自己点検・評価委員会報告書

2009年度自己点検・評価報告書

機構の目的・目標の適切性

 関西大学経済・政治研究所は、2001年、本学の教育理念「学の実化」に沿った社会貢献を推進すべく文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業に応募、学術フロンティア推進事業として「ソシオネットワーク戦略研究センター」(Research Center of Socionetwork Strategies、以下「RCSS」という)が採択された(2002年度から2006年度)。
 次いで2005年には、社会連携研究推進事業として、「政策グリッドコンピューティング実験センター」(Policy Grid Computing Laboratory、以下「PG Lab」という)が採択された(2005年度から2009年度)。更に、RCSSは2007年 4 月に 3 年間の研究期間延長を獲得した(2007年度から2009年度)。
 翌2008年度、両センターは、(従来国の設置した機関の排他的特権であった共同利用・共同研究拠点への申請を私立大学にも認める趣旨で公募された)文部科学省の「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」に連携して申請し、採択された。これに伴い、同年 7 月24日、経済・政治研究所から独立した研究機関として「ソシオネットワーク戦略研究機構」(Research Institute for Socionetwork Strategies、以下「RISS」という)が設置され、両センターはRISSの下に設置される研究機関となった。更に、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」及び「共同利用・共同研究拠点の認定等に関する規程」の施行を受けて、RISSは、文部科学大臣から同年10月 1 日付けで「共同利用・共同研究拠点」として認定された。
 私立大学学術研究高度化推進事業への二つのセンターの設置申請・採択から「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」への応募・採択へと至る上記のプロセスそれ自体が、何にもまして雄弁に、「国公私立大学を通じた共同研究の・」・i及び研究者ネットワークの構築並びに学術資料等の共同利用の促進等を行うため、高度な情報通信技術を活用したネットワーク戦略の総合的政策研究を行い、優れた研究体制の構築と研究基盤を形成し、世界が直面する社会的課題を解決する」(RISS規程第 2 条)という、RISSの目的・目標の適切性を物語っているといえよう。

研究活動状況

現状の説明

(1)概要

 RISSは、「金融政策ユニット」「社会福祉政策ユニット」「政策基盤ユニット」の 3 つの指定研究ユニットと、採択と同時に新たに公募した「事前規制・事後監視比較研究ユニット」で構成され、文部科学省から委託された業務の研究活動を展開している。また、その下には、RCSSとPGLabの 2 つのセンターが設置されている。
 その一つであるRCSSは、情報技術に関わる世界最先端の政策研究を推進することを目的として、2002年に設立された。日本最高速の通信網「SINET 3 」と2004年に直結され、SINET 3 推進協議会GRID研究部会のメンバーとなった。また、The Review of Socionetwork Strategiesの編集局も置かれている。研究組織は当初「経済ネットワーク戦略班」、「企業ネットワーク戦略班」、「社会基盤ネットワーク戦略班」の 3 班構成であったが、継続申請が認められた2007年度からは「金融ネットワーク政策チーム」、「インターネット政策チーム」、「年金政策チーム」の 3 チーム構成となった。研究成果は、Advanced Studies in Socionetwork Strategies(Springer)、ソシオネットワーク戦略研究叢書(多賀出版)、RCSSディスカッションペーパーに収められている。
 RISSの下に置かれているいま一つのセンターであるPGLabは、社会福祉、介護福祉、地域経済活性化等の社会問題にかかる政策立案への寄与(有益かつレレバントな政策関連情報の開発・提供)を目的として2005年度に発足したものであるが、産官学連携の文理融合研究組織として、本学の経済学部・総合情報学部・システム理工学部のほか、大阪大学、九州大学、東京工業大学、愛媛大学、青山学院大学、吹田市、バイオグリッドセンター関西、富士通、富士通研究所によって構成されている。また、RCSSとの緊密な連携の下、研究活動を展開している。その成果は、上記のソシオネットワーク戦略研究叢書及び、PGLabディスカッションペーパーに納められている。

(2)組織と運営

 RISSの組織と運営はRISS規程に定められている。機構長及び副機構長を置き、学外有識者が半数以上を占める審議決定機関である運営委員会、同委員会の下に各種専門部会を設置している。各々の職責及び役割等は以下のとおりである。

a   機構長及び副機構長

 機構長及び副機構長は、本学の専任教育職員のうちから、学外有識者が半数を占める運営委員会において審議決定される。

b   運営委員会

 運営委員会はRISSの審議決定機関であり、RISS規程第 5 条にその構成メンバーが、第12条に審議事項が定められている。構成メンバーは、理事長及び学長のほか、学外有識者が半数以上を占めている。

c   専門部会

RISS規程第13条に基づき、運営委員会専門部会内規により、次の 6 つの専門部会が組織されている。

@将来構想部会(機構の長期的な方針及び将来構想に関する事項)
A研究運営部会(機構が遂行する共同研究プロジェクト及び採択した研究課題の運営に関する事項)
B人事審査部会(RISS規程第10条に規定する研究支援者の公募と審査に関する事項、RISS規程第10条 5 号から 7 号までに規定する研究支援者の任用に関する事項)
C共同研究部会(公募を行う研究テーマの設定に関する事項、研究課題の公募に関する事項、公募研究員の審査に関する事項
D情報基盤部会(研究活動に関わる情報機器、情報ネットワーク等の整備・充実に関する事項)
E研究倫理部会(機構の研究活動の研究倫理及び自己点検に関する事項)

