関西空港の安全 ブノア・リュロさんに聞く
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7月24日に関西エアポート株式会社代表取締役副社長のブノア・リュロ副社長にお話を聞き、実際に2018年の台風21号を踏まえた自然災害に対する対策を関西国際空港へ見に行きました。
まず、関西エアポート株式会社とは関西国際空港(KIX)、大阪国際空港(ITAMI)、神戸空港(KOBE)の運営を行っている会社でオリックス株式会社とフランスのVINCI Airports(ヴァンシ・エアポート)を中核として設立された会社です。フランスのヴァンシは、空港の運営事業で世界最大の企業です。
関西国際空港や大阪国際空港は私自身が飛行機を利用する際に利用する空港なので、非常に興味深い気持ちで参加をしました。私は空港の様々な国の人々が交錯する雰囲気、今から日常とは大きく異なる場所へと旅立つことを楽しみにしている人や旅を楽しみつくした人がいる空間、プロフェッショナルな方々がきびきびと働いている状況など、とにかく様々な人、感情が交わる空港の雰囲気が非常に好きです。しかし、お話を聞いた後にはその裏に運営会社が安全を確保してくれていることがあって、成り立っているのだなと実感しました。

ブノア・リュロ副社長からのお話では、平常時のリスクとしては飛び立つ航空機以外に滑走路に航空機が侵入しぶつかることや関西国際空港が埋め立て地であるため地盤が少しずつ沈下していることなどお話を聞きましたが、その中でも自然災害に関するお話が興味深く感じました。2018年の台風21号で関西国際空港は橋げたに船がぶつかることや海水が空港内に侵入し浸水することなど大きな被害を受けました。その中でも、空港の西側から海水が侵入してきたことは想定外だったと仰っていました。対応の一つとして、浸水してきた水を抜いた時には魚がたくさんいたというお話は多くの水が侵入してきたことを非常に感じ取ることができました。他にも、コロナ禍においては航空機の座席に荷物を置いて運行していたことや、空港に店にも給付金関係で店員の方々が各店舗に1人はいたこと、関西エアポート株式会社自身はマネジメント業務があったためコロナ禍でもやることがあったことなど様々な面白い話を聞かせていただきました。

その後、実際に空港内で1.5mかさ上げした防波堤や一番お金を投入したという電気関係を地下から地上の高い位置にした建物を見ました。防波堤の中にさらに侵入してきた海水を収める場所があり、また、テトラポットが配置されていました。また、かさ上げした1.5mの防波堤が以前からあった防波堤と汚れ具合が大きく異なっていて容易にかさ上げ幅を感じることができました。説明をしていただいた方によると2018年の台風レベルの高さの波以上の想定で防波堤などが作られていると仰っており、かなり万全な状態にしているのだなと感じました。

今回、関西エアポート株式会社の方々からお話を聞き、何においても根底にはリスクに対するマネジメントがあるのだなと改めて感じることができました。