋商科大学 大学院 マネジメント研究科　客員教授（兼任） 2009年（平成21年） 4月　
名古屋商科大学 大学院 マネジメント研究科　教授（兼任） 2010年（平成22年） 4月　
関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科　准教授 2012年（平成24年） 4月　
関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科　教授 2014年（平成26年）10月　
関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科　副学部長・教授　（～2016年9月）