(3)研究活動

表T-7-11 研究組織と研究年数
    研究
員数
2006
年度
2007
年度
2008
年度
2009
年度
ソシオネットワーク戦略研究センター戦略研究機構 金融政策ユニット(預金者行動分析業務) 7名 @ A
金融政策ユニット(銀行貸出行動分析業務) 8名 @
金融政策ユニット(金融機関ガバナンス分析業務) 5名 @
社会福祉政策ユニット(公的年金制度分析業務) 5名 @ A
政策基盤ユニット(政策基盤ソフトウェア開発業務) 7名 @ A
政策基盤ユニット(政策決定制約調査業務) 7名 @
事前規制・事後監視比較研究ユニット(事前規制・事後監視比較研究業務) 7名 @ A
ソシオネットワーク戦略研究センター
( )はPD・RAで外数
22名
(6名)
D E F G」
政策グリッドコンピューティング実験センター
( )はPD・RAで外数
13名
(4名)
A B C D」

(注1)○内の数字は研究年数を、G」はその年度での研究期間の終了を表す。

表T-7-12 研究組織別の研究活動・発表 <内訳表参照>
    ソシオネットワーク戦略研究機構    
年度 研究活動内容 金融政策ユニット(預金者行動分析業務) 金融政策ユニット(銀行貸出行動分析業務) 金融政策ユニット(金融機関ガバナンス分析業務) 社会福祉政策ユニット(公的年金制度分析業務) 政策基盤ユニット(政策基盤ソフトウェア開発業務) 政策基盤ユニット(政策決定制約調査業務) 事前規制・事後監視比較研究ユニット(事前規制・事後監視比較研究業務) 全体 ソシオネットワーク戦略研究センター 政策グリッドコンピューティング実験センター
2007 Web調査 1回/個票数
2,000
-
綜合研究会・定例研究会 10回 5回
国際会議・国際ワークショップ・特別講義・公開講座等 10回 2回
報告者数 22名 20名
「研究叢書」冊数 1冊 1冊
論文数 10 10
「ディスカッションペーパー」冊数 11冊 12冊
論文数 11 12
2008 Web調査 5回/個票数
10,252
5回/個票数
8,129
-
綜合研究会・定例研究会 12回 5回
国際会議・国際ワークショップ・特別講義・公開講座等 1回 5回 11回 1回
報告者数 4名 15名 22名 7名
「研究叢書」冊数 1冊 -
論文数 10 -
「ディスカッションペーパー」冊数 21冊 12冊
論文数 21 12

預金者行動分析業務(金融政策ユニット)

 目標達成のために、RISSが蓄積した経済行動に関する1,500の個票データ(Webアンケート調査結果)を用いて、個人行動の統計分析、データ・マイニングを行った。その結果、まず、上記のデータに関する統計分析から、週刊誌、月刊誌、インターネット情報、及び職場における噂話への信頼度が上昇すれば、預金引き出し確率が増加することが10%水準で有意となるが、一方で、所得と金融資産の影響が有意ではないことが判明した。次に、口座保有者の日常の情報取得行動、顧客属性、立地店舗属性等と、金融危機における取付行動との関連を、機械学習モデルとデータ・マイニングツールを用いて明らかにした。すなわ・ソ、個人属性では、性別と教育水準が預金引き出し確率に80%の精度で影響を与える。一方、所得と金融資産の影響は無視し得るほど小さい。また、金融リスクの原因の種類に応じて、地域特性に基づいた店舗戦略や顧客別対応戦略の策定枠組みを提示した。例えば、金融不祥事が起こったとき、商工業密集地に立地する店舗は住宅密集地の店舗に比べ、預金流出が1.8%大きく、これらの支店への顧客対応が重要であることを明らかにした。
 2008年度において、これらの成果は、RCSSのディスカッションペーパー(DP77号、DP81号)や海外の査読付学術誌(International Journal of Advanced Intelligence Paradigms等)として刊行されるとともに、国内外の国際会議(KES2008等)で報告された。

銀行貸出行動分析業務(金融政策ユニット)

