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授業拝見

自分のアイデアを磨き上げ、
ビジネスに応用する力を養います。

商学部「ビジネスモデル論」2〜3年次 秋学期
商学部教授 西岡健一

「ビジネスモデル論」では、事例研究を通じて、経営学の理論に対する理解を深め、社会で求められる企画力やプレゼンテーション能力を身につけます。授業を担当される西岡先生は、通信業界で研究開発や経営企画に携わった実務経験者です。この授業を通じて学生に身につけてほしい能力などについて、先生にお聞きしました。

Q.授業ではどのようにして「ビジネスモデル」を学ぶのでしょうか?

世の中には様ざまなビジネスモデルがあります。企業によって商品の売り方は異なりますが、マーケティングの理論には共通する点がたくさんあります。この授業では様ざまな企業のビジネスモデルの事例を研究することを通じて、マーケティングの基礎について理解を深めることをめざします。座学中心に情報をインプットするだけではなく、学生が企業のマーケティングプランを分析して発表する、あるいは、新しいビジネスモデルを考案して発表するというアウトプットにも挑戦してもらいます。受講している学生は、商学部のBLSP(ビジネスリーダー特別プログラム)の参加者が多く、将来的にビジネスリーダーをめざすうえでの入門的な科目と位置づけています。

Q.学生にはどんなことを学んでほしいとお考えですか?

父母・保護者の皆さまが学生の発表をご覧になったら驚かれるかもしれませんが、今の学生はコンピュータやデータを駆使しながら、高いレベルで企画立案やプレゼンテーションをすることができます。それが当たり前の世代のなかで、どんなアドバンテージを持ってビジネスの世界に進出するのかが問われています。私はこの授業を通じて、学生に社会で戦っていける武器を身につけてほしいと考えています。あくまで入門編の授業なので、ここでの学びは経営学やマーケティングの基礎理論に対する理解を深め、企画やプレゼンテーションのフレームワークを体験することが主目的です。それを土台にして、各ゼミなどで個別の研究テーマに取り組みながら、自分のアイデアをマーケティングプランやビジネスモデルに引き上げる能力を磨いてほしいと思います。

Q.最後に、父母・保護者の皆さまにメッセージをお願いします。

今の学生は勉強熱心で、自分のキャリアに高い意識を持っています。さらに関西大学の学生は明るくて素直な気質なので、今が一番伸びしろのある時期だと思います。移り変わる時代のなかで、個人のキャリアのあり方も大きく変化していますが、関西大学の学生ならきっと大丈夫です。自信を持って社会に送り出してあげてほしいと思います。

「冒険」への挑戦が
自分の壁を乗り越える力になる。

人間健康学部「テーマ研究2」2年次 秋学期
人間健康学部教授 安田忠典

「テーマ研究2」では、人間健康学部の特色のひとつである「冒険教育」をより専門的・実践的に学びます。「冒険教育」とは、グループで冒険的な活動にとり組む体験を通して、主体性や責任ある行動力、仲間との信頼関係などを築く体験学習法です。こうした体験型授業に数多く取り組んでこられた安田先生に、大学における「冒険教育」の魅力についてお聞きしました。

Q.授業では具体的にどのようなことに取り組むのでしょうか?

この授業では、「アドベンチャー教育」「アドベンチャーカウンセリング」「アドベンチャープログラム」の3つの分野を柱としており、各分野を専門とする教員3名が授業を担当しています。
例えば「アドベンチャー教育」では、自由にグループを作り、堺キャンパスの体験学習エリアに設置されているエレメント専用器具に挑戦します。高さ10メートル以上あるクライミングタワーに登るためには必ず仲間の助けが必要となります。安全の確保はもちろんしっかり行いますが、命綱を握る仲間への信頼がなければ登ることはできません。登っている途中に高さへの恐怖心やあきらめの気持ちが襲ってきたときには、仲間の応援が大きな力になります。こうした冒険的な「場」が、学生自身が持っているチャレンジ精神や主体性、協調性、高いコミュニケーション能力を引き出すきっかけになっています。

Q.授業での体験を通して、学生はどのように成長していますか?

与えられた課題に取り組む受け身の姿勢だった学生が、自ら学ぶ意味を考え、意欲的に取り組む姿勢へと変わっていく姿をこれまで多く見てきました。それは、この授業が指導者によって与えられる活動ではなく、ファシリテーターと呼ばれる介添役の協力のもと、互いの自主性を尊重しながら自らの意思で取り組む授業だからです。エレメントに挑戦するかしないかを決めるのは学生本人であり、誰かに強制されるものではありません。ここで大切なのは、チャレンジすること、しないことを自分で決断し、楽しむことであり、仲間とともに互いの努力を最大限に認め合うことです。
この経験を、自らの人生をポジティブに切り拓く力にしてほしいと思っています。

Q.最後に、父母・保護者の皆さまにメッセージをお願いします。

人間健康学部では、1年次の「スタディスキルゼミ」でも、「冒険教育」を取り入れています。また、3年次には学生たちがファシリテーターとなって地域の子どもたちに「冒険教育」を提供する機会も多く、学生のさらなる成長につながっています。学生が自ら決断し、踏み出すその一歩を、父母・保護者の皆さまにも大きな心で見守り、支えていただきたいと願っています。

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