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【執行部リレーコラム】NAFSA年次大会に参加して

2019.08.08

副学長 前田 裕

 5月28日から31日までNational Association of Foreign Student Affairs(通称NAFSA)2019への参加の機会を得た。NAFSAは、1948年に、米国の高等教育機関において留学生を担当する専門家の組織として始まった。その後、NAFSA ; Association of InternationalEducatorsという名称が使われるようになり、いまでは米国にとどまらず世界規模の国際教育に携わる幅広い分野の人たちの集まりになっている。  

 その年次大会としてのNAFSA2019は、ワシントンDCで、100カ国を超える国々
から3500以上の高等教育機関に属する10000名以上の参加者を集めて行われた。

 NAFSAは、国際的な教育交流大会としては、世界各地から大学、組織が集まる世界最大規模の大会である。国際化を考える大学にとっては、海外の大学との交流プログラムや交流協定の相手を探し、直接相手と相談するにはよい機会である。日本も、JAFSA(Japanese Association for Foreign Student Affairs)がまとめ役となって、JASSO(日本学生支援機構)の支援のもと継続的に参加している。世界各国の大学が国単位でブースを出してしている。それぞれの国が国の施策としての高等教育の国際化と国際交流に力を入れているところを知ることができる。
そのお国柄もブースに出る。日本の合同ブースはさくらをテーマにした華やかな中にも落ち着いた雰囲気で、45大学と3機関がJAFSAのとりまとめで参加・出展していた。

 留学を希望する学生のための会議ではなく、国際交流に関わる教育者のための大会で、事前に大学間で予定を調整して面談を設定する。ほぼすべての出展時間帯で大学間の交流協定、交流プログラムの相談や打ち合わせが行われている。複数の大学との交渉を一気に行うことができる点では効率がよい。また、期待するような交流ができる相手大学を効率的に探すこともできる。実際に顔を合わせて交渉することで、相手大学の実情、要望をより的確に知ることができる。これらの出展と同時に、様々な国際教育に関わるテーマに関するセッションが行われて
いる。テーマは広範で、技法的なものから最新のテーマまで国際教育の最先端、最前線を知る上で貴重な情報を得ることができる。

 夕刻からは、各国、各大学、各団体でのレセプション合戦が始まる。ウェルカムバンケットはスミソニアン博物館で行われ、各国、各大学のレセプションが連日各国大使館などで行われ、国を超えた交流の場が会場とは別に設定されている。NAFSAの中で日本との交流に関心や関わりのある有志の集まりがJapan-SIG(Special Interest Group)を構成している。このJapan-SIGのレセプションも在アメリカ合衆国日本国大使館で関係者を集め盛大に開かれた。これ以外にも、Japan-SIGは日本留学に興味のある現地の高校生を日本ブースに招待するプログラムも実施している。

 このような国際教育交流団体はNAFSA以外にも、欧州のEAIE、アジア太平洋地域のAPAIEなどがあり、それぞれが年次大会などの交流会を開催されている。このような大会を通して、各大学が自身の教育の特徴、特色をアピールする。関西大学を含めて日本の大学も、このような場での主張を求められている。

関西大学ブース
関西大学ブース
会場の様子
会場の様子
会場の様子2
会場の様子2