 金融市場の規制緩和が実施された場合に、経営者の横並び意識が銀行の貸出行動に与える影響を理論的に検討した。その結果、昭和55年から平成11年の全国銀行貸出データを47都道府県別に集計してVAR(ベクトル自己回帰)及び 2 段階GMM(一般化積率法)によって分析すると、1980年代において都市銀行の貸出が他の業態の貸出に影響を与えていることが 1 %水準若しくは 5 %水準で統計的に有意となったが、1990年代においてはこの傾向は統計的に有意ではなかったことが明らかになった。
 これに加えて、採択時の留意事項に基づき、研究者コミュニティと協議の上、蓄積したミクロ・データを用いた新たな実証的研究を提案する研究課題を公募し、採択した。現在、ゲーム理論を用いて、銀行の取締役会内部における取締役同士のゲームが銀行の投資戦略に及ぼす影響の分析を開始している。

公的年金制度分析業務(社会福祉政策ユニット)

 経済政策分野の重要な研究テーマになっている「公的年金が家計の就業行動、貯蓄・消費行動、資産選択に与える影響」について、公的年金制度に対する国民の期待、信頼性及び見通しが、家計の行動や年金未納未加入選択に与える影響、特に最近の年金記録確認通知について、アンケートを実施することにより、年金不信とそれに対する政府の対応が、家計の公的年金に対する評価の変化と経済行動に与えた影響を分析した。
 平成19年 9 月Webアンケート調査の統計分析の結果、保険料納付の意思決定に、配偶者の有無、世帯貯蓄、・ウ育水準、制度信頼度が 5 %水準若しくは10%水準で統計的に有意な影響を与えていることが判明した。
 また、平成21年 2 月Webアンケート調査では、サンプルを 2 グループに分け、一方に正しい年金給付額を通知し、他方には通知しないという経済実験を行った結果、正しい通知が、「本人が支払ってもよいと考える保険料限度額」を増加させることが10%水準で統計的に有意であることが明らかとなった。したがって、年金記録確認通知は主観的保険料限度額に正の効果を与えると予想される。なお、「年金記録確認通知により年金制度に対する信頼感が増加した」との回答の比率は回答全体の 3 %にとどまった。逆に、信頼感低下の回答比率は21%であった。
 更に、日本では両親が高齢になったときには、子が両親の面倒を見るために同居するという習慣(私的扶養)が核家族化の進展にも関わらず残っている。この習慣がなくなった場合に、一人暮らしの高齢者がどれくらい増えることになるかを推計するためにマルチエージェントシミュレーションを行った。シミュレーションの結果、同居習慣がなくなった場合には、高齢者の一人暮らしの割合は、2025年には6.2ポイント(習慣あり24.1%、習慣なし30.3%)、2050年には7.2ポイント(同29.6%、36.8%)上昇することが示された。

政策基盤ソフトウェア開発業務(政策基盤ユニット)

 エージェントを用いた社会シミュレーションにより、財政、人的資源、物的資源、金融資産等の制約条件の下で実現可能な政策選択肢集合を提示するためのソフトウェアの開発に関わる研究を実施した。
 遺伝的アルゴリズムに基づく投票区割りの最適化ツールを試作し、大阪府高槻市における2003年衆議院議員選挙の投票所別投票率データを基礎としたシミュレーションを行った。その結果、現行の投票所数63を維持しても投票率を63.8%から72.8%へと 9 %上昇させられることが明らかになった。また、投票所数を63から50に減らした場合でも(20%削減)、投票率を63.8%から69.7%へと5.9%上昇させられることが明らかになった。この投票所削減は、投票所運営費の削減(4,200万円から3,400万円へと800万円削減)をもたらすことも明らかになった。

政策決定制約調査業務(政策基盤ユニット)

 人口構造の変化に応じた最適な公的年金と財政の政策選・氏EEW合を導入するためのアンケート調査を実施し、その調査結果に基づいて、社会シミュレーションが可能となるようなシミュレーション空間の理論的設計(47都道府県の地域別賃金格差を考慮した公的年金制度のシミュレーション・ツールを試作)を行った。その結果、月額推計賃金に占める月額国民年金の比率を財政面から見て適切と思われる59%に固定すれば、最高位の東京都の国民年金月額は約30万 7 千円、最低位の青森県の国民年金月額は約16万 6 千円となった。国民年金の全国一律支給制度が、地域別の効用指標水準に大きな格差を生じさせていることが予想される。

事前規制・事後監視比較研究業務(事前規制・事後監視比較研究ユニット・公募)

 事前規制と事後監視が社会構成員の効用関数指標に与える影響に関してゲーム理論のモデルを用いて分析した。その結果、事前規制が事後監視よりも市民の効用関数を上昇させる場合を発見した。

