研究活動

関西大学千里山キャンパスの景観変遷と可視化

研究代表者 橋寺 知子 環境都市工学部・准教授
研究概要  本研究は、下記の3項目を目的とする。

関西大学千里山キャンパスの景観変遷と可視化1.千里山キャンパスの景観の変遷に関する研究
 千里山キャンパスの景観の歴史的変化や村野藤吾のキャンパス計画に関しては、すでに研究を進めており、建築学科建築意匠研究室において、学生たちとともに資料の分析を進め、学位論文や修士論文、また年史紀要等で成果を発表している。
また、京都工芸繊維大学美術工芸資料館には、村野藤吾コレクションとして村野藤吾の設計図面が所蔵されており、長年、村野に関する研究が進められている。
このコレクションには本学に関する図面が3000点近く含まれる。
両大学でのそれぞれの研究成果を統合し、後述のアプリに用いるコンテンツの作成・精査を行う。
また、1990年以降のキャンパスの景観形成については、まだ詳細に整理・分析していない。これまでの資料の蓄積と現代の景観を結合させる分析を行う。

関西大学千里山キャンパスの景観変遷と可視化2.創立以来の「学舎」の意義と関わった人々に関する研究
 関西大学の原点である関西法律学校は、創立当初は寺院に教場をもち、その後、本学は江戸堀学舎を構え、移転・新設を経て、現在に至る。大学にとって「学舎」の持つ意義は大きく、本研究ではその意義を問うとともに、本学の主要人物の事績を改めて整理する。得られた知見は、キャンパスに現存する彫像や記念碑、校舎の解説等として公開する。

3.千里山キャンパスの景観変遷の可視化(アプリの開発)
 景観の歴史的変化を現地で体感できるアプリを開発する。スマートフォンをかざすと失われた校舎や風景が現在の風景に重ねて表されたり、記念碑や彫像の詳しい解説が現地で読めたり、本学の歴史を体感できる、効果的で操作の容易なシステムやインターフェースの検討を行う。
研究分担者 市原 靖久 法学部・教授
井浦 崇  総合情報学部・准教授
笠原 一人 京都工芸繊維大学・助教
研究期間 2017年度(1年間)

研究成果概要

本研究は、関西大学の歴史が刻まれた千里山キャンパスの景観の変遷を資料から明らかにし、可視化しようとするもので、 具体的にはスマートフォンで利用できるアプリ、「AR KANDAI」を開発した。 このアプリは、現在のあすかの庭の位置にかつて存在した第1学舎旧1号館(村野藤吾設計) をARで現在の景観の中へ出現させるものである。またこのアプリと連動するホームページを作成 し、景観の変化や本学のキャンパスの歴史に関するトピックス、関わった人物の物語などを読めるようにした。
詳細は以下の通り
(1)千里山キャンパスの景観の変遷に関する研究
これまでの研究の蓄積をもとに、年史編纂室所蔵写真資料等を用い、アプリで再現するエリアの選定、 旧1号館のデータ作成、キャンパスの景観変遷過程の整理等を行なった。
(2)創立以来の「学舎」の意義と関わった人々に関する研究
関西大学の130年のあゆみを学び舎のありように注目して、「寺院教場時代」、「校舎・学舎時代」、 「マルチキャンパス時代」に三分して概観し、教える者と学ぶ者にとって校舎・校地がどのような意味をもつのかをまとめた。
(3)千里山キャンパスの景観変遷の可視化(アプリの開発)
アプリの開発は、効果的で操作の容易なシステムやインターフェースの検討、上記(1)(2) の研究成果をアプリにリンクさせる方法の検討を行った。
これらの成果は、2017年度末に報告書としてまとめられ、刊行されている。だが、いちばんの 成果は、第1学舎旧1号館を現地でよみがえらせるアプリ「AR KANDAI」そのもの、またそれに連 動するホームページの作成である。アプリは、現在、最終の調整中だが、2018年度の早い時期に、 一般の方々にもダウンロードしていただけるよう、ITセンターを通じてapple store等に登録する予 定である。それとともに、連動するホームページも公開する。ホームページに関しては、更新が容 易なフォームで作成しており、研究終了後も、逐次関連するトピックスを加筆し、充実を図る。

AR KANDAI HPはこちら

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