東日本大震災緊急シンポジウム:河田惠昭 教授の講演概要を掲載しました

3/30(水)に関西大学高槻ミューズキャンパスで開催する「東日本大震災に関するシンポジウム」におけるパネリストからの講演概要(各テーマごと)を掲載します。
講演概要は開催当日までに1日1テーマを予定に更新していきます。

② 「 巨大複合災害としての東北・関東大震災 」 河田惠昭 教授

この震災の最大の特徴は、死傷者を数える都道府県だけでも、北は北海道から南は関東地方に至る11にわたり、わが国の災害史上最大の被害面積を有するスーパー広域災害になったということです。 しかも10mあるいはそれ以上の津波が来襲した被災地では、ほぼすべての社会インフラが被災し、被災者は住宅をはじめほぼすべての財産が津波によって広範囲に散乱して、住宅の跡地さえわからない状態になっています。 その上、この震災によって惹起された福島県の原子力発電所の被災は、巨大複合災害となって、被災地全域のみならず、わが国の各地域で大きな影響を与えています。
ところが、被害の大きかった岩手県や宮城県の被災者には、原子力災害の実態がほとんど伝わらずに、もっぱら地震と津波災害対応が進められています。 しかも、津波による全壊・流失を免れた鉄筋コンクリート造の小中学校などの指定避難所を除き、多くの被災者の避難所は遠く離れた地域に設置されています。
このような状況は阪神・淡路大震災とは異質のものです。本報告では、政府・自治体の災害対応の実態といま必要な被災者支援について紹介します。

【その他の講演概要】
① 「 原子力発電所の被災とその影響 」小澤守 教授