私立大学学術研究高度化推進事業の研究活動

RCSS

 RCSSの研究目標は、1、社会的ミクロデータの実証研究、2、新しい行動仮説の発見、3、社会シミュレーションツールの開発、4、法案と予算案の作成への寄与の 4 点である。以下、各チームの目標達成の度合いについて記述する。

A:金融ネットワーク政策チーム

  1. 1 社会的ミクロデータの実証研究:渡邊真治研究員は、平成15年以来のRCSSを拠点とした共同研究の成果を纏めて、ソシオネットワーク戦略研究叢書(多賀出版)第 8 巻、『金融業の情報化と組織に関する経済分析』(2008年 3 月)を刊行した。学問的貢献は以下の 3 点である。
    (1)銀行業と生命保険業の情報化の経緯を詳細に比較し、計量分析によってこの 2 産業の情報化の生産性効果、企業価値効果、雇用効果を比較した。1980年代半ばには、銀行業の方が生命保険業よりも情報化の生産弾力性が大きいことが判明した。また、2006年に関しては、銀行業における情報化の生産弾力性が生命保険業に比して大幅に低下していることが判明した。
    (2)情報化における組織効果に関して、銀行業と生命保険業と郵便局における情報化と生産性、情報化と従業員の満足度の関係について分析を行っ・ス。分析の結果、情報化と補完関係にある人的資本や組織変革度が進んだ機関において生産性や従業員の満足度が高いことが判明した。
    (3)金融機関の非効率性の要因として、バブル崩壊以降、情報システムの老朽化が合併時におけるシステム統合費用を増加させ、システム統合時期の遅延をもたらし、その他の生産要素の余剰をもたらしていることが判明した。
     本書により渡邊研究員は神戸大学より博士(経済学)の学位を取得した。これに加えて、RCSSディスカッションペーパー(以下、DPと略)において、渡邊研究員がDP60号・61号・68号、竹村研究員と神津多可思研究員が英文でDP81号を刊行した。
  2. 2 新しい行動仮説の発見:Yada, Washio, Ukai & Nagaoka(2008), Yada, Washio & Ukai(2010)によりデータ・マイニング・ツールを用いて、Web調査個票データを分析した結果、預金者行動に対して従来の資産、利子率、不確実性に加えて、居住地域が大きな影響を与えていることを発見した。
  3. 3 社会シミュレーションツールの開発:竹村研究員、峰滝研究員、市川PDは、金融不安伝播ネットワーク推定ツール(Social Network Rebuilder)を開発し、ハワイの国際会議で報告した。DP91号に執筆予定である。これは、消費者間で形成される情報伝播ネットワークの形を推定するツールである。ネットワークの各ノードの次数分布、中心性、媒介性等をWeb調査データから統計的に算出し、その統計データに合致するようにコンピュータ内で仮想的にネットワークを再構築する。この結果、金融不安伝播シミュレーションにおいて基盤となるネットワークを推定できる。
     伊達研究員と市川PDは個人情報が含まれる上記のようなWeb調査データを情報セキュリティに配慮しつつ、高速に解析する環境をインターネット上に構築するために、仮想計算機技術を応用した仮想クラスタを提案している。本成果は平成22年 2 月までにDP92号に執筆予定である。
     仲川勇二研究員は金融商品開発ソフトウェアHOPEを開発した。今まで、金融の有効フロンティアが厳密に求められるソフトウェアは存在していない。HOPEは有効フロンティアを厳密に求める可能性がある。従来のソフトウェアで解けない非凸問題が解けるので、広範な応用が可能である。金融業界では20年以上前に開発されたマルチファクターモデルが使われていている。機関投資家はマルチファクターモデ・汲フ運用のために多くのファンドマネージャーを抱えていて身動きが取れなくなっているのが現状である。東京大学産学連携本部とみずほ第一フィナンシャルテクノロジーの協力を得て、インデックスファンドの調査と多目的の最適化のソフトの応用として リスク管理に関する共同研究を開始した。
  4. 4 法案・予算案作成:金融政策公聴会は、平成21年 9 月に明治大学駿河台キャンパスにおいて、「政策メッセ2009」の分科会として実施される予定である。

