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研究紹介

地域密着型バイオリファイナリーユニット
地域資源の高度利用を図るバイオリファイナリーの基盤形成とその実用化

研究代表者 化学生命工学部
教授 片倉 啓雄
研究者 化学生命工学部
  • 教 授 長岡 康夫
  • 教 授 河原 秀久
  • 准教授 住吉 孝明
  • 助 教 山崎 思乃
社会学部
  • 教 授 池内 裕美
環境都市工学部
  • 教 授 山本 秀樹
  • 教 授 林 順一
農商工連携による新六次産業のためのバイオリファイナリー

得意技持ち寄り型のオープンイノベーションにより、農商工の連携による六次産業形成のための文理融合型の研究基盤の形成を目指しています。
農業をはじめとする一次産業は、一般に利益率が低く、TPPによる悪影響も懸念されています。このため、農業者自身が加工(第二次)及び流通・販売(第三次)も行って利益を確保する六次産業化が推奨されています。また、地域企業や商業者との連携も進められていますが、その多くは農産物の加工に留まり、高付加価値製品を上市するには至っていません。

そこで本プロジェクトは、規格外農産物や加工残渣などの地域資源から、複数の高付加価値物を抽出して製品化すると同時に、残渣からエタノールと機能性活性炭を生産することにより、バイオリファイナリー的な総合利用を実現する基盤を確立し、さらに、農工商が連携する新しいタイプの六次産業の創出を目指します。

1. 原料の確保と抽出工程の標準化

地域の自治体や農協などと連携して、安定して確保できる農産物またはその加工廃棄物を毎年3品目程度選定します。さらに、地元企業の協力を得て、農産物の水抽出液、酵素抽出液、エタノール抽出液を調製し、その工程を標準化して生産コストを削減します。

2. 高付加価値成分の探索

関西大学を中心とした大学等の研究室、医薬基盤研究所、大阪府立環境農林水産総合研究所が、それぞれの得意分野を活かして、各画分に含まれる有用成分を探索します。具体的には、生活習慣病予防や老化予防に効果が期待できる新規機能性食品・化粧品素材、加工食品の風味や食感の改善・維持に効果のある新規食品添加剤などを探索するとともに、分離精製の困難さから希少で高価な天然素材の抽出方法を検討します。

3. 残渣からのバイオエタノールおよび機能性活性炭の製造

抽出残渣を炭化して様々な吸着特性をもつ機能性活性炭を製造します。また、セルラーゼ等を添加し固体並行複発酵によってエタノールを生産し、1の抽出溶媒や燃料に活用します。

4. 高付加価値物の商品デザインと製造販売戦略の研究

それぞれの高付加価値物について、販売経路や購買層を何通りか想定した上で、消費者心理を考慮した商品デザイン、パッケージデザインを行うとともに、地元企業および自治体と連携して製造販売戦略を研究します。