お知らせ

【執行部リレーコラム】大学教育におけるゼミ

2017.12.15

副学長 奥 和義

 今回のコラム執筆に際して、当初は、前回(2017年4月13日)執筆した内容に続いて、自分の研究(英国公文書館のリース=ロス文書、原子力発電機輸出資料など)の詳細を説明してみたいと考えていたが、11月に4回生とゼミ旅行(タイ・バンコク)に行く機会があり、ゼミナールでの教育についていくつかのことを感じた。そこで、英国公文書館の資料については次の機会に書くこととし、今回のコラムでは大学教育におけるゼミをテーマとさせていただいた。
 私は、大学教員になってから、すでに多くのゼミ生を指導してきたが、その総数は388人に上ることがわかった。教員としての生活が30年あまりになった事を思えば、そのあたりの数字なるものかと納得したりもしている。内訳は、関西大学に赴任する前の最初の職場である山口大学経済学部で6期83人、関西大学に移り、商学部で7期185人(1部生148人、2部生37人、現在すでに2部はない)、政策創造学部で7期120人である。うち、現役学生3回生20人、4回生8人をのぞけば、OB・OGは、360人となる。
 この4回生8人のうち6人とバンコクに出かけたのであるが、たまたま、ゼミの1期生と会食する機会をえることができた。ゼミ1期生もすでに40才代の後半になり、日本の大手企業の駐在員(現地では副社長の肩書きである)として活躍している。他の企業との懇親ゴルフコンペの後に、夕食会場に駆けつけてくれた彼は、20数年にわたる実社会での体験を熱く学生に語ってくれた。
 4回生たちは、講義を聞いているときとはうってかわって(と書くと言い過ぎになるかもしれないが)、自分にこれから降りかかってくるであろうさまざまな困難やそれへの対応について、熱心に聞き入るとともに質問を繰り返していた。
 ゼミコンパ、ゼミ合宿、ゼミ旅行などという「日本的な」ゼミナールの運営の仕方に、やや疑問を持つこともありながら、ゼミ旅行を通じて、共通の土台があるOB・OGとのコミュニケーションも「日本的な」ゼミ教育の効用かと感じられた次第である。


ゼミ旅行写真
ゼミ旅行写真