B:インターネット政策チーム

  1. 1 社会的ミクロデータの実証:竹村研究員は、平成15年以来のRCSSを拠点とした共同研究成果を纏めて、ソシオネットワーク戦略研究叢書(多賀出版)第 7 巻、『情報通信技術の経済分析』(2007年 3 月)を刊行した。
     本書は、情報通信技術(ICT)投資が経済に与えるインパクトを理論と実証の側面から包括的に、公表された個票データと計量経済学的手法を用いて、ICT投資が及ぼす経済効果について実証研究を行っている。特に、情報通信業における既存の財務情報データベースを基に、企業のICT関連投資がもたらす経済効果を生産関数アプローチに基づいて分析した結果、ソフトウェア資産、コンピュータ関連機器の弾力性は正の値をとることがわかった。
  2. 2 新しい行動仮説の発見:  DP85号(竹村・峰滝・今川)・Proc of ABEAI2009(Takemura)においては、Web調査(労働者の情報セキュリティ及びその対策に関する意識調査)結果の個票に対する分析を行った。ノンパラメトリックな手法に基づく分散分析を行った結果、個人にモチベーションを持たせる企業システムを持つ組織に属している労働者の方が、そうでない組織に属している労働者より・焉A情・セキュリティ意識が高くなっていることを発見している。
    (1)ICT化と情報流通量に関する仮説
     DP80号(峰滝・竹村)において、企業の情報通信技術の利活用が組織内の情報流通量にどのような影響を与えるかについて、労働者を対象としたWebアンケート調査結果に基づく実証分析を行った。その結果、製造業におけるフラットな企業組織の下では、情報通信技術を活用することが従業員間のコミュニケーションを活発にさせ情報共有を促し、それが情報流通量や速度に正の効果があることを発見している。
    (2)情報セキュリティに関する仮説
    (3)情報システムの脅威遭遇確率と情報セキュリティ教育に関する仮説
     DP75号(Takemura, Osajima, Kawano)において、インターネット・サービス・プロバイダを対象にした情報セキュリティ対策に関する郵送アンケート調査結果の個票に対する分析を行い、不正アクセス等の情報システムへの脅威と情報セキュリティ対策の関係を明らかにしている。その結果、脅威遭遇確率と情報セキュリティ教育の間に負の関係があることを発見した。
  3. 3 社会シミュレーションツールの開発:榎原・森川DP79号が開発したシステムを基礎に、PCグリッドがセキュリティ対策にどのようにインターネットを用いて応用できるかに関して、DP89号に執筆予定である。
  4. 4 法案・予算案作成:インターネット政策公聴会は、平成21年 8 月に関西大学千里山キャンパスにおいて、日本公共政策学会関西支部招待報告として実施される予定である。

C:年金政策チーム

  1. 1 社会的ミクロデータの実証:鵜飼康東・村上雅俊DP78号、四方理人・稲垣誠一・駒村康平・小林哲郎DP82号において、Web調査結果の個票に対する分析を行った。
     国民年金の納付行動に関する分析として、第 1 号被保険者に対する仮想的な質問を行い、国民年金の正確な給付額の認知が支払い可能な保険料を増加させる可能性を明らかにした。ただし、調査対象者が事前に予想した年金の給付額が、正確な給付額より低い場合においては、支払い可能な保険料額が低下する等、給付額のみの情報では十分な納付につながらないことも判明した。
  2. 2 新しい行動仮説の発見:駒村康平研究員、稲垣誠一研究員、鵜飼代表のグループは、国民年金の納付行動について、年金制度への信頼度が納付行動に影響を与えていることを明らかにし、インターネット情報を信頼するほど納付確率が低まり、新聞報道を信頼するほど納付確率が高まることを発見した。国民年金の納付行動についての先行研究は数多くあるが、マスメディアに対する意識の分析はこれまで行われていなかった。
  3. 3 社会シミュレーションツールの開発:稲垣研究員は、The Review of Socionetwork Strategies Vol.2, No.1に "A Microsimulation Model for Projections of Japanese Socioeconomic Structure"を執筆した。DP59号、DP62号、DP83号において、それを更に発展させている。マイクロシミュレーションモデルは、税制や年金制度等社会政策の変更や個々人の行動が、個々人の所得や生活にどのような影響を与えるかミクロレベルで評価することを目的とした社会シミュレーションモデルである。開発したINAHSIMは、日本社会を対象とした唯一の本格的なツールであり、DP83号では、このツールを用い、基礎年金を税方式とした場合に、将来の高齢者の所得分布がどのように影響を受けるかについて、評価をはじめて行った。
  4. 4 法案・予算案作成:年金チームの分析は、年金特別便や近年の繰り上げ・繰り下げ受給制度の変更に対応しており、現実の政策課題に直接関連した研究であり、より正確な年金受給額の通知の徹底や繰り上げ受給による年金の減額率の変更等、新たな政策提言を行った。宗岡研究員がこの提案の結果生じる年金会計上の変化について平成22年 2 月までに試算を行い、DP96号に執筆予定である。
     年金政策公聴会は、平成20年 3 月に明治大学駿河台キャンパスにおいて、「政策メッセ2008」の分科会として実施された。駒村研究員と稲垣研究員が報告を行った。総務省、野村総合研究所、株式会社大和総研、財団法人連合総合研究所の参加があり、制度信頼度に議論が集中した。
  5. 5 ツールの応用範囲の明確な提示:マイクロシミュレーションモデルは、ミクロデータを対象としている。理論的にはマクロ的な予測(例えば、年金財政の収支バランス等)も可能であるが、現実的には推計誤差が大きく、多大な計算時間も必要とするため、マクロモデルでは得ることができない所得分布等ミクロレベルでの分布等の将来予測に主として利用されるべきである。
<優れた成果があがった点>
  1. 1. 金融チームの最大の成果は、矢田研究員、鷲尾研究員、鵜飼代表のグループによる人工知能ツールを用いた金融パニック・シミュレーションツールの開発である。試作段階にも関わらず、 3 つの英文査読誌に論文が採択され、論文引用件数も増加しつつある。情報科学と金融経済学の融合領域として世界的に注目を浴びている。
  2. 2. インターネットチームの最大の成果は、鵜飼代表、竹村研究員、榎原研究員のグループによる、spamメールが国民所得に与える負の効果を世界最初に推計した研究の・タ践である。この成果は、総務省「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」調査報告書(平成19年12月)を貫く指導理念となり、平成20年 5 月の「特定電子メール法」の改正をもたらした。(平成20年12月 1 日施行)原論文(T. Takemura, and Y. Ukai, Spam Mails Impede Economic Growth, The Review of Socionetwork Strategies, Vol.1, No.1, pp.14-22, 2007)の引用件数は飛躍的に上昇しつつある。
  3. 3. 年金チームの最大の成果は、稲垣研究員、駒村研究員、村上PD、鵜飼代表グループの開発したミクロシミュレーションツールである。オーストラリアの代表的経済学者であるAnn Harding教授はこの研究を高く評価し、研究所長を務めるNATSEM, the University of CanberraのNews, April 2009にRCSSを紹介した。

