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研究員会議

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紀要

ニュースレター

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ニュースレター

紀要

 

マイノリティ研究センターの今後の研究方針について

 2011年3月26日(土)、関西大学マイノリティ研究センターにセンター研究員14名が参集し、研究員会議が開かれた。この会議の主な目的は、中間報告書の発行というセンター事業の区切りに際して、研究過程についての反省と、今後の研究方針について話し合うことであった。これまで、それぞれの研究員もしくは研究班が、マイノリティに関する諸問題についての研究を行ってきたなかで、基本的な概念についての理解、秩序構想におけるマイノリティの位置づけなど、研究の根幹にかかわる部分についての見解の相違が目立つようになってきた。そのような相違を消滅させようと努めることは本センターの趣旨に反することはもちろんであるが、すくなくとも、いかなる相違があるかを相互に理解しあうことは、共同研究の進展にとって不可欠であり、そのような理解の促進のために全研究員による会議を行った。

 午前の会議の冒頭において、孝忠センター長が、中間報告書『マイノリティという視角』発行の経緯と内容について報告したのち、この成果を秋に公刊するための手順・日程について審議し、決定した。そののち、安武・国家形成班主幹より、マイノリティ研究の視座についての報告が行われた。近代初期の国家形成という文脈におけるマイノリティ問題が、従来のナショナリズムの負の側面としてのマイノリティという視座によっては、十分にとらえきれない、という問題が提起され、研究員がそれぞれの視座について再考するよい機会となった。つづいて、西・国際関係班主幹が、「マイノリティの権利」という概念によって志向される秩序あるいは価値について、報告を行った。マイノリティの権利を基礎づける価値として、従来、人権・多様性・民主主義・平和(和解)などが前提とされてきたのであって、そのいずれを重視するかによって権利内容が異なってくるはず、という趣旨の問題提起であった。

 午後の部の前半では、研究班ごとに分かれての議論が行われ、後半では、その議論を受けて、再び、全体会議がもたれた。討論の内容は多岐にわたるが、おもにそれぞれの研究員の研究のうち、全体の関心が高いものについて、紹介と検討がなされた。

西 平等(関西大学法学部准教授)

 


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