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HOME 収蔵資料 01 創立期(1886前後) 詳細

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 創立者の一人で、関西法律学校初代校長を務めた小倉久は、明治31年(1898)、内務省警保局長兼司法省監獄局長に任ぜられた。翌32年(1899)からは和歌山県知事を振り出しに徳島、富山、大分、岐阜の県知事を歴任する。
 この『風俗警察論』は、司法官や警保局長を務めた経歴をもとに、東西にわたる売淫の歴史と実態、取締りの立法とその効果を調査し、いかにすればその弊害を克服し得るかを、確乎たる人権尊重の立場に基づき研究した未完の著作である(石尾芳久著「小倉久遺著『風俗警察論』について」『関西法律学校の創立とその精神』所収)。なお、石尾教授は、『風俗警察論』が引用している法令や統計資料の年代などから、小倉が和歌山県知事に在任していた明治33年(1900)直後に執筆されたと推定している。
(小倉稲子氏寄贈)