PG Lab

 PG Labの目的は、提案される政策や事業の有効性を定量的に示すシステムを構築し、政策決定者の意思決定の判断材料とすることである。ここで、政策決定者及び行政機関における有効性指標の一つは、予算配分に応じて施設や制度が利用されることである。すなわち、利用されない施設や制度を運用するためのコストを最小化するとともに、実現した施設や制度を最大限活用することである。なお、本プロジェクトの対象は、大阪府吹田市や高槻市等の人口20万人から30万人程度の特例市や中核市規模の行政基盤をもつ自治体とする。
 このような目的を達成する政策立案支援システムを構築するため、 5 つの班(応用班、モデル班、ツール班、ライブラリ班、基盤班)を構成した。これらの班は本質的に一体として運営された。まず、計画全体の達成状況について述べ、特筆すべき点をあげる。
 事業計画 3 年目にあたる平成19年度は、研究員間の連携を更に強化した研究を推進した。まず、 2 年目の調査結果をもとにエージェントの意思決定モデル設計に着手した。また、利用者を意識した政策立案支援システムの開発を行った。また、政策グリッド導入のためのNPO法人設立準備を開始し、導入効果を視覚的に示す方法を検討した。 3 年目に国際会議として、プロジェクト推進に必要な多目的最適化に焦点を絞り、International Conference on Evolutionary Multi-criterion Optimization(平成19年 4 月)を開催し、Springer社よりProceedingsを刊行した。また、平成19年11月にスーパーコンピュー・eィングに関する国際会議で政策立案支援システムを出展し、研究成果を世界に発信した。 5 年目に計画した研究成果出版として、ソシオネットワーク戦略研究叢書第 6 巻「政策グリッドコンピューティングとマルチエージェントシミュレーション」(村田・鵜飼編著、多賀出版)を発刊した。更に、 5 年目に実施予定の国際会議を、第 2 回政策グリッドコンピューティング国際会議(平成20年 3 月、東京)として実施した。
 4 年目(平成20年度)は、 3 年目に構築したエージェント意思決定モデルにおいて不足していたエージェント間の相互影響を計測するため、実験経済学、行動経済学的な視点で、ネットワーク接続された端末を活用したエージェント間相互影響計測システムし、被験者実験を実施した。更に、日本知能情報ファジィ学会論文誌『知能と情報』において、研究代表者をゲストエディタとして「社会シミュレーション」特集号を企画し、平成21年度の刊行を予定している。 5 年目に拡張予定であった計算基盤を、国立情報学研究所の協力により、シカゴ大学まで拡張し、社会シミュレーションの大規模化・高速化を実現し、基盤上でのツールとライブラリの開発を行った。

(4)図書及びデータの収集と保管、利用

 RISSにはRCSS及びPGLabを含めて、約2,000冊の図書が保管されている。
 5 階の図書資料室に加えて、各研究班(チーム)に個々の共同研究室が設けられ、研究班(チーム)予算で購入した図書の大半は各共同研究室の書架に配架して研究班所属スタッフが共同活用している。

(5)社会貢献

 研究活動とその成果は、公開講座において広く社会に還元され、社会貢献に役立てている。また、RISSの目的の一つでもある、研究者コミュニティと協議の上、蓄積したミクロ・データを用いた新たな実証的研究を提案する研究課題を募るため、公募説明会を開催している(表T-7-13参照)。

