「東日本大震災・原子力災害 第二回学術研究集会」に参加しました
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どうもない!学生ブログを閲覧している皆様,こんにちは,奥村ゼミM1の高橋です.
先日,3/19〜3/20にかけて福島県福島市で開催された「東日本大震災・原子力災害 第二回学術研究集会」に参加してきました.奥村ゼミからはM2山崎,M1高橋,B3木俣,B3久世,B3中島の5名がコラッセふくしまにて研究成果を発表してきました.また,研究集会の翌日に,福島県双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館や,震災遺構 浪江町立請戸小学校なども訪問してきました.以下は,発表タイトルの一覧です.
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一般論文(口頭発表)(予稿集)●山﨑健司,奥村与志弘,死亡時期別に見た災害関連死発生プロセスの違い,東日本大震災・原子力災害学術研究集会予稿集,pp.125-126, 2024年3月20日,コラッセふくしま(福島県福島市).
●高橋佑介,奥村与志弘,避難開始の論理的判断と直感的判断の違いを考慮した避難行動開始のタイミングに関する一考察,東日本大震災・原子力災害学術研究集会予稿集,pp.151-152, 2024年3月20日,コラッセふくしま(福島県福島市).
●木俣青波,奥村与志弘,災害関連死による犠牲者を取り巻く関係者に関する検討,東日本大震災・原子力災害学術研究集会予稿集,pp.145-146, 2024年3月20日,コラッセふくしま(福島県福島市).
●久世 真侑子,奥村与志弘,津波避難の判断基準に関する一考察:意識調査と実災害の比較,東日本大震災・原子力災害学術研究集会予稿集,pp.155-156, 2024年3月20日,コラッセふくしま(福島県福島市).
●中島 祝,奥村与志弘,口腔保健問題と災害関連死の問題に関する一考察,東日本大震災・原子力災害学術研究集会予稿集,pp.147-148, 2024年3月20日,コラッセふくしま(福島県福島市).
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テーマが「東日本大震災・原子力災害」と幅広く,普段大学では聴く機会のない分野の発表が多くありました.参加者の年代はかなり幅広く,大学の先生方のみならず,自分たちと同年代の学生・院生や,中には中学生の方もおられました.発表時間は,プレゼン15分,質疑応答5分と,今まで発表してきた中では長めで,現地では活発なディスカッションが行われていました.盛り上がって時間オーバーしたセッションもあったようです.自分たちの発表は2日目のセッションでした.私は学外での発表は3回目で,そろそろ慣れてきたかな,と発表前は思っていましたが,本番ではやはり緊張します.今回の発表は,修士1年で取り組んだ「東日本大震災における津波避難の分析」に関する研究の集大成になりました.
15分と長い発表であったので,いつもよりしっかりと自分の研究を発表する事ができました.質疑応答ではいくつか質問を頂き,議論を交わすことも出来ました.毎度,質疑応答では自分の研究の受け止められ方や,新しい視点・気付き等,とても勉強になります.今回頂いた意見は新年度からの研究に反映したいです.
全セッション終了後は駅近くで晩御飯を頂きました.福島県産の素材を使った福島県の郷土料理,とても美味しかったです.3日目は中通りから浜通りへ移動し,双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れました.ここで,伝承館で避難行動関係の情報を収集する組(伝承館組)と,地元自治体で災害関連死に関するインタビューを行う組(楢葉町組)に分かれました.自分たちは,伝承館組です.
伝承館の館内では,原子力災害を中心とした展示や,語り部の方による講話があります.語り部講話では,最後の質疑応答のコーナーで,自分の研究に関してかなり重要な意見を頂くことができ,大変意義のある時間を過ごすことが出来ました.
原発事故に関する展示では,3週間ほど前,実際に関西電力の美浜原子力発電所を見学していたことから,展示に対して「なるほど,この時はあの施設が...」と,よく理解できました.(福島第一は沸騰水型,美浜は加圧水型などの違いはありますが...)
震災のこと,事故のこと,復興のこと,そしてこれからの未来についてのことを考える入り口として,伝承館はとても良いきっかけになります.皆様も是非訪ねてみてください.
伝承館の見学後は,楢葉町組との合流まで少し時間が会ったので,伝承館直ぐ側の双葉町産業交流センターにて昼食を頂きました.昼食後は,海岸沿いまで少し散策しました.楢葉町組と合流した後は,震災遺構 浪江町立請戸小学校を訪ねました.請戸小は,津波で大きな被害を受けたにも関わらず,児童生徒・教員全員が無事避難することができたことでも知られています.
請戸小は被災当時のようすがほぼ手つかずの形で残されており,東日本大震災での津波の威力を目の当たりにすることが出来ます.
3ヶ月前に,岩手・宮城の沿岸部を訪ね,沿岸市町村の復興状況などを視察してきました(その時のブログ記事はこちら).今回はそれに続けて福島県の被災状況や復興状況などが見られたことで,東北3県の温度感をようやく実感することができたように思います.前回の繰り返しになりますが,やはり現地を見ることは防災・減災を行っていく上でとても大切です.
今年は元日から地震が起き,津波もありました.東北3県を実際に回って得た学びを,能登半島地震でも活かせるよう,ひいては来る南海トラフ巨大地震でも活かせるよう,大学院での研究を頑張りたいと思います.
(文責:奥村ゼミM1 高橋)
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こんにちは,楢葉町組の木俣(3回生)です.
関連死について研究している大学院生の山崎さん,そして3回生の木俣と中島の3人で行動しました. まず、私たちは福島県楢葉町の町役場に伺いました.楢葉町は,2011年の東北地方太平洋沖地震により,震度6強を記録しました.また,福島第一原発事故の影響で全町避難を余儀なくされた町でもあります.役場では,防災担当の職員さんから関連死研究についての助言や,当時の状況についてお話を伺いました.職員さんのお話からは地元の町への想いが感じられ,非常に印象深いものでした.
そしてお昼ご飯には近くの海鮮料理屋へ.私は刺身定食をいただきました.どの魚もとても美味しかったです.
昼食後,楢葉町内にあるJヴィレッジというスポーツ施設を訪問しました.Jヴィレッジは福島第一原発から20kmに位置しており,震災直後には原発事故の対応拠点として使用されたそうです.Jヴィレッジは,震災から8年後の2019年に4月に全面再開を果たしたそうで,その復興には幾度とない苦労があったのだろうと感じました.
Jヴィレッジ訪問後,伝承館見学組と合流し,私たちも伝承館を見学しました.伝承館周辺は,草原のように一面広がっており,ここを津波が襲ったのかと実感させられました.
(文責:奥村ゼミ3回生 木俣)