「ガラス乾板」に記録された住吉大社の風景

 古くから海の神、和歌・文学の神として広く信仰されてきた住吉大社には、未整理のガラス乾板が残っており、デジタル化の作業と分析をおこなっています。
 ガラス乾板は、ガラス板の表面に臭化銀乳剤を塗って感光させて撮影するもので、明治後半(1880年代)からフィルムカメラが普及し始めた昭和初期(1930年代)にかけて盛んに使われました。しかし、重くて割れやすいこともあって、現在残っている写真は非常に少なくなっています。  
 デジタル化作業の結果、昭和7年(1932)に発行された『住吉大社写真帖』に掲載された写真の原板が見つかったことから、住吉大社所蔵のガラス乾板は、昭和の初めに撮影されたものが多く含まれていることがわかりました。そのころの住吉大社は境内の整備事業がおこなわれ、境内西側に石燈籠が立ち並ぶ景観もそのころにできあがったものです。  
 本コンテンツでは、神事や祭り、昭和9年(1934)の室戸台風の被害の様子が、記録された写真をご紹介します。  
 
 
住吉大社のガラス乾板のデジタル化作業は、第44回(平成27年度)三菱財団人文科学研究助成の研究成果の一部です