EMM研究会で発表し終えた後の感想(2)~過程と予定、あるいは期待~

 こんにちは、M1(院生)の野元です。現時点において社安では唯一、Virtual Realityを扱っている学生かもしれません。ひとつ節目を乗り越えたような気がするので、11月20日に開催されたEMM研究会での発表と、そこに至るまでの過程、今後のことなどを綴っておこうと思います。今回は、発表に至るまでの過程と今後の予定や期待に関してです。

 いくつかの(あるいは多くの)細かなトラブルを乗り越えながら、発表会は無事に終えることができました。三歩進んで二歩下がるどころか、二歩進んで三歩下がるような日もしょっちゅうでしたが、積分すれば去年よりは進歩していると思います。家の事情もあり、開発作業の大半はキャンパスではなく、家の中で行われました。開発用の機材は、コロナ禍以前から河野先生に用意していただいたものがあり、必要な素材の購入等から研究上のアドバイスまで、先生には様々な支援をしていただきました。

 今回のプロジェクトは、当初の予想では2週間程度で大部分が準備できるだろうと考えていたのですが、結局、様々な空き時間を使ったり、寝る時間を削ったりしながらも、1か月以上かかってしまい、そのうえ目指していたレベルには到達できず、という有り様でした。河野先生からは、しばしば「予定通りにはいかないものだから」とは言われていましたが、今回も例に漏れず壁にぶち当たりまくってしまいました。初歩的なミスから原因不明のエラー、既知の未解決バグなど、毎日のように何かにぶつかっていたように思います。おそらく今後もそうなのでしょう。しかし、ただ前進あるのみです。

 ところで、いま取り組んでいることは、実は自分自身の研究だけでなく、ほかの方の研究で使うシステムを作るための前段階でもあります。後者のお話についても、後日また機会があれば詳しく書く予定ですが、それなりに大きなプロジェクトなので、与えられた役割をきちんと果たせそうか心配ではあります。ただ、自分でないなら一体誰にやってもらうのかというところでもあるので、やれるだけのことはやろうと思います。(結構、気力というか、根性頼みでやっているように感じるかもしれませんが、道は切り開いておくので、VRやりたい人は安心してウチのゼミに来てくださいね!)

 直近の予定として、まずは先ほど挙げた他研究室との共同プロジェクトに取り組まなければなりません。こちらでも災害状況を再現したVRシステムを作るのですが、新しく購入したアセットを複数使うことになりそうなので、そのあたりの技術調査も兼ねた「遊び」の時間を確保する必要があります。今回の失敗の要因は様々あると思いますが、「遊び」不足も、その原因のひとつであっただろうことは容易に想像がつきます。

 コロナ禍で急造された「シン・テレワークシステム」の開発者として知られる登大遊さんも「IPA のけしからん技術が再び壁を乗り越え、セキュアな LGWAN 地方自治体テレワークを迅速に実現」( https://telework.cyber.ipa.go.jp/news/20201103/ )にて、似たようなお話を書いていますが、言われたこと以外のことに取り組む「余白」がなければ、次のステップには進めないのだということを、この一年間でより強く感じるようになりました。

 少し前に交わした同期の院生との会話では、マシュマロ・チャンレンジ(茹でる前のパスタを使って、チームでタワーを作る遊び)で、子どもの成績が高い傾向があることを引き合いにしつつ、「小学生のすごさの所以は、限界を分かっていないところだ」というような話をしていたのですが、やはり今回の件でも、自身で勝手に線引きしてしまっている部分がどこかにあったように感じます。映画『マトリックス』でも、主人公らを導くモーフィアスと言う人物が、mind による制約について語っていましたし、free your mind を自分に課していきたいところです。

 閑話休題。そういえば、先ほど挙げた案件と並行して、12月の初めには現在製作中のシステムの Version One を仕上げる予定でした。このバージョンでは、学部時代からやりたいと思っていた「あること」を部分的にではありますが、取り入れようと計画しています。完成したら、こちらでも紹介するつもりです。また、年度末には改めて対外発表を予定しており、さらにそのあとには学内の中間発表も控えています。うーん、畳み掛けるタスク... 度し難い!(笑)
生き延びた暁には、レベルアップした自分がいることに期待しておきましょう。

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