『パラアスリート・オブ・ザ・イヤー』最優秀賞をテニス部・喜多美結が受賞！「UNIVAS AWARDS 2019-20」表彰式
一般社団法人大学スポーツ協会「UNIVAS」（ユニバス）が27日、東京都内で『UNIVAS AWARDS 2019-20』表彰式を行い、本学テニス部の喜多美結（化学生命工学部2年）が「パラアスリート・オブ・ザ・イヤー」の最優秀賞に選出されました（表彰式の模様は下記の関連情報からご覧いただけます）。
＜関連情報＞
・パラアスリート・オブ・ザ・イヤー【UNIVAS AWARDS 2019-20】（UNIVAS）
また、安全確保に関する先進的取組事例に取り組んだ大学、運動部及び競技団体に贈られる「安全確保に関する優秀取組賞」では本学ATルーム学生トレーナー部が取り組んでいる『学生による包括的なSafety Systemの取組』が優秀賞に選ばれました。
なお、受賞者は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため表彰式には参加せず、インターネットライブ配信番組として開催されました。
「パラアスリート・オブ・ザ・イヤー」は、優れた競技成績を残したパラスポーツ競技に取り組む学生個人に贈られるもので、優秀賞には喜多を含めて全国の大学から5選手がノミネートしていました。
選考理由について有森裕子UNIVAS副会長は「（喜多選手は）デフテニス挑戦当初、補聴器を外してのプレーに苦しみ、他のテニス部員の協力を得て補聴器を外して練習に取り組んだ。周囲に迷惑をかけて申し訳ないという葛藤があったそうです。月に1度の合宿でしか実践的な練習ができなかったため、フットワークや動体視力の強化など練習内容を工夫して競技力向上に励み、（デフテニス）世界選手権大会では日本人女子初の女子シングルス優勝、女子ダブルス準優勝、ミックスダブルスベスト8の成績を残し、日本人代表として他の日本人選手と引っ張っていく活躍を見せた」と説明しました。
また、「第4回日本パラスポーツ賞優秀賞を受賞し、パラスポーツの振興にも貢献されました」と有森副会長は紹介し、喜多のデフテニスを通じてパラスポーツ界への貢献が高く評価されました。
「パラアスリート・オブ・ザ・イヤー」で最優秀賞に輝いた喜多の受賞コメントは以下の通りとなっています。
―受賞された気持ちをお聞かせください。
喜多：
私個人のみではなく、デフテニス界において光栄な賞をいただけたことがとても嬉しいです。また、世界選手権出場にあたってサポートしてくださったたくさんの方々や関大テニス部の関係者の皆さま、応援を届け見守ってくださった関大テニス部の部員の皆さんに改めて感謝の気持ちを抱き、この気持ちを忘れず体育会の部活に励んでいこうと思いました。
―これまでの競技人生の中で、大変だった事、困難だった事を教えてください。
喜多：
聴覚障害は目に見えにくい障害であり、周りが思っている以上に聞こえにくいことから受ける精神的な苦痛、心理的な苦痛が多いです。貴重なアドバイスをもらっても聞き逃していたり、コミュニケーションの取りづらさから会話に溶け込めなかったり、聞こえたらいいのになと思うことは日々たくさんあります。ですが、聞こえにくいことをアピールしている中で周りの方も協力してくださり、手話を覚えてくれる人がいたり聞き返したら少しゆっくり話してくださったり、口を少し大きく開けて分かりやすく話してくれているなと感じることもあり、些細なことが嬉しく感じることも多いです。
―結果を残すために最も努力した部分はどういったところですか？
喜多：
海外の選手と戦うにあたってパワーと身長にはどうしてもかなわないことから、フットワークを自分の武器にしようと、誰よりもフットワークには負けないように練習しています。また、普段は一緒に頑張って切磋琢磨できる仲間がいますが、試合になったら遠い地で一人で戦わないといけなかったりするので、「妥協しそうな自分に負けない」事をモットーにトレーニングに励んでいます。
―これから社会に出て、どのようにスポーツに関わっていきたいですか？
喜多：
私自身、難聴持ちであることをハンディだと抱えて生きていましたが、デフテニスと出会ってテニスを通じて健聴者や難聴者と交流する中で難聴持ちであることはもしかしたら武器なのではないかと捉えられるようになりました。スポーツは障害の障壁を越えて人と人を結びつける力があると思います。辛い思いをしている人がいたら、スポーツは違った世界を見せてくれるということを伝えたり、スポーツを通して前向きな思いを持つことができる人が一人でも増えたらいいなという思いでデフテニスに限らず障害者スポーツを広めていきたいと思っています。
『UNIVAS AWARDS 2019-20』の表彰式で最優秀賞を受賞した喜多（『UNIVAS AWARDS 2019-20』表彰式ライブ配信番組より抜粋）
テニス部・喜多
