研究活動

文化と技術の融合を通して大阪と地方の連携を図るハブ形成実践研究

研究代表者 林直保子 社会学部・教授
研究概要 文化と技術の融合を通して大阪と地方の連携を図るハブ形成実践研究 本プロジェクトは、「大阪とともにある関西大学が、各種のハブとして機能する」具体事例を形成する実践研究である。本研究の基礎は、文部科学省・私立大学戦略的研究基盤形成支援事業で構築された「社会的信頼システム創生センター」の4 年にわたる研究実践 から生み出されており、「弱いつながりを双方に利益のあるようなポジティブネットワークに転換し、多様な人々の共同によって社会問題の解決と社会効率の上昇を図る」という具体的目標を持っている。この実践理論はPONETシステムと呼称される。このPONETシステムを用いて、本学図書館が所蔵する江戸中期・大阪画壇の名品(大岡春ト「浪 花及澱川沿岸名勝図巻」)を世界最先端の超高精細デジタル化することに成功し、また、その展示機会の創造を通じた地域活性化活動が展開されている。この活動は、デジタル化された文化遺産によって、幅広い社会層が交わる機会をつくり、「弱いつながり」を構成しようとするものであり、すでに放送局、公営法人、官公庁、神社など、多様な組織をつ なぎ合わせるという実績を生んだ。また、こうした新たなつながりが、知識の効率集積を可能とすることも実践的に明らかになっている。また、本研究は、美術史学、情報学、社会科学が稠密な連携をとって進める学際的プロジェクトであり、なにわ大阪研究センターが、地域内、地域間をつなぎ、あらたな文化資源を掘り越し、地域に広めるという結節的ネットワーク(=ハブ大学)となるよう展開されている。
研究分担者 内田 慶市 外国語学部・教授
中谷 伸生 文学部・教授
研谷 紀夫 総合情報学部・准教授
研究期間 1年間

研究成果概要

平成26年度には。林原美術館所蔵の平家物語絵巻のうち第11巻(壇ノ浦)上・および中の一部の超高精細デジタルスキャンを行い、鑑賞者自身がタッチパネルの操作によりデジタル化された美術作 品を自在に拡大縮小して作品を鑑賞することができる名画ナビゲーションシステム(日立製作所)で鑑賞可能な形へと画像編集を行った。また、関西大学図書館所蔵の大坂画壇の作品数点ついて、同様にデジタル画像化した。

研究成果の公開の場として、平成27年5 月29日~6月1 日に、グランフロント大阪において、ビジュアリゼーション・ラボラトリー大阪、関西大学・VOLCANOプロジェクトおよびなにわ大阪研究センター設立準備室の主催、林原美術 館の共催で、「淀川今昔明日物語Ⅲ」と題したデジタル展示会を開催した。

平成27年度7 月から9 月にかけて、林原美術館の特別展「すべて魅せます 平家物語絵巻」において、関西大学が特別協力として平家物語絵巻第11巻 のデジタル展示を提供した。

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