新型コロナウィルスの影響で外で遊べない子供たちに届け―。
予定されていたスポーツイベントが相次いで延期や中止になるなど、スポーツ界にも大きな打撃を与えている新型コロナウィルス。そして、多くの子供たちが休校を余儀なくされて外で思い切りスポーツを楽しむ機会を奪われています。そんな状況の中で、関西大学サッカー部は一つのアクションを起こしました。
本学サッカー部が今月6日から同クラブの公式YouTubeチャンネル「関西大学体育会サッカー部」で『毎日サッカー教室』の動画配信をスタートさせました。同部のスクールプロジェクトチームのメンバーで企画リーダーを務める矢木零士(経済学部3年)は、今回の企画に込めた思いをこのように述べました。
「新型コロナウィルスの影響で子供たちが外で遊ぶことがなかなかできなくなってきています。そんな中で家の中でも身体を動かせるようなことをやっていったら、子供たちももっと元気になっていくのかなと。子供たちのために遊びというものを提供して子供たちを元気にしたいなと思いました」
【関連情報】
・公式YouTubeチャンネル「関西大学体育会サッカー部」
きっかけは同部の岩切浩二コーチの一言でした。「コロナウィルスの影響で外に出られない子供たちのために何かできないかな?」。それを聞いた矢木ら選手たちが素早く反応し、知恵を絞って即日にスタートさせたのが『毎日サッカー教室』の動画配信でした。
どの動画も笑顔であふれています。初日に配信した「ビニール袋リフティング」は、ビニール袋に空気を入れてそれをサッカーボール代わりにリフティング練習するというもの。もちろん一人でも家の中で行える内容なのですが、ビニール袋を二つ使ってそれをパスしあう形の対戦型にすることでより一層楽しめるように工夫されています。動画が公開されて数日ですが、視聴回数は1000回に迫る勢いとなっています。
「家の中で親と子供のコミュニケーションというところで、配信している動画の内容を見てもらうとわかりますが、どちらかというと一人でやるようなものじゃなくて、二人で競い合ったりとか、子供同士で競い合ったり、親と子が二人で競い合って楽しんでもらったりと、みんなで楽しんでもらうことで、親と子や子供同士のコミュニケーションが生まれるように工夫しています」と矢木。身体を動かすだけでなく、言葉のパス交換を行うきっかけにしたいという狙いもあります。
総勢15人のスクールプロジェクトチームのメンバーが頭を悩ませながらコンテンツを考え、様々なアイデアを動画という形にしていきます。動画の編集を担当しているシュレスタ理音(文学部2年)は「子供に見てほしいというのがあったので、そんなに長くても子供たちは見られないと思ったので、できるだけコンパクトに編集することを心掛けています」と昨年秋から独学で学んでいるという動画編集テクニックを活かし、字幕や効果音を適宜入れることで子供たちによりわかりやすく伝わるように努めています。
この『毎日サッカー教室』の動画配信は今のところ3月限定としていますが、状況によっては今後も継続していくとのこと。企画リーダーの矢木は「こういう活動を通じて子供たちにも元気を出してほしいですし、またこういった活動がサッカー部だけにとどまらず他のクラブとかにも伝染されていろんな影響を与えたりという部分が生まれてきたら、すごく理想の形だなと思います」と話し、関西大学KAISERSへの協調を呼びかけていました。
インタビューに応じる矢木(右)とシュレスタ
『毎日サッカー教室』で配信される動画(公式YouTubeチャンネル「関西大学体育会サッカー部」より抜粋)
【動画】『毎日サッカー教室』の動画を配信するサッカー部・矢木&シュレスタインタビュー
http://www.kansai-u.ac.jp/sports/media/IMG_2020038soccor.MOV