表T-7-13 2007-2008年度公開講座及び公募説明会の状況 <内訳表参照>
    開催日 テーマ 参加人数
公開講座 2007年度 9 月 3 日(月) 地域系インターネットサービスプロバイダーは生き残れるか 14
大阪商業大学総合経営学部専任講師 横見宗樹
10月 1 日(月) spamメールが日本の経済成長を下げる 14
ソシオネットワーク戦略研究センターPD 竹村敏彦
11月 5 日(月) 情報セキュリティとポート管理 13
総合情報学部准教授 小林孝史
12月 3 日(月) ストリーム・データから生まれる研究フロンティア 11
商学部教授 矢田勝俊
1 月 7 日(月) 社会ネットワークシミュレーション−マルチエージェントシミュレーションによる社会構造の解明− 12
経済学部教授 谷田則幸
2 月 4 日(月) 金融情報システムの経済学的評価 16
ソシオネットワーク戦略研究センター長/総合情報学部教授 鵜飼康東
2008年度 4 月 7 日(月) 政策研究を革新するコンピュータ科学 −国民年金問題への挑戦− 8
ソシオネットワーク戦略研究センター長/総合情報学部教授 鵜飼康東
5 月12日(月) ネットワークによる情報配信 10
システム理工学部教授 山本 幹
6 月 2 日(月) 情報ネットワークの進化とオフィス立地 8
社会学部教授 瀬武典
7 月 7 日(月) 議員と首長の意識ギャップ −統計的発見− 12
大学院会計研究科教授 宗岡 徹
9 月 8 日(月) グリッドコンピューティングとその応用 17
システム理工学部准教授 榎原博之
10月 6 日(月) 金融危機における取付行動(Bank Run)モデルとその合意 13
商学部教授 矢田勝俊
11月10日(月) 離散最適化ソフトウェアHOPEの金融工学への応用 10
総合情報学部教授 仲川勇二
12月 8 日(月) Does Computer Help Democracy? 9
ソシオネットワーク戦略研究センター長/総合情報学部教授 鵜飼康東
    開催日 名称 会場 参加人数
公募説明会 2008年度 7 月31日(木) 公募研究課題 東京説明会 大学共同利用期間法人
情報・システム研究機構
統計数理研究所
13
10月 1 日(水) 公募研究課題 大阪説明会 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 6
10月 3 日(金) 公募研究課題 大阪説明会 大阪大学大学院経済学研究科会議室 7
10月 4 日(土) 公募研究課題 東京説明会 明治大学駿河台キャンパス リバティータワー 315
10月 7 日(火) 公募研究課題 東京説明会 関西大学東京センター内東京政策実験室 3
10月 8 日(水) 公募研究課題 東京説明会 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 9
10月18日(土) 公募研究課題 大阪説明会 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 11
12月 9 日(火) 公募研究員 大阪説明会 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 4
公募研究員 東京説明会 関西大学東京センター内東京政策実験室 2

長所

 RISSの最大の長所は、研究員が複数の学部・機構等に所属する教員から構成されており、学際的な共同研究が定着していることである。(表T-7-14参照)。更に、運営委員会主催で毎年、全研究ユニットの公聴会を開催し、人員と予算の再編成を行っていることである。

年度\学部 経済 社会 総合情報 システム理工 政策創造 会計研究科 合計
2007 1 1 2 1 4 3 0 2 14
2008 1 2 1 1 5 3 1 2 18

(注1)人数は2007年度、2008年度ともに 4 月 1 日現在。RISSについては2008年度10月 1 日現在。

問題点及び将来の改革・改善に向けた方策

 RISSが直面するもっとも深刻な問題は、世界水準の研究の持続可能な発展を如何にして実現するか、それを可能にするシステムを如何にして整備するかである。これには、以下の三つの様相がある。法人及び教学の理解と支援を切望する。
 第 1 の問題は、RISS研究員(を兼務する様々な学部に所属する本学教員)に対して、所属学部における授業負担や委員会業務等の学内行政の軽減措置が講じられていないため、RISSの研究に十分な時間を割くことが極めて困難だということである。まずは、研究員に対する授業負担や委員会業務の軽減措置を早急に講じていただきたい。更に、優れた研究を推進している本学の若手教員に本人が希望する学内外の研究機関で一定期間研究業務に専念することを可能にする制度を整備・拡充することや、例えば研究推進部に大型外部資金を獲得するセクションを設け、その専属教員として有能な研究者を採用する可能性を今後ご検討いただきたい。
 第 2 の問題点は、RISSにおける研究成果が、学界から高い評価を受けているにも関わらず、本学では教員の昇任人事の際に・ニ績として十分評価されていないということである。理科系学部と同様に、文系学部においてもまた、査読つき国際ジャーナルへの論文発表や外部資金等の獲得といった類の研究実績を、教員の採用及び昇進審査に際していま少し重視していただきたいものである。
 第 3 の問題点は、本学の(ある特定の研究科と連携関係にある)他の研究所と異なり、RISSにはその高度な研究成果を教育に還元するパイプがないということである。採択された一定期間( 5 年間若しくは 8 年間)については委託金又は補助金の額に見合うだけの予算措置が法人から講じられはするものの、当該期間の終了とともに予算措置もまた打ち切られてしまう。採択されたRISSのプロジェクト等を将来的に継続・発展させるという展望を、法人は示してはいないのである。したがって、RISSの研究成果を教育に還元するためには、新たな独立大学院を設置する必要がある。

