電車教習所の実地調査@博多
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(教員から補足です。西日本鉄道株式会社[以下「西鉄」といいます]のご協力のもと,2023年11月に福岡にある同社の電車教習所で,岡本ゼミ3回生が安全教育の最前線をテーマに現地調査を行いました。その模様です。)
1日目は西鉄の乗務員教育の見学と体験を通じ、鉄道が安全を軸として動いていることを学びました。
この日をきっかけに,私たちが毎日当たり前のように乗車している電車のありがたみを実感しました。
まず、車内での傷害事案発生時への備えです。車内で傷害事件が発生したときを想定した訓練動画を見て,乗務員と運転士は限られた人数の中で、お客様の安全を最優先に行動していることを学びました。(教員注:訓練は実際の車両を使って行われており,そのときの動画を見せていただきました。参加された社員は,詳細なシナリオは知らされない中で「車内で刃物を持った人物が暴れている」という状況に臨機応変に対応することが求められる,本番さながらの訓練でした。)
車掌業務体験では、責任のある大変な作業を,車掌、運転士と限られた人数で実施されていることへの感謝とともに驚きがありました。
実際の車両を使って車掌業務を体験する機会がありましたが,1番驚いたことは、駅に到着するたび手動で開扉と閉扉をするとともに,車掌キーを毎回挿入し、抜去していることです。キーが挿しっぱなしではないことについて会社の方に理由を質問すると「毎回挿入し、抜去という習慣がお客様の安全を守る第一歩である」と答えて下さりました。
(教習所注:駅で扉を閉めた直後に必ず車掌キーでロックをかけ、そのキーを抜き去ることで、走行中は開扉操作ができないようにする手順が定められている)
(教員注:鉄道シミュレーターの操作体験も実施しました。制限速度で走ってホームの所定位置に止める操作だけでなく,駅ホームから人が転落する場面や,走行中に地震発生など様々なシナリオを体験しました。)
そして,鉄道の安全は,
・指差し確認など基本動作の積み重ねで守られており一つ一つの行動に意味があること,
・どうすると安全あるいは危険なのか,それはなぜ危ないのか考えること,
・安全確認は簡単そうに見えて,実行し続けるするのは難しいことを理解すること
が大切なキーワードであると思いました。
この目と耳、からだと頭で感じたことを忘れず電車に乗り,私も人の役に立つ、社会人になりたいと思いました。調査終了後は,みんなでクリスマスマーケットに行って1日目を終えました。
2日目は,博多の公共交通をテーマに現地調査を行いました。
電車の最後尾の車両に乗り、遠目に車掌さんを見ていると,1日目の車掌体験で私がひとつひとつ手順を確認しながらゆっくり行っていた動作を,スラスラとこなされており感心しました。
福岡は,鉄道だけでなくバスも多く走っています。鉄道はもちろん、バスも、地元の方々や、私たちのような観光客の欠かせない移動手段になっているのだと実感しました。
実際にバスを利用すると、バスに関する発見がひとつありました。
福岡ではバス停に人が列を作って並ばないと聞いていましたが、実際そのとおりでした。なぜ並ばないのか、自分なりに考えてみました。福岡はバスの本数が多く、例えば福岡タワーのような有名な所には,大体どのバスでも行けます。このため,「来たバスに乗ればいい」ので,結果的に並ぶ必要がないからではないかと考えました。交通安全が当たり前ではないと改めて気付かされた、また、福岡の交通事情を知ることができた現地調査でした。ゼミ生のみんなとも親睦を深められて嬉しかったです。