3 RISSとこれを設置する大学・大学院との関係

RCSS

 RCSSにはRCSS推進委員会及びその下部組織としてのRCSS人事委員会が設置されており、関西大学専任教員がそのメンバーである。いずれの委員会もRCSSセンター長が委員長を務める。なお、RCSSの母体であるRISSの機構長及び事務長もメンバーとして上記の 2 つの委員会に所属している。RCSSの予算及び決算はRCSS推進委員会で決定され、関西大学予算委員会にRCSSセンター長が出席する。ただし、RCSS推進委員会において審議決定した事項のうち、RISSに関連する重要事項は、RISS運営委員会の議を経ることとなっている。

PGLab

 PGLabは、かつて予算・研究員規模が母体である附置研究所(経済・政治研究所)の規模と比較して大きいため、母体研究所による管理監督機能の点で問題がなしとはしなかったが、RISS設置に伴いその傘下の研究センターとして再編されたことにより、この問題は大方解消された。
 なお、RCSS及びPGLabでは、PDとRAを10名雇用して、研究教育上の後継者の養成に寄与している。

4 学生に対し、研究プロジェクトへの参加を促すための配慮の適切性

 RCSSには、PD 3 名及びRA 3 名の予算枠が設けられている。PDは、公募を経て、 3 名の審査員により提出論文が審査され、博士号取得状況、国際会議報告実績、査読付学術誌へ・フ掲載実績を吟味して採否が決定される。採用後もすべてのPDは英語論文執筆や国際会議報告の実績を挙げている。RAは、最低 1 編の査読付論文を条件として公募され、提出論文が 3 名の審査員により審査され、採否が決定される。RAには国内学会の報告を義務付け、国際会議報告を奨励している。村上雅俊RAは、2004年 4 月の採用後に、WEHIA2005(10th Annual Workshop on Economic Heterogeneous Interacting Agents)、WEHIA2006(1st International Conference on Economic Sciences with Heterogeneous Interacting Agents)で報告を行い、2007年 7 月に関西大学に博士論文(経済学)を提出した。
 PGLabでは、PD 2 名(または 3 名)・RA 2 名(または 1 名)の予算を有しており、学位取得者・大学院生と共同研究を実施する体制を整えている。また、2007年度からは、特任研究員の立場で大学院生後期課程学生を参画させており、共同研究の陣容に工夫を加えている。また、大学院博士前期課程及び学部生にも積極的に研究活動に参画させ、国内外の学術講演会への参加・発表を経験させている。
 以上のことから、研究プロジェクトへの参加を促すための配慮は適切に行われていると考えられる。

5 国際的な共同研究への参加状況

預金者行動分析業務(金融政策ユニット)

 ドイツ、ベルギー、米国の先端研究機関との連携を開始しており、国際ワークショップ等を通し、研究成果の相互理解を進めている。
 また、国内外の国際会議(KES2008等)での報告を通じて、本研究ユニットの成果公開を行っている。本研究ユニットを中心とした国際的な共同研究を展開していくためには、RISSが蓄積した経済行動に関するアンケート調査票を英語化する必要がある。そのために、現在、アンケート調査票の英語化を行っている。

今後の到達目標
 本拠点は、文部科学省から委託された事業目標「国公私立大学を通じた共同研究の促進及び研究者ネットワークの構築並びに学術資料等の共同利用の促進等を行うため、高度な情報通信技術を活用したネットワーク戦略の総合的政策研究を行い、優れた研究体制の構築と研究基盤を形成し、世界が直面する社会的課題を解決する」の達成をめざし、高度な情報通信技術を活用したネットワーク戦略の総合的政策研究を推進する。また、同大臣から認定された「共同利・p・共同研究拠点」として、本拠点が蓄積した大量の資料・データを学内外の国公私立大学の研究者の共同利用に供し、または共同研究を行うことで、大学の枠を越えて学内外の研究者の知を結集し、当該分野の学術研究を効果的・効率的に推進し、世界的に評価される